「汗顔の至り」とは、「すっかり恥じ入ること」という意味があります。
しかし、汗顔の至りの意味がわかったところで、その正しい使い方やシチュエーションを理解しておかないと、間違った解釈をしたまま恥ずかしい思いをするかもしれません。
そうならないように、この記事で汗顔の至りの意味に加えて、正しい使い方を例文も交えてわかりやすく解説しておりますので、最後まで読んでこれから活用できるようにしてくださいね!
昨日会議で椅子から立ち上がろうとして、大きな音を立てて転んでしまって、汗顔の至りだった!
それは、恥ずかしかったわね。
「汗顔の至り」の意味とは?わかりやすく解説
「汗顔の至り」とは、かんがんのいたりと読み、すっかり恥じ入ること。という意味があります。
汗顔の至りの意味を辞書で調べると、このように解説されております。
【汗顔の至りの意味】
imidasより引用
- すっかり恥じ入ること。
「まったくわたしの初歩的なミスで、まことに汗顔の至りです」
「汗顔の至り」の意味
「汗顔の至り」とは、非常に恥ずかしく感じることを意味します。自分の行動や言葉に対して深く反省し、顔に汗が出るほどの恥ずかしさを感じる状態を指します。例えば、自分のミスや失敗に気づいたとき、その場で感じる強い恥ずかしさが「汗顔の至り」です。
「汗顔の至り」の意味の概要
この言葉は、「汗顔(かんがん)」という言葉が「恥ずかしくて汗が出る」という意味を持ち、そこに「至り」が加わることで、その恥ずかしさが極限まで達していることを表します。自分が期待に応えられなかったときや、他人に迷惑をかけてしまったときに使われることが多い表現です。
「汗顔の至り」ってどんなことを意味するの?もう少し詳しく教えて!
汗顔の至りとは、とても恥ずかしいこと、情けないことを意味する言葉です。何か失敗をしてしまったり、相手に迷惑をかけてしまった時などに、自分の気持ちを謙虚に表現する際に使われます。
「汗顔の至り」の語源や由来
汗顔の至りの語源や由来は以下のとおりです。
【汗顔の至りの語源や由来】
midasより引用
- 「汗顔」は、恥じて顔に汗をかく意。
「至り」は、ここでは、物事の行き着く最高の状態の意で、「光栄の至り」「慶賀の至り」などと使う。
wikitionaryより引用
- 韓愈による、柳宗元への追悼文『祭柳子厚文』中の句「不善爲斲、血指汗顔」より
「汗顔の至り」の語源や由来
「汗顔の至り」という言葉の語源は、中国の古典にあります。特に、昔の学者や偉人が使った言葉から来ています。「汗顔(かんがん)」という言葉は「恥ずかしくて汗が出る」という意味で、「至り」は「その状態が最高のレベルに達する」という意味です。つまり、「汗顔の至り」は、恥ずかしい気持ちが極限に達することを表しています。
この表現は、昔から使われており、主に自分の過ちや失敗に対して深く恥ずかしいと思ったときに使われてきました。例えば、中国の古典文学や哲学の中で、偉大な人物が自分の失敗を認め、その反省の気持ちを示す場面で登場することが多いです。このように、歴史的にも長い間使われてきた言葉で、人々が恥ずかしさを感じたときに使う表現として定着しています。
「汗顔の至り」の使い方を例文でわかりやすく解説
それでは、「汗顔の至り」の正しい使い方を具体的にイメージできるようわかりやすい例文をご紹介します。
汗顔の至りってどういう場面で使ったりするの?
