「付和雷同」とは、「自分にしっかりとした考えがなく、他人の言動にすぐ同調する」という意味があります。
しかし、付和雷同の意味がわかったところで、その正しい使い方やシチュエーションを理解しておかないと、間違った解釈をしたまま恥ずかしい思いをするかもしれません。
そうならないように、この記事で付和雷同の意味に加えて、正しい使い方を例文も交えてわかりやすく解説しておりますので、最後まで読んでこれから活用できるようにしてくださいね!
何でも、今流行ってることをしておけば間違いないよね。
自分で考えずに、流行りだけ追うのってどうなのかな?
「付和雷同」の意味とは?わかりやすく解説
「付和雷同」とは、ふわらいどうと読み、自分にしっかりとした考えがなく、他人の言動にすぐ同調することという意味があります。
付和雷同の意味を辞書で調べると、このように解説されております。
【付和雷同の意味】
goo辞書より引用
- 自分にしっかりとした考えがなく、他人の言動にすぐ同調すること。
- 「付和」は定見をもたず、すぐ他人の意見に賛成すること。
「雷同」は雷が鳴ると万物がそれに応じて響くように、むやみに他人の言動に同調すること。
「雷同付和らいどうふわ」ともいう。「付」は「附」とも書く。
「付和雷同」の意味
付和雷同(ふわらいどう)とは、自分の意見を持たず、他人の意見に安易に従ったり、その場の雰囲気に流されたりすることを意味します。
つまり、自分の考えをしっかり持たず、周りに合わせるだけの行動を指します。
「付和雷同」の意味の概要
「付和雷同」は、しっかりと自分の考えを持たない人を批判的に表現する言葉です。何か重要な決断や意見を求められる場面で、自分自身の考えを持たずに周りに合わせてしまう人に対して使われることが多いです。
この言葉は、他人に影響されやすい人や、集団心理に流されやすい状況を描写するためにも使われます。
「付和雷同」ってどんなことを意味するの?もう少し詳しく教えて!
付和雷同とは、自分の考えを持たずに、周りの人や多数派の意見に安易に従ってしまうことを意味します。
「付和雷同」の語源や由来
付和雷同の語源や由来は以下のとおりです。
【付和雷同の語源や由来】
Oggiより引用
- 「付和雷同」は中国古典の漢文を由来とする故事成語です。
『礼記(らいき)』という書物の中に「毋勦説、毋雷同」という一節があります。
「そうせつするなかれ、らいどうするなかれ」と読み、「他人の意見を自分のものにしたり、むやみに他人の意見に賛同してはいけない」という意味が込められています。- この一説が「付和雷同」の語源と言われています。
「付和雷同」の語源
「付和雷同」という言葉は、古くからある中国の古典から来ています。
『礼記』という本の中に、「毋勦説,毋雷同(そうせつするなかれ,らいどうするなかれ)」という言葉が出てきます。これは、「他人の意見を盗んで自分のもののように言うな、そして、他人の意見に安易に従うな」という意味です。
この中の「雷同」という言葉が、「付和雷同」の語源になったと考えられています。雷が鳴ると、他のものが同じように響き渡るように、周りの人と同じことを言ったり、同じ行動をとったりすることを「雷同」と言います。
「付和雷同」の由来
「付和雷同」という言葉が生まれた背景には、自分の考えを持たずに、周りの人と同じ行動をとることの危険性が認識されていたと考えられます。
古代中国では、人々が自分の考えをしっかりと持ち、それを言葉で表現することが重要視されていました。そのため、「付和雷同」のように、自分の意見を持たずに、周りの人に従うことは、良くないこととされていたのです。
「付和雷同」という言葉は、長い歴史の中で、人々に自分の考えを持つことの大切さを伝えるために使われてきました。
「付和雷同」の使い方を例文でわかりやすく解説
それでは、「付和雷同」の正しい使い方を具体的にイメージできるようわかりやすい例文をご紹介します。
付和雷同ってどういう場面で使ったりするの?
