「抵触」とは、「物事が相互に矛盾したり衝突したりすること。法律や規則に反する行為。」という2つの意味があります。
しかし、抵触の意味がわかったところで、その正しい使い方やシチュエーションを理解しておかないと、間違った解釈をしたまま恥ずかしい思いをするかもしれません。
そうならないように、この記事で抵触の意味に加えて、正しい使い方を例文も交えてわかりやすく解説しておりますので、最後まで読んでこれから活用できるようにしてくださいね！
ヒロト新しい企画は社内ルールに抵触していないかな？
コトハよく調べてから進めないとダメよ。
「抵触」の意味とは？わかりやすく解説
「抵触」とは、ていしょくと読み、物事が相互に矛盾したり衝突したりすること。法律や規則に反する行為。という2つの意味があります。
抵触の意味を辞書で調べると、このように解説されております。
【抵触の意味】
goo辞書より引用
- ［名］(スル)
１ 触れること。衝突すること。転じて、物事が相互に矛盾すること。「新説は従来の主張に—するものではない」
２ ある行為が法律や規則に反すること。「道路交通法に—する」
「抵触」の意味
抵触（ていしょく）とは、何かが他のものとぶつかったり、相反したりすることを意味します。特に、法律やルールに違反したり、矛盾したりする場合によく使われます。たとえば、「法律に抵触する」といった形で、法律の規定に反する行為を指すことが一般的です。
「抵触」の意味の概要
簡単に言うと、抵触とは「ぶつかり合う」や「矛盾する」ことを指します。これは物理的な衝突ではなく、考え方やルール、規則が一致しない状況や、ある行為がルールに違反する状態を表す言葉です。このため、法律や契約、社会のルールに関する文脈でよく使われます。
ヒロト「抵触」ってどんなことを意味するの？もう少し詳しく教えて！
コトハ「抵触」とは、物がぶつかり合う様子を表す言葉から始まり、それが比喩的に使われることで、意見の衝突や規則への違反といった意味に広がって使われるようになった言葉です。
「抵触」の語源や由来
抵触の語源や由来は以下のとおりです。
「抵触」の語源や由来
抵触の語源や由来となる故事やことわざ等はありませんが、漢字の成り立ちから意味を考えることができます。
抵触（ていしょく）という言葉は、2つの漢字からできています。まず、「抵」という漢字は「押し返す」や「逆らう」という意味を持っています。一方、「触」という漢字は「触れる」や「ぶつかる」という意味です。この2つを組み合わせることで、「抵触」は「押し返してぶつかる」というイメージになります。
このことから、「抵触」は何かがぶつかり合ったり、ルールや規則に反することを表すようになったと考えられます。例えば、法律や規則に反する場合に「抵触する」と使われるのは、まさにルールと行動がぶつかるイメージを反映しているのです。
「抵触」は、法律や規則の中で特に重要な場面で使われる言葉で、その背景には漢字の意味が深く関係しています。
「抵触」の使い方を例文でわかりやすく解説
それでは、「抵触」の正しい使い方を具体的にイメージできるようわかりやすい例文をご紹介します。
ヒロト抵触ってどういう場面で使ったりするの？
コトハ「抵触」は主に、法律や規則に違反した場合、または異なる意見や立場が衝突する状況で使われます。たとえば、企業が法律に反する行動を取ると「法律に抵触している」と言われたり、複数の規則が矛盾している場合にもこの言葉が使われます。日常生活ではあまり使われないことばですが、法的な文脈では重要な意味を持っています。
「抵触」という言葉は、様々な場面で使われます。具体的には、以下の様な場合に使うことができます。
- 法律や規則に違反する時: 法律や規則に自分の行動が当てはまり、違反になる場合に「抵触」を使います。
例：飲酒運転は道路交通法に抵触する行為です。 - 契約内容に反する場合: 契約書に書かれている内容と、自分の行動が一致しない場合に「抵触」を使います。
例：契約内容に抵触するため、この計画は実行できません。 - 意見や考え方が食い違う時: 自分の意見や考え方が、相手の意見や考えと合わない場合に「抵触」を使います。
例：彼の意見は、私の考えと根本的に抵触する。 - 新しいアイデアが既存のルールや考え方に合わない時: 新しいアイデアが、これまでのルールや考え方と矛盾する場合に「抵触」を使います。
例：この新しいシステムは、従来の運用方法と抵触するため、変更が必要だ。 - 過去の言動と現在の言動が矛盾する場合: 過去に言ったことやしたことと、現在の言動が一致しない場合に「抵触」を使います。
例：彼の発言は、以前の主張と抵触している。
「抵触」を使う際には、以下の点に注意しましょう。
- 具体的に何が抵触しているのかを明確にする: 単に「抵触する」と言うだけでなく、具体的に何がどう抵触しているのかを説明することで、より相手に伝わりやすくなります。
