「琴線に触れる」とは、「感銘や深い共感を感じること」という意味があります。
しかし、琴線に触れるの意味がわかったところで、その正しい使い方やシチュエーションを理解しておかないと、間違った解釈をしたまま恥ずかしい思いをするかもしれません。
そうならないように、この記事で琴線に触れるの意味に加えて、正しい使い方を例文も交えてわかりやすく解説しておりますので、最後まで読んでこれから活用できるようにしてくださいね!
美しい音楽を聞くと心に響くよね!
そうね、まさに「琴線に触れる」と言えるわね。
「琴線に触れる」の意味とは?わかりやすく解説
「琴線に触れる」とは、きんせんにふれると読み、感銘や深い共感を感じるという意味があります。
琴線に触れるの意味を辞書で調べると、このように解説されております。
【琴線に触れるの意味】
weblio辞書より引用
- 琴線に触れる(きんせんにふれる)
別表記:琴線にふれる- 感銘や深い共感を感じること。物事を見聞きして感動するさまを、琴の糸が触れられて鳴るさまに喩えた表現。
「ことせんにふれる」と読まないように注意!!
「琴線に触れる」という言葉、聞いたことはありますか?
美しい音楽を聴いて感動したり、心に響く言葉を読んで心が揺さぶられたりした経験は誰しもあると思います。
この「心が揺さぶられる」状態を、まさに「琴線に触れる」という言葉で表現するのです。
「琴線に触れる」は、文字通り「琴の弦に触れる」という意味から派生し、比喩的に「人の心に響き、感動を与える」という意味で使われます。
つまり、何かしらの出来事や言葉が、人の心の奥底にある感情を揺さぶり、共感や感動を引き起こすことを指します。
「琴線に触れる」は怒りを買ってしまうことではない
「琴線に触れる」と「逆鱗に触れる」を混同しないで!!
「琴線に触れる」という言葉は、残念ながら「逆鱗に触れる」と混同して、怒りを買ってしまうことだと誤解している人が多くいます。しかし、両者は全く異なる意味を持つ言葉です。
逆鱗に触れる: 怒りやすい人の怒りの限度を超えるようなことをして、激怒させること。
琴線に触れる: 心に響き、感動を与えること。
「琴線に触れる」は、ポジティブな意味合いを持つ言葉であり、決して相手を怒らせるような行為を意味するものではありません。
混同しないように気をつけましょう。
「琴線に触れる」ってどんなことを意味するの?もう少し詳しく教えて!
琴線に触れるとは、人の心に響き、感動を与えるという意味を持つ言葉です。
「琴線に触れる」の語源や由来
琴線に触れるの語源や由来は以下のとおりです。
【琴線に触れるの語源や由来】
weblio辞書より引用
- 「琴線に触れる」は、中国故事が語源である。
具体的には、中国戦国時代の書物『列子』にある「琴の音色を聴いている耳は、まるで私の心の中のようである」というという一節から生まれた。
つまり、素晴らしい琴の音色を聴くと、自然に心の奥深くで反応・感動するということである。
「琴線に触れる」の語源
「琴線に触れる」という言葉の語源は、中国の古い故事にさかのぼります。
【伯牙(はくが)と鐘子期(しょうしき)の物語】
古代中国の周の時代、琴の名手として知られていた伯牙という人物がいました。彼は、自分の琴の演奏を理解してくれる唯一の友人が、鐘子期という人物でした。伯牙が琴を奏でると、鐘子期はただの音ではなく、伯牙の心の奥底にある感情や風景までも聞き取ることができたと言われています。
伯牙が山水を表現する曲を弾くと、鐘子期は「ああ、巍峨たる泰山(たいざん)のようだ」と応じ、激流を表現する曲を弾くと、「ああ、奔流のようだ」と深く共感しました。
伯牙の琴の音色を聞くたびに、鐘子期は伯牙の心の琴線に触れ、深く感動していたのです。この二人の友情と、琴の音色が心の奥底に響き渡る様子が、後の「琴線に触れる」という言葉の誕生につながりました。
言葉の語源や由来は諸説あります。
「琴線に触れる」の由来
「琴線に触れる」という言葉が生まれた背景には、以下の2つの要素が考えられます。
1. 琴の構造
琴は、弦を弾いて音を出す楽器です。弦に触れると、振動が生まれ、美しい音が響き渡ります。
この琴の弦を、比喩的に人の心の奥底にある感情の琴線に見立てています。何か心に響くものに触れると、まるで琴の弦が振動するように、私たちの心も共振し、感情が揺り動かされるのです。
2. 感動と共感
伯牙と鐘子期の物語のように、人の心に深く響く音楽や言葉、芸術作品は、私たちの心を打ち、感動を与えます。
その感動は、単に楽しむだけでなく、自分自身の心の奥底にある感情と共鳴し、新たな気づきや発見をもたらすことがあります。
この、心の奥底で共鳴し、感情が揺さぶられる状態を「琴線に触れる」と表現するようになったのです。
「琴線に触れる」の使い方を例文でわかりやすく解説
それでは、「琴線に触れる」の正しい使い方を具体的にイメージできるようわかりやすい例文をご紹介します。
琴線に触れるってどういう場面で使ったりするの?