「付和雷同」は、例えば会議やディスカッションで、他の人の意見にただ従うだけで自分の意見を持たない人を批判する際に使われることが多いです。また、SNSや日常会話の中で、流行や他人の意見に無批判に従う人々を指すときにも使われます。
「付和雷同」という言葉は、以下のような場面で使うことが多いです。
- 会議や討論の場で、誰かが他人の意見にただ従うだけのとき。
- 学校や職場で、流行に流されて自分の意見を持たない人を表現するとき。
- SNSで、多くの人が同じ意見を無批判に共有しているとき。」
- グループ内で、誰かがリーダーの意見に無条件で従っているとき。
- 政治や社会問題において、多数派の意見に無批判に賛同する人々を批判するとき。
「付和雷同」を使う際には、以下の点に注意しましょう。
- 批判的なニュアンスが強い言葉なので、使う相手や場面を選ぶことが大切です。
- 自分の意見を持たないことを指摘する際に使うため、誤解を招かないようにしましょう。
- 軽い冗談や日常会話ではなく、真剣な場面で使うのが一般的です。
付和雷同の例文①
この例文では、職場の会議で他人の意見にただ従う社員を批判的に表現しています。
Aさんは、会議中にまったく自分の意見を言わないよね。
そうね。彼はいつも上司の意見に付和雷同して、自分の考えを全く示さないわね。
この例文では、自分の意見を持たずに、ただ上司の言うことに従うだけの態度が「付和雷同」として描かれています。
付和雷同の例文②
この例文は、日常の会話で友人が流行にただ従っている様子を批判的に表現しています。
A子っていつも、ファッション雑誌に出てる流行りの服ばかり着ているよね。
ええ。彼女はいつも流行に付和雷同して、何でもみんなと同じものを買うのよね。
ここでは、友人が自分のスタイルを持たず、流行に流されていることを指摘しています。日常の軽い会話でも使いやすい表現です。
付和雷同の例文③
この例文は、SNSで見られる現象を取り上げ、多くの人が同じ意見を無批判に共有することを表現しています。
SNSで芸人Dと女優Bの熱愛報道が拡散してるね。二人はやっぱりつきあってたんだね。
SNSでは、ある意見が拡散されると、多くの人が付和雷同してその意見を共有するけど、全てが正しい情報とは限らないから注意が必要よ。
この例文では、SNSでの情報拡散の際に、自分の意見を持たずにただ従う人々の行動を「付和雷同」として批判的に描いています。
「付和雷同」の言い換え表現を例文を使ってわかりやすく解説
「付和雷同」は、以下のような言葉に言い換えることができます。
【付和雷同の言い換え表現】
・同調(どうちょう): 周りの意見に合わせること。
・追随(ついずい): 特定の人や集団の後を追いかけること、模倣すること。
・迎合(げいごう): 相手の顔色をうかがい、その意に沿おうとすること。
「同調」の例文
同調(どうちょう)とは、他人の意見や考えに賛成し、同じ意見や態度を取ることを意味します。これは必ずしも否定的な意味だけでなく、共感や協力の意味も含む言葉です。
周りの友達が新しい髪型をしているので、自分も流行に乗ってみようと思ったことを話しています。
コトハ、髪型変えた?
