「怒髪衝天」とは、「髪の毛が逆立つほど怒り狂うこと」という意味があります。
しかし、怒髪衝天の意味がわかったところで、その正しい使い方やシチュエーションを理解しておかないと、間違った解釈をしたまま恥ずかしい思いをするかもしれません。
そうならないように、この記事で怒髪衝天の意味に加えて、正しい使い方を例文も交えてわかりやすく解説しておりますので、最後まで読んでこれから活用できるようにしてくださいね!
明日のデート、急にキャンセルされた!!
怒髪衝天ね!
「怒髪衝天」の意味とは?わかりやすく解説
「怒髪衝天」とは、どはつしょうてんと読み、髪の毛が逆立つほど怒り狂うこと。という意味があります。
怒髪衝天の意味を辞書で調べると、このように解説されております。
【怒髪衝天の意味】
goo辞書より引用
- 怒りで髪が天を衝つくほど逆立っているさま。激しい怒りの形相。
- 「怒髪」は、怒りで逆立っている髪。「衝」は、突き上げる。
「怒髪どはつ天てんを衝つく」と読み下す。
「怒髪衝天」の意味
怒髪衝天(どはつしょうてん)とは、怒りが非常に強く、感情が激しく高まっている状態を表す四字熟語です。「怒髪」は怒りのために髪の毛が逆立つ様子を、「衝天」は空高く突き上げることを意味します。つまり、あまりの怒りのために髪が逆立ち、天に向かって突き上げるような勢いで怒っていることを表現します。
「怒髪衝天」の意味の概要
「怒髪衝天」という言葉は、怒りが非常に強く、制御できないほどの感情の高まりを伝えます。単なる怒りではなく、怒りがピークに達し、理性を失いかけるような場面で使われることが多いです。この言葉を使うことで、その怒りの激しさを強調することができます。
「怒髪衝天」ってどんなことを意味するの?もう少し詳しく教えて!
怒髪衝天とは、怒って顔が真っ赤になり、髪が逆立っている様子を言い表す言葉です。つまり、ものすごく怒っている状態を表す言葉です。
「怒髪衝天」の語源や由来
怒髪衝天の語源や由来は以下のとおりです。
【怒髪衝天の語源や由来】
コトバンクより引用
- 「史記―藺相如伝」に載っている話から。
紀元前三世紀、中国の戦国時代のこと。趙という国の家臣、藺相如は、ある宝石を携えて、それを自国の領地と交換したいと申し入れてきた秦しんと交渉するために、秦の都まで赴きました。
しかし、秦の王は、宝石を取り上げて領地は与えないつもり。それを見抜いた藺相如は、いったんはその宝石を秦王に渡したものの、ちょっとした理由をつけて取り戻します。
そして、柱を背にして宝石を手にしたまま、秦王の前で仁王立ちとなり、「怒髪上がりて冠を衝く(激しい怒りのために、逆立った髪の毛が冠をつきあげた)」。
そして、「私を殺せば、その瞬間にこの宝石は砕け散ることでしょう」と脅しをかけました。その気迫に押された秦王は、結局、宝石を手に入れるのをあきらめたのでした。
なお、日本では、「冠」を「天」に変えた形で、定着しています。
「怒髪衝天」の語源や由来
「怒髪衝天」という言葉は、中国の古い歴史書『史記』のという本の中に出てくる「藺相如(りんしょうじょ)」という人物の話から生まれました。藺相如は、とても賢くて勇敢な人だったのですが、ある時、秦国の王と大きな問題を抱えてしまいます。
秦の王は、藺相如の国にある貴重な宝石を手に入れようとして、藺相如を騙そうとしました。しかし、藺相如は秦の王の策略を見破り、怒り心頭に発します。怒りのあまり、藺相如の髪は逆立ち、帽子まで吹き飛んでしまうほどだったと言われています。
この「怒りすぎて髪が逆立つ」という様子が、後世の人々に「怒髪衝天」という言葉として伝えられ、今私たちが知っている「怒髪衝天=ものすごく怒っている」という意味になったのです。
つまり、「怒髪衝天」という言葉は、単に「怒っている」というだけでなく、「怒りのあまり冷静さを失い、感情を爆発させている」という、より激しい怒りの様子を表しているのです。
「怒髪衝天」の使い方を例文でわかりやすく解説
それでは、「怒髪衝天」の正しい使い方を具体的にイメージできるようわかりやすい例文をご紹介します。
怒髪衝天ってどういう場面で使ったりするの?