- ニュアンスの違いに注意する: 「抵触」には、単に「ぶつかる」という意味だけでなく、「違反する」「矛盾する」といった少し強いニュアンスが含まれています。状況に合わせて適切な言葉を選びましょう。
- 言葉の選び方: 「抵触」という言葉は少し硬い印象を与えるため、より柔らかく表現したい場合は、「矛盾する」「食い違う」などの言葉に置き換えることもできます。
抵触の例文①
この例文は、法律に違反している行為があることを説明しています。「抵触」という言葉は、このように法的な違反を指すときに使われることがよくあります。
ヒロトその会社の行動は、現行の労働法に抵触している。
コトハじゃあ、労基署に訴えることができるわね。
ヒカルこの場合、「抵触している」という表現を使って、その会社の行動が法律に反していることを伝えています。法律や規則に違反する場面でよく使われる表現です。
抵触の例文②
この例文では、2つのルールが矛盾していることを示しています。規則やルールが互いに衝突する場面でも、「抵触」という言葉を使います。
ヒロト新しい学校の規則が、以前の方針と抵触しているため、調整が必要だ。
コトハ学校の方針と規則が矛盾しているってことよね。
ヒカルこの例文では、学校の新しい規則が以前の方針と矛盾していることを「抵触」という言葉で説明しています。異なる規則同士がぶつかる場面にぴったりの使い方です。
抵触の例文③
この例文では、道徳や倫理に反している行為があることを伝えています。「抵触」は、社会のルールや常識に反する行為についても使われます。
ヒロト彼の発言は、社会的な常識に抵触しており、多くの人々から批判を受けた。
コトハ社会のルールやマナーは守るべきね。
ヒカルこの例文では、発言が社会的な常識に反していることを「抵触」という言葉で表現しています。社会的なルールやマナーが破られた場合に使うのに適した表現です。
「抵触」の言い換え表現を例文を使ってわかりやすく解説
「抵触」は、法律やルールに反する場合や、何かがぶつかり合う場面で使われる言葉ですが、日常的な表現に置き換えることもできます。ここでは2つの簡単な言い換え表現を紹介します。
【抵触の言い換え表現】
・合わない
・対立する
「合わない」の例文
「合わない」という言葉は、意見や方針が一致しない場合に使われます。特に、何かが他のものと調和しない状況を表すときに便利です。「抵触」のように、ルールや考え方がぶつかり合っていることを示す際に使えます。
ヒロトこの新しいルールは、私たちの会社の方針と合わない。
コトハいままでの会社の方針と違っているということね。
ヒカルこの例文では、新しいルールが会社の方針と一致しないことを「合わない」と表現しています。「抵触」と比べて、もっとシンプルで日常的な言い方ですが、状況は同じです。特に、考えやルールがうまく調和しない場面で使います。
「対立する」の例文
「対立する」という言葉は、2つの意見や立場がぶつかり合うことを表します。特に、個人やグループの意見や立場が食い違う場面で使われることが多いです。これも「抵触」と似たニュアンスを持っていますが、より対人関係や意見の違いに焦点を当てています。
ヒロトその二人の意見は、完全に対立しているため、解決には時間がかかるだろう。
コトハ二人がお互いに歩みよる気持ちがあるといいけど。
ヒカルこの例文では、二人の意見が全く異なっている状況を「対立する」と表現しています。「抵触」が法的や規則的な違反に使われる一方で、「対立する」は、個人間の意見や感情が食い違う場合によく使われます。意見や立場がぶつかる場面で自然に使える言葉です。
「抵触」の類義語
「抵触」と同じような意味を持つ言葉には、「矛盾」と「違反」があります。ここでは、それぞれの意味や使い方について解説します。
【抵触と似た意味をもつ言葉】
・矛盾（むじゅん）：前後のつじつまが合わないこと、両立しないこと、 論理が一貫しないこと。
・違反（いはん）：法規・協定・契約などにそむくこと。違背。
「矛盾」の例文
矛盾(むじゅん)とは、2つの考え方や状況が同時に成り立たないことを意味します。つまり、一方が正しければ、もう一方が正しくなくなるような状況です。「抵触」は、法律や規則に反することに使われることが多いですが、「矛盾」は主に考え方や説明、意見が食い違っている場合に使われます。
ヒロト彼の発言は、昨日言ったことと矛盾しているため、信頼性が低下した。
コトハ発言には、一貫性がないと信頼してもらえないわ。
ヒカルこの例文では、彼が以前言ったことと現在の発言が食い違っている状況を表しています。「矛盾」という言葉は、特に意見や説明が一致しない、または食い違っている場面で使われます。「抵触」が法律やルールに対して使われるのに対し、「矛盾」は考えや説明がかみ合わない状況に使われます。
「違反」の例文
違反(いはん）は、法律やルール、規則に従わず、それに反する行為を指します。「抵触」も同じように法律やルールに反することを意味しますが、「違反」はもっと直接的に「守らない」という行為を表します。
ヒロト彼は、交通規則に違反したため、罰金を科せられた。