「汗顔の至り」は、主に謝罪や反省の場面で使われます。例えば、上司や顧客に対して自分のミスを認めるとき、友人に迷惑をかけたときなど、相手に対して深い恥ずかしさや反省の気持ちを表現したいときに用いられます。ビジネスシーンでも使われることが多い言葉です。
「汗顔の至り」は以下のような場面で多く使われます。
- 自分の重大なミスに気づいたとき。
- 上司や目上の人に謝罪するとき。
- 他人に迷惑をかけたとき。
- 期待に応えられなかったとき。
- 公の場で失敗をしてしまったとき。
「汗顔の至り」を使う時は、以下の点に注意しましょう。
- 非常にフォーマルな場面で使うべき表現です。
- 日常会話ではやや硬い印象を与えるため、使用には注意が必要です。
- 深い反省や謝罪の気持ちを示す際に適しており、軽いミスにはあまりふさわしくありません。
汗顔の至りの例文①
仕事のミスによりお客様に迷惑をかけた時、謝罪の場面で使います。
仕事のミスによりお客様に迷惑をかけた時、謝罪の場面で使える例文を教えて!
「この度の私の手違いにより、ご迷惑をおかけし、汗顔の至りです。心よりお詫び申し上げます。」のように使うことができます。
この例文では、重大なミスに対する深い反省と謝罪の気持ちが表現されています。
汗顔の至りの例文②
自分が期待に応えられなかったとき、上司や仲間に対して、この言葉を使う場面です。
上司や仲間の期待に答えられなかった時、謝罪の場面での使い方を教えて!
「皆さんの期待に応えることができず、汗顔の至りです。」のように使うことができます。
この例文では、自分の力不足に対する深い後悔を表現しています。
汗顔の至りの例文③
公の場で失敗してしまったときに使う表現です。
スピーチで間違ってしまった時はどんなふうに使える?
「スピーチで重要な部分を間違えてしまい、汗顔の至りです。」のように使うことができます。
この例文では、公の場での失敗に対して深い恥ずかしさを表現しています。
「汗顔の至り」の言い換え表現を例文を使ってわかりやすく解説
「汗顔の至り」は、以下のような簡単な言葉に言い換えて表現することができます。
【汗顔の至りの言い換え表現】
・恥ずかしい限り
・申し訳ない
「恥ずかしい限り」の例文
「恥ずかしい限り」は、非常に恥ずかしいという意味で、日常的にもよく使われる表現です。「汗顔の至り」と似た意味を持ちますが、ややカジュアルで、フォーマルな場面以外でも使いやすいです。
「汗顔の至り」を「恥ずかしい限り」と言い換えた例文を教えて!
「ミスをしてしまい、恥ずかしい限りです。」のように言い換えて表現することができます。
この例文では、仕事でミスをしてしまい、相手に対して恥ずかしい気持ちを表現しています。「汗顔の至り」と比べて、もう少し軽いニュアンスがあります。
「申し訳ない」の例文
「申し訳ない」は謝罪や反省の気持ちを伝えるための言葉で、誰かに迷惑をかけたときによく使われます。「汗顔の至り」と比べて、恥ずかしさよりも謝罪の意味合いが強いです。
「汗顔の至り」を「申し訳ない」と言い換えた例文を教えて!