「怒髪衝天」は、日常会話や文学的な表現で、特に強い怒りを表現したいときに使われます。たとえば、不公平な扱いや不当な状況に直面し、耐えきれない怒りを感じたときに「彼の怒りは怒髪衝天に達した」といった表現を使うことができます。また、歴史小説やドラマなどでも、登場人物が怒りに燃えるシーンで使われることが多いです。
「怒髪衝天」は、以下のような場面で使われます。
- 不公平な扱いを受けて怒りが抑えきれなくなったとき。
- 大切な人がひどい目にあって怒りが爆発したとき。
- 理不尽な状況に対して耐えられずに強い怒りを感じたとき。
- 裏切り行為を目の当たりにして、怒りが頂点に達したとき。
- 突然のトラブルや悪意のある行動に対して、我慢の限界に達したとき。
「怒髪衝天」を使う際には、以下の点に注意しましょう。
- 非常に強い怒りを表す言葉なので、軽い怒りやちょっとした不満には適していません。
- 主に文章やフォーマルな場面で使われる表現で、カジュアルな日常会話には少し硬い印象があります。
- 怒りの感情を強調したいときに使うと効果的ですが、使いすぎると大げさに聞こえることもあるので、状況に応じて使いましょう。
怒髪衝天の例文①
親友が大事な約束を破ったことに対して、激しい怒りを感じたときの様子を表しています。
彼は、親友に裏切られたと知った瞬間、怒髪衝天のごとく怒りを爆発させた。
親友に裏切られたらショックよね!
親友からの裏切りという予想外の出来事が、感情を抑えきれないほどの怒りに変わった様子を強調しています。
怒髪衝天の例文②
不正が見過ごされていることに対して、強い正義感から怒りを覚えた場面です。
彼は、役所の不正を知り、怒髪衝天の勢いで抗議の声を上げた。
彼は、人一倍正義感が強いからね。
社会の不公平や不正に対する正義感からの強い怒りが表現されています。理不尽な状況に我慢できない様子を伝えています。
怒髪衝天の例文③
長い間我慢してきた相手の失礼な態度に対して、ついに怒りが爆発した場面です。
何度も無視された彼は、ついに怒髪衝天となり、その場で怒鳴りつけた。
彼はかなり我慢していたわね。
繰り返される不当な扱いに耐えていた人が、限界を迎え、感情を爆発させた様子を表現しています。
「怒髪衝天」の言い換え表現を例文を使ってわかりやすく解説
「怒髪衝天」という言葉は、強い怒りを表す表現ですが、日常会話ではもっと簡単な言葉で表現することができます。ここでは、その言い換え表現を2つ紹介し、それぞれの使い方について例文を通して説明します。
【怒髪衝天の言い換え表現】
・激怒(げきど)
・カンカンに怒る(かんかんにおこる)
「激怒」の例文
激怒(げきど)は、非常に強い怒りの気持ちを表す言葉です。「怒髪衝天」と同じく、怒りが頂点に達した状態を指しますが、「怒髪衝天」よりも日常的に使いやすい表現です。また、髪が逆立つようなイメージはなく、シンプルに「ものすごく怒っている」ことを伝えます。
友達が約束を守らず、怒りが爆発した場面を表しています。
彼は友達が約束を破ったことに激怒して、しばらく口をきかなかったそうだよ。
そんなに怒るなんて二人の間に何があったのかしら?
「怒髪衝天」と比べると、より直接的に「とても怒っている」ことを伝えています。日常の会話や文章で使いやすい言葉です。
「カンカンに怒る」の例文
「カンカンに怒る」」は、怒りの感情が非常に強く、顔や態度に表れている状態を表す言い方です。音の響きからも、怒りが表面化している様子が伝わりやすい表現です。「怒髪衝天」ほど堅苦しくなく、日常的に使える表現です。
部活のメンバーが規則を守らず、リーダーが怒った場面を示しています。
部長は、メンバーが練習をサボっているのを見てカンカンに怒った。
練習サボってたら怒るわよ!
「怒髪衝天」に比べて、カジュアルで柔らかい印象を与える表現です。特に日常生活で、人が強い怒りを表に出している場面で使うのに適しています。
「怒髪衝天」の類義語
「怒髪衝天」の類義語を辞書で調べると以下の通りです。
【怒髪衝天の類義語】
新明解四字熟語時点より引用
- 眥裂髪指(しれつはっし):激怒する様子。「眥裂」は眼を大きく見開くこと。「髪指」は髪の毛が逆立つこと。
- 頭髪上指(とうはつじょうし):激しく怒り、髪の毛が逆立つこと。「上指」は上の方向を示すこと。
「眥裂髪指」の例文
眥裂髪指(しれつはっし)とは、怒りのあまり目が裂けるほど見開かれ、髪が逆立つ様子を表しています。「眥(まなじり)」は目の端、つまり目尻を指し、激しい怒りで目を大きく見開く姿を表現しています。この言葉は、怒りが顔や態度に強く現れるときに使われます。
クラスメイトが悪ふざけで友達を傷つけたとき、怒りが抑えきれなくなった場面を表しています。
彼は友達がいじめられているのを見て、眥裂髪指のごとく怒りをあらわにした。
彼は正義感が強いものね。
「眥裂髪指」は、怒りが目に見えて明らかになり、感情を抑えられないほど強い状態を描写しています。「怒髪衝天」と似ていますが、特に顔つきや目の様子に焦点を当てた表現です。
「頭髪上指」の例文
頭髪上指(とうはつじょうし)とは、怒りのあまり髪の毛が上に逆立つ様子を表現した言葉です。「上指」は、上に突き出ることを意味し、怒りで体全体が反応する様子を描写しています。この言葉は、怒りの強さとその感情の表れを具体的に表現するときに使います。
不正がまかり通っている現場を目の当たりにして、理不尽さに激しく怒る場面を表しています。
彼は、課長の理不尽な扱いを受け、頭髪上指の勢いで抗議の声を上げた。
課長の理不尽さは有名だものね。彼が黙っていられなかった気持ち、わかるわ!