「琴線に触れる」という言葉は、主に芸術や文学、音楽などの分野でよく使われます。
「琴線に触れる」という言葉は、様々な場面で使うことができます。具体的には、以下の様な場面が挙げられます。
- 芸術鑑賞: 音楽、映画、絵画、文学作品など、芸術作品に触れた時に、心に響き感動した際。
- 人とのコミュニケーション: 相手の言葉や行動に共感したり、心を打たれたりした時。
- 自然に触れる: 美しい風景や自然現象に感動した時。
- 経験を通して: 人生経験の中で、忘れられない出来事や出会いを振り返った時。
- 物事の本質に触れた時: ある事柄の本質を深く理解し、心に深く刻まれた時。
「琴線に触れる」という言葉を使う際には、以下の点に注意しましょう。
- ポジティブな感情を伴う場合に使う: 怒りや悲しみといったネガティブな感情を表す際には使いません。
- 具体的に何を指しているのかを明確にする: どのような言葉や出来事で心が動かされたのか、具体的に説明することで、より伝わる表現になります。
- 「逆鱗に触れる」と混同しない: 「逆鱗に触れる」は怒らせるという意味なので、「琴線に触れる」と混同しないように注意しましょう。
琴線に触れるの例文①
美しい音楽を聴いて、心が安らぎ、感動したという状況を表しています。
ピアノ演奏会どうだった?
とても素晴らしかった!あのピアノの音色は、私の心を打ち、まるで故郷に帰ったような温かい気持ちにさせてくれた。本当に琴線に触れる演奏だったわ。
この例文では、「琴線に触れる」という言葉で、ピアノの演奏が聴く人の心に深く響き、温かい感情を引き起こしたことを表現しています。つまり、「琴線に触れる」は、単に感動しただけでなく、心の奥底に何かが響いた、共感した、といった深い感情を伴う場合に使われる言葉です。
琴線に触れるの例文②
友人の言葉に共感し、深く考えさせられたという状況を表しています。
コトハの友人Aさんの講演会どうだった?
Aさんが話してくれた人生観は、私の心に深く突き刺さり、今まで考えたこともないような視点を与えてくれたわ。彼の言葉は、私の琴線に触れたのよ。
この例文では、「琴線に触れる」という言葉で、友人の言葉が自分の考え方に大きな影響を与え、新しい気づきをもたらしたことを表現しています。つまり、「琴線に触れる」は、自分の価値観や考え方を揺さぶり、成長を促すような経験を表す場合にも使われます。
琴線に触れるの例文③
自然の風景に感動し、心が洗われたような感覚になったという状況を表しています。
コトハが送ってくれた夕焼けの写真、素晴らしかったね!
ありがとう。夕焼け空の美しさに見とれて、思わず立ち止まってしまったの。その光景は、私の心を癒し、まさに琴線に触れたわ。
この例文では、「琴線に触れる」という言葉で、自然の美しさが心に安らぎを与え、感動的な体験となったことを表現しています。つまり、「琴線に触れる」は、自然の風景や美しいものに触れた時に感じる感動や癒しを表す場合にも使われます。
「琴線に触れる」の類語・言い換え表現を例文を使ってわかりやすく解説
「琴線に触れる」には以下のような類語・言い換え表現があります。
「胸がときめく」の例文
「胸がときめく」は「琴線に触れる」を表します。
「胸がときめく」は、期待や喜びで心がワクワクする様子を表現します。新しい体験や恋愛、夢が叶う瞬間など、心が弾むような感情を伴うときに使われます。
Bさんのギター演奏素晴らしかったね!
彼の演奏を聴いていると、まるで胸がときめくような気持ちになるわ。
「胸がときめく」は、期待や喜びが強調されている表現です。「琴線に触れる」はより感動や共感に重きを置いていますが、「胸がときめく」は、喜びや新鮮さが心に響く場面に使われることが多いです。
「しみじみと感じる」の例文
「しみじみと感じる」は「琴線に触れる」を表します。
「しみじみと感じる」は、心の奥深くで静かに感じ入ることを意味します。時間をかけて思いを馳せたり、人生や自然の美しさをじっくりと味わうときに使われます。
久しぶりに故郷に帰省してどうだった?