「ご迷惑をおかけして、本当に申し訳ないです。」と謝罪する時に使うことができます。
この例文では、迷惑をかけた相手に謝罪の気持ちを示しています。「汗顔の至り」と異なり、主に謝罪の気持ちを強調しています。
「汗顔の至り」の類義語
「汗顔の至り」には、以下のような類義語があります。
【汗顔の至りの類義語】
スッキリより引用
- 忸怩たる思い(じくじたるおもい):自ら恥じ入る気持ちに駆られること。またはそのような感情。
- 慚愧に堪えない(ざんきにたえない):自分の行いや状況があまりにも恥ずかしく、心から反省し、深く恥じる気持ちを表す表現。
「忸怩たる思い」の例文
「忸怩たる思い」は、自分の行為に対して強い恥ずかしさや後悔を感じることを表します。「汗顔の至り」と同様に、自分の行動に対して恥ずかしいと感じるときに使いますが、さらに内面的な後悔の感情が強調されます。
大きな助けを借りておきながら、何もお返しできていないことを悩んでいる場面です。
F先輩には、とても親切にしてもらったのに、自分は何もしてあげられず、忸怩たる思いでいっぱいだ。
私も先輩にはお世話になったから、その気持、よくわかるわ。
先輩の親切に対して、何もしてあげられないことに対して、心が苦しい気持ちでいっぱいであることを表しています。
「慚愧に堪えない」の例文
「慚愧に堪えない」は、非常に恥ずかしくて反省していることを表す言葉です。「慚愧(ざんき)」は、自分の過ちを強く反省し、恥じる気持ちを指します。「汗顔の至り」と似た感情を表しますが、特に自己反省の意味が強調されています。
発表で大きなミスをしてしまい、深く反省している場面です。
今回の発表で、多くの誤りを犯してしまい、本当に慚愧に堪えない思いです。
次回は間違いのないよう、しっかりと準備をしてね。
この例文は、発表で多くのミスをしてしまい、恥ずかしくてとても申し訳ない気持ちでいっぱいであることを表しています。
「汗顔の至り」の対義語
「汗顔の至り」には、以下のような対義語があります。
【汗顔の至りの対義語】
スッキリより引用より引用
- 誇らしい(ほこらしい):得意で自慢したい気持ち。
- 得得たる(とくとくたる):得意そうなさま。自慢げなさま。
「誇らしい」の例文
「誇らしい」とは、自分の行動や成果に対して、自信を持ち、誇りを感じることを表します。
自分の作品が賞を受賞し、とても誇らしい気持ちです。
すばらしい作品だったわ。受賞おめでとう!
自分の作品が認められたことに対して、大きな喜びと自信を感じていることを表しています。
「得得たる」の例文
「得得たる」は、自分の成功や行為に対して満足し、自信に満ちている様子を指します。「汗顔の至り」が反省や恥ずかしさを感じる場面で使われるのに対し、「得得たる」は自分の功績に満足している状態を表します。
Rさん、自分のアイディアが認められて、うれしそうだったね。
そうね。自分のアイデアが採用され、得得たる顔をしていたわね。
この例文では、自分の成果に対して満足し、自信に満ちた表情をしている様子が表現されています。
「汗顔の至り」の英語表現
「汗顔の至り」は、日本語特有の表現で、直接的な英語訳はありません。しかし、似たような意味を伝える英語表現はいくつかあります。ここでは、その中から代表的なものを2つ紹介します。
【汗顔の至りの英語】
・I'm deeply ashamed.:「私は深く恥じています」という意味。
・It’s embarrassing beyond words.:「言葉にできないほど恥ずかしい」という意味。
「I'm deeply ashamed.」の例文
「I'm deeply ashamed」は、自分の行為や結果に対して非常に恥ずかしく感じていることを表すフレーズです。日本語の「汗顔の至り」と同様に、自分のミスや失敗に対する強い恥ずかしさや後悔を伝えるのに適しています。
「汗顔の至り」を英語で表現した例文を教えて!
"I’m deeply ashamed of the mistake I made in front of my boss."のように表現することができます。
日本語訳:上司の前でミスをしてしまい、非常に恥ずかしく思っています。
この例文では、仕事のミスに対して強い恥ずかしさを感じている様子が表現されています。
「It’s embarrassing beyond words.」の例文
「It’s embarrassing beyond words.」は、「言葉にできないほど恥ずかしい」という意味です。非常に恥ずかしい状況で、言葉で表せないほどの恥ずかしさを感じている時に使います。「beyond words」の部分を「unbelievably」や「incredibly」など、他の強調表現に置き換えても同様の意味になります。
「汗顔の至り」を英語で表現した例文をもう一つ教えて!
"I tripped and fell in front of everyone at the party. It’s embarrassing beyond words."のように表現することができます。
日本語訳:パーティーでみんなの前で転んでしまい、とても恥ずかしい思いをしました。
この例文では、たくさんの人の前で、失敗してしまった恥ずかしさを伝えています。
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