コトハ交通ルールはきちんと守らないとね。
ヒカルこの例文では、交通規則に従わなかったために罰金が科された状況を表しています。「違反」は、ルールや法律に明確に反する行為に対して使われます。「抵触」がやや広い意味でルールや規則に反する場合を示すのに対し、「違反」は特定の行動がはっきりとルールを破っている場合に使われることが多いです。
「矛盾」は主に考え方や意見の不一致を示す場面で、「違反」はルールや法律に反する行動を表す場面で使われます。状況に応じて、これらの言葉を使い分けることで、表現がより明確になります。
「抵触」の対義語
「抵触」の明確な対義語はありませんが、反対の意味を持つ言葉はいくつかあります。ここでは、「合理」と「遵守」という2つの言葉を紹介し、それぞれの意味や使い方について解説します。
【抵触と反対の意味を持つ言葉】
・合理（ごうり）：道理にかなっていること。論理的に正当であること。
・遵守（じゅんしゅ）：法律や道徳・習慣を守り、従うこと。
「合理」の例文
合理（ごうり）とは、無理や矛盾がなく、理にかなっている状態や考え方を指します。何かが抵触している場合、それは規則やルールに反しているということですが、「合理」はその逆で、規則やルールに沿っていて、矛盾がないことを表します。
ヒロトこの提案は、全ての条件を考慮しており、非常に合理的だ。
コトハ全ての条件に合っているなんて素晴らしいわね。
ヒカルこの例文では、提案が条件や状況に矛盾しておらず、理にかなっている状態を「合理的」と表現しています。抵触がルールや規則に反している状態を表すのに対し、「合理」はそれらに沿った、整合性のある状態を意味します。物事がうまく進むように、調和が取れている場面で使われます。
「遵守」の例文
遵守（じゅんしゅ）とは、法律や規則をしっかりと守ることを意味します。抵触がルールや規則に反することを示す一方で、「遵守」はそのルールをきちんと守って従うことを指します。
ヒロト全ての社員は、会社の規則を遵守する義務がある。
コトハ会社の基本的なルールは守らないとね。
ヒカルこの例文では、社員が会社の規則を守ることが求められていることを「遵守」という言葉で表現しています。抵触が規則に反する行動を意味するのに対し、「遵守」は規則をしっかり守ることを表す言葉です。ルールや規則に従う場面で使われる言葉です。
「合理」や「遵守」は「抵触」と反対の意味を持つ言葉です。合理は整合性のある状態、遵守は規則を守ることを表すため、それぞれの場面でうまく使い分けることで、表現がより豊かになります。
「抵触」の英語表現
「抵触」を英語で表現するとき、状況に応じて使える言葉がいくつかあります。ここでは、「conflict」と「contravene」という2つの英語表現を紹介し、それぞれの意味や使い方を解説します。
【抵触の英語】
weblio辞書より引用
- conflict：〔考え方などの〕不一致、対立、衝突、確執。
- contravene：〔法律・規則などに〕違反する。〔主義など〕と矛盾する。
「conflict」の例文
「conflict」は、意見や立場が対立しているとき、または2つの物事が一致せずに衝突している状態を表す言葉です。これは、「抵触」と同じように、考え方や規則が合わないときに使われます。
ヒロト「抵触」を英語で表現した例文を教えて！
コトハ"His opinion conflicts with the company's policy."のように表現することができます。
日本語訳：彼の意見は、会社の方針と抵触している。
ヒカルこの例文では、「conflict」を使って、彼の意見が会社の方針に合わず、対立していることを表現しています。「conflict」は、特に意見や考え方がぶつかる場面で使われることが多いです。日本語で言う「抵触」のニュアンスに近い表現です。
「contravene」の例文
「contravene」は、法律や規則に反する、違反するという意味を持っています。「抵触」が法的な違反を指す場面で使われる場合、この「contravene」が適しています。
ヒロト「抵触」を英語で表現した例文をもう一つ教えて！
コトハ"The company's actions contravene labor laws."のように表現することができます。
日本語訳：その会社の行動は、労働法に抵触している。
ヒカルこの例文では、「contravene」を使って、会社の行動が労働法に違反していることを表現しています。「contravene」は、主に法律や規則に反する行為を指すときに使われる言葉で、法的な文脈での「抵触」の意味を表すのに適しています。
「conflict」は意見や立場が合わない状況に、「contravene」は法律や規則に反する場合に使われます。それぞれの場面に応じて、英語での表現を使い分けることができます。
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