久しぶりに故郷の景色を見て、しみじみと感じるものがあったわ。
「しみじみと感じる」は、静かで深い感動や感慨にふける様子を表します。「琴線に触れる」が心を強く打つような感動を示すのに対して、「しみじみと感じる」は、落ち着いた感情を伴う場面での使用が一般的です。
「心を揺さぶられる」の例文
「心を揺さぶられる」は「琴線に触れる」を表します。
「心を揺さぶられる」は、強い感動やショックで心が動揺することを意味します。激しい感情の変化を伴う出来事や衝撃的な体験に対して使われます。
Gさんの演説どうだった?
彼の演説は、聞く者の心を揺さぶられるものだったわ。
「心を揺さぶられる」は、感情が大きく動かされる様子を示します。「琴線に触れる」が共感や感動を表すのに対し、「心を揺さぶられる」は、驚きや感情の激しい動きが含まれることが多いです。この表現は、衝撃的な出来事や劇的な瞬間に適しています。
「琴線に触れる」の対義語
「琴線に触れる」の対義語を辞書で調べると以下の通りです。
【琴線に触れるの対義語】
weblio辞書より引用
- 気分を害する(きぶんをがいする)
- 憤慨する(ふんがいする)
- 激昂する(げきこうする)
「琴線に触れる」が、人の心に響き、感動を与えるという意味であるのに対し、その対義語は、人の心に不快感や怒りを与えるような言葉や行動を表します。
ここでは、「気分を害する」「憤慨する」「激昂する」という3つの対義語を例に、それぞれのニュアンスの違いと使い方について解説します。
「気分を害する」の例文
「気分を害する」とは、嫌な気持ちになったり、不快感を感じたりすることを指します。予期せぬ出来事や失礼な言動によって、心が乱される場面に使われます。
コトハ、何かあった?
ええ。Fさんの失礼な発言に気分を害したのよ。
この表現は、他人の言動によって不愉快になったときに使います。「琴線に触れる」が感動を与えるのに対し、「気分を害する」はその逆で、心地よくない感情を引き起こします。日常的に、意図せずに他人を不快にさせる場面で用いられることが多いです。
「憤慨する」の例文
「憤慨する」とは、不正や理不尽な扱いに対して強い怒りを感じることを意味します。不公平な出来事や不当な扱いに直面した際の強い感情の表現に用いられます。
コトハ、なんだか機嫌が悪いね。
そうよ!課長の不公平な態度に憤慨してるの!!
「憤慨する」は、怒りの感情が強く湧き上がる場面に適しています。「琴線に触れる」が心を豊かにする感情を示すのに対し、「憤慨する」は、不正や不当な扱いに対する強い反発心を表します。特に職場や社会的な状況での不満に対する感情表現としてよく使われます。
「激昂する」の例文
「激昂する」は、非常に激しい怒りに駆られることを意味します。感情が爆発するような状況で、冷静さを失ってしまうときに使われます。
コトハ、なんだか怖い!すごく怒ってる?
そうよ。彼の侮辱的な言葉に、激昂してるの!!
「激昂する」は、非常に強い怒りを感じ、感情を制御できなくなる状態を表します。感情が爆発寸前の状態や、実際に怒鳴り声を上げるような激しい怒りを表すときに使われます。 「琴線に触れる」が、心に穏やかな感情を与えるのに対し、「激昂する」は、心の平穏を大きく乱すような、激しい感情を表します。
「琴線に触れる」の英語表現
「琴線に触れる」の英語表現を辞書で調べると以下の通りです。
【琴線に触れるの英語】
weblio辞書より
- touch the heartstrings:心の琴線に触れる
- touched one's heart:~の心を打った
「touch the heartstrings」の例文
「Touch the heartstrings」は、人の感情を強く揺さぶり、心に響くことを意味します。特に感動や共感を呼び起こす出来事に対して使われます。
「琴線に触れる」を英語で表現した例文を教えて!
"The movie's final scene really touched the heartstrings of everyone in the audience."のように表現することができます。
日本語訳:その映画のラストシーンは、本当に観客全員の琴線に触れました。
この例文では、映画の最後のシーンが観客の心に深く響いた様子を表現しています。「touch the heartstrings」は、映画や音楽などが心の奥深くに感動を与える場面で使われる表現です。日本語の「琴線に触れる」と同様、感情に訴えかける瞬間に適しています。
「touched one's heart」の例文
「Touched one's heart」は、心を温かくし、感動させることを意味します。優しさや思いやりに触れたときに使われる表現です。
「琴線に触れる」を英語で表現した例文をもう一つ教えて!
"Her kind words truly touched my heart."のように表現することができます。
日本語訳:彼女の親切な言葉は、本当に私の心に触れました。
この例文では、親切な言葉が心に深く感動を与えたことを示しています。「touched one's heart」は、優しい言葉や行動が心に響く様子を表現するのに使われます。感動や共感を強く感じる場面において、「琴線に触れる」と同じようなニュアンスで使用できます。
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