あ、これ?今流行の髪型なの。みんながしているから私も同調してみた。
この例文では、自分の意見がないというよりは、流行を楽しみたいという気持ちが強いことがわかります。「同調」は、「付和雷同」と似た意味を持ちますが、より中立的で、共感の意味を含む場合もあります。
「追随」の例文
追随(ついずい)は、他人の行動や意見に従うことを意味します。特に、自分より優れた人や力のある人の後を追いかけて、その意見や行動に従う場合に使われます。この言葉には、他人を真似ることや、リーダーシップを取らない態度を表現するニュアンスが含まれます。
人気のYouTuberがおすすめしていた商品に興味を持ち、自分も購入してみたことを話しています。
あれ?コトハには珍しい感じのTシャツ着てるね。
そうなの。似合わない?人気YouTuberがおすすめしていた商品を、私も追随して購入してみたんだけど。
この例文では、特定の人物の影響を受けて行動していることがわかります。「追随」は、特定の人や集団の後を追いかけることを意味し、「付和雷同」よりも目的意識が感じられる場合もあります。
「迎合」の例文
迎合(げいごう)とは、他人の意見や要求に無理に合わせることを意味します。特に、自分の利益のために相手に媚びる態度を表現する言葉です。相手に好かれようとする否定的なニュアンスが強く含まれています。
顧客や上司に気に入られるために、無理に意見を合わせているビジネスマンの様子を描写しています。
Nさんって、いつも課長の意見に従っているよね。
そうね、彼は常に上司に迎合して、自分の信念を曲げることが多いみたいね。
「迎合」は、他人の意見に無理に合わせるという意味があり、特に利益や好意を得るために相手に媚びる場合に使われます。「付和雷同」は周りに流されることを意味しますが、「迎合」は自ら進んで他人に媚びる態度を強調します。
「付和雷同」の類義語
「付和雷同」の類義語を辞書で調べると以下の通りです。
【付和雷同の類義語】
weblio辞書より引用
- 阿附雷同(あふらいどう):他人に気に入られようとして、その人の意見に迎合すること。
- 大勢順応(たいせいじゅんのう):大勢の人がやっていること、または思っていることに合わせて行動すること。
「付和雷同」には、意味が似ている言葉(類義語)がいくつかあります。
ここでは、「阿附雷同(あふらいどう)」と「大勢順応(たいせいじゅんのう)」という二つの言葉を紹介し、それぞれの意味や使い方について解説します。
「阿附雷同」の例文
阿附雷同(あふらいどう)とは、他人の意見や態度に無条件に従い、迎合することを意味します。
この言葉は「阿附」と「雷同」という二つの言葉から成り立っており、「阿附」は他人に媚びて従うこと、「雷同」は他人と一斉に同じ行動を取ることを表します。
「阿附雷同」は、特に権力者や上司に対して無批判に従う場合に使われることが多い言葉です。
Hさんて、会議で自分の意見を言ったことがないよね。
そうね。彼は常に上司に阿附雷同して、何も意見を言わずに従うだけよね。
この例文では、上司に媚びて何も意見を言わずに従うだけの部下を批判的に表現しています。「阿附雷同」は、他人に媚びて従う態度を強調する言葉で、権力者や上位者に対する盲従を批判する場面でよく使われます。「付和雷同」と似ていますが、特に媚びるというニュアンスが強い点が特徴です。
「大勢順応」の例文
大勢順応(たいせいじゅんのう)とは、多数派や社会の動きに合わせて行動することを意味します。
「大勢」は「大多数の人々」や「社会の流れ」を指し、「順応」は「その状況に合わせて自分を変える」という意味を持ちます。「大勢順応」は、多数派の意見や流れに自分を無批判に合わせる態度を表現する言葉です。
コトハ、新しいスマホ買ったの?