「頭髪上指」は、髪が逆立つほどの強い怒りを示す表現で、「怒髪衝天」と同じく、感情の高まりを伝えますが、特に髪が逆立つ様子を強調しています。怒りが身体に表れるほどの強い感情を描写したいときに使うのに適しています。
「怒髪衝天」の対義語
「怒髪衝天」の明確な対義語は存在しませんが、強い怒りを表すこの言葉と反対の意味を持つ表現として、「泰然自若」「冷静沈着」が挙げられます。これらは、どちらも落ち着きと冷静さを持っている様子を表しています。
【怒髪衝天と反対の意味を持つ言葉】
・泰然自若(たいぜんじじゃく):どんな状況でも動揺せず、落ち着いていられる様子。
・冷静沈着(れいせいちんちゃく):感情に振り回されず、冷静に物事を判断できる様子。
「泰然自若」の例文
泰然自若(たいぜんじじゃく)は、何が起きても動じず、落ち着いた態度を保っている状態を指します。心に余裕があり、緊張する場面でも焦らずに対応できる様子を表します。「怒髪衝天」が感情を爆発させる状態なのに対し、「泰然自若」は感情を抑えて、心を穏やかに保つ状態を示します。
大きなトラブルが発生した場面でも、冷静に対応している人の様子を表現しています。
彼は、大きなトラブルが起きても泰然自若とした態度で対処した。
彼はどんな時にも落ち着いて行動できる人なのね。
この例文では、周囲が慌てるような状況でも、彼が落ち着いて冷静に対応している様子を示しています。「泰然自若」は、心の動揺を見せずに落ち着いた姿勢を保つ様子を強調しています。
「冷静沈着」の例文
冷静沈着(れいせいちんちゃく)とは、どんな状況でも冷静さを失わず、落ち着いて行動できる状態を意味します。特に、緊張感のある場面や緊急時に、感情を抑えて理性的に対応できる力を表します。「怒髪衝天」が激しい感情を外に出すのに対し、「冷静沈着」はその感情を内に抑え、冷静に物事を処理することを示します。
緊急事態が起きたときでも、落ち着いて行動するリーダーの姿を描写しています。
彼女は、緊急事態にも冷静沈着に指示を出し、状況を素早く収めた。
緊急事態でも落ち着いて行動できる人ってすごいね。
この例文では、緊張感のある状況でも感情を抑えて、冷静に対応する彼女の様子を伝えています。「冷静沈着」は、感情に流されることなく、理性的に対処する姿を描写しており、感情が高まる「怒髪衝天」と対照的な状態を示しています。
「怒髪衝天」の英語表現
「怒髪衝天」の英語表現を辞書で調べると以下の通りです。
【怒髪衝天の英語】
weblio辞書より引用
- be furious:激怒している。かんかんに怒っている。
- be in a towering rage:猛烈に怒っている。怒り狂っている。
「be furious」の例文
「be furious」は、「激怒する」や「とても怒っている」という意味を持つ英語表現です。「怒髪衝天」と同じく、怒りが非常に強い状態を表しますが、日常会話でもよく使われる表現です。感情が高ぶっている様子を伝えたいときに便利な言葉です。
「怒髪衝天」を英語で表現した例文を教えて!
"He was furious when his friend broke their promise."のように表現することができます。
日本語訳:彼は、友達が約束を破ったとき、激怒した。
この例文では、「be furious」を使って、強い怒りの感情が抑えられない様子を伝えています。「怒髪衝天」と同様に、非常に強い怒りを示していますが、より一般的で日常的な表現です。
「be in a towering rage」の例文
「be in a towering rage」は、「非常に激しい怒りを感じている」状態を表す表現です。「towering(そびえる)」という言葉が示すように、怒りが大きく高まっているイメージを持っています。「怒髪衝天」と同じように、感情が爆発しそうなほど高まっている様子を描写するのに適しています。
「怒髪衝天」を英語で表現した例文をもう一つ教えて!
"She was in a towering rage when she heard about the unfair decision."のように表現することができます。
日本語訳:彼女は、不公平な決定を聞いたとき、激怒していた。
この例文では、「be in a towering rage」を使って、怒りが大きく膨れ上がっている様子を表現しています。「怒髪衝天」と同じく、怒りが非常に強く、感情が高ぶっている状況を描写していますが、より文学的で描写力のある表現です。
コメント