そうなの。みんなが新しいスマホを買っているので、私も大勢順応して同じ機種を買ったのよ。
この例文では、自分の意見よりも、周りの人と同じであることを重視していることがわかります。
「大勢順応」は、「付和雷同」と同様に他人に流される意味を持ちますが、特に社会や大多数の意見に従うというニュアンスが強いです。集団心理や社会的な圧力に対する批判を含めて使われることが多いです。
「付和雷同」の対義語
「付和雷同」の対義語を辞書で調べると以下の通りです。
【付和雷同の対義語】
weblio辞書より引用
- 独立独歩(どくりつどっぽ):周りの意見に左右されることなく、自分の考えに基づいて行動すること。
- 和而不同(わじふどう):他人と調和を保ちながらも、自分の意見をしっかりと持つこと。
- 初志貫徹(しょしかんてつ):最初に決めたことを最後までやり遂げること。
「独立独歩」の例文
独立独歩(どくりつどっぽ)とは、他人に頼らず、自分の意志や考えに基づいて独自の道を進むことを意味します。
「独立」と「独歩」の二つの要素から成り立っており、「独立」は他人に依存しないこと、「独歩」は自分の足で歩むことを表しています。「独立独歩」は、自立した精神と強い意志を持ち、周囲に流されずに行動する姿勢を表現します。
Kさん、退職してしまったね。
そうね。彼は周囲の反対を押し切って、自分の考えを貫き、独立独歩の道を歩んだのね。
この例文では、他人の意見に影響されずに、自分の考えを持って行動する姿勢を「独立独歩」と表現しています。特に、仕事やプロジェクトなどで、他人に頼らずに自分の力で目標を達成しようとする態度を示すときに使われます。「付和雷同」とは対照的に、自分の意志を大切にする姿勢を強調する言葉です。
「和而不同」の例文
和而不同(わじふどう)とは、他人と調和しつつも、自分の意見をしっかり持つことを意味します。
「和」は調和を表し、「不同」は同調しないことを意味します。
この言葉は、他人と良好な関係を保ちながらも、自分の考えや意志を曲げずに持ち続ける態度を表現しています。
Lさんは、後輩から好かれているよね。
そうね。彼は、いろいろな意見を持つ人々と和やかに議論をしながらも、自分の考えをしっかりと主張する、和而不同の姿勢を貫く人だものね。
この例文では、チームワークを大切にしながらも、自分の意見をしっかりと持ち続ける人を「和而不同」と表現しています。特に、職場やグループ活動で、他人との協調を大切にしながらも、自分の立場や意見を持ち続ける姿勢を示すときに使います。
「初志貫徹」の例文
初志貫徹(しょしかんてつ)とは、最初に抱いた志や決意を最後まで貫き通すことを意味します。
「初志」は最初に立てた志、「貫徹」は貫き通すことを表します。
この言葉は、一度決めた目標や考えを変えずに、最後までやり遂げる強い意志を持った行動を表現します。
Sさん、ついに目標を達成したね!
ホントすごいわ!彼はどんな困難に直面しても、初志貫徹の姿勢で目標を達成したのね。
この例文では、どんな困難があっても最初に決めた目標を最後までやり遂げる姿勢を「初志貫徹」と表現しています。特に、長期的な目標やプロジェクトに対して、周囲の影響に左右されずに自分の意志を貫く場面で使われます。「付和雷同」とは対照的に、強い信念を持って行動する姿勢を表す言葉です。
「付和雷同」の英語表現
「付和雷同」の英語表現を辞書で調べると以下の通りです。
【付和雷同の英語】
weblio辞書より引用
- following blindly:盲目的に従う、考えなしに追随する。
- following suit without reflection:よく考えずに他人の行動を真似する。
「following blindly」の例文
「following blindly」とは、他人の意見や行動に無批判に従うことを意味します。
「blindly」は「盲目的に」という意味があり、この表現は、他人の言うことやすることを考えずにそのまま受け入れて従う態度を表します。日本語の「付和雷同」に非常に近い意味を持つ英語表現です。
「付和雷同」を英語で表現した例文を教えて!
"He's always following blindly whatever his friends do."のように表現することができます。
日本語訳:彼はいつも友達がする事を何でもかんがえなしに真似する。
この例文では、「following blindly」を使って、他人の意見に無批判に従う様子を表現しています。日本語の「付和雷同」と同様に、自分の意見を持たずに他人に流されることを批判する際に使われます。
「following suit without reflection」の例文
「following suit without reflection」とは、他人の行動や意見にそのまま従い、深く考えずに同じように行動することを意味します。
「following suit」は「他の人がしたことを同じようにする」という意味で、「without reflection」は「考えなしに」という意味です。
「付和雷同」を英語で表現した例文をもう一つ教えて!
"Many people are following suit without reflection, simply because it's the popular choice."のように表現することができます。
日本語訳:多くの人が、ただそれが人気の選択肢だからという理由で、深く考えずに同じように行動している。
この例文では、「following suit without reflection」を使って、多数派の意見や流行に無批判に従う行動を表現しています。日本語の「付和雷同」に近い意味を持ちますが、特に「考えずに従う」というニュアンスが強調されています。
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