盆暗(ぼんくら)の正しい意味と使い方５選！例文もわかりやすく解説

「盆暗」とは、「ぼんやりしていて物事の見通しがきかないこと。また、そのような人や、そのさま。」という意味があります。

しかし、盆暗の意味がわかったところで、その正しい使い方やシチュエーションを理解しておかないと、間違った解釈をしたまま恥ずかしい思いをするかもしれません。

そうならないように、この記事で盆暗の意味に加えて、正しい使い方を例文も交えてわかりやすく解説しておりますので、最後まで読んでこれから活用できるようにしてくださいね！

「盆暗」の意味とは？わかりやすく解説

「盆暗」とは、ぼんくらと読み、ぼんやりしていて物事の見通しがきかないこと。また、そのような人や、そのさま。という意味があります。

盆暗の意味を辞書で調べると、このように解説されております。

「盆暗」の意味

「盆暗（ぼんくら）」は、物事の理解が遅い人や、判断力に欠ける人を指す言葉です。特に、知識や知恵が乏しく、鈍感であるとされる人に対して使われます。否定的なニュアンスが強く、「愚かさ」や「能力の低さ」を表現する言葉として使われることが多いです。

「盆暗」の意味の概要

この言葉は、日常会話やくだけた場面で主に使われ、正式な場ではあまり見かけません。もともとは江戸時代に使われ始めた俗語で、「盆（単純なもの）」と「暗（暗い）」を組み合わせた言葉と考えられています。このように、物事を明るく理解できない様子を表現しています。

「盆暗」の語源や由来

盆暗の語源や由来は以下のとおりです。

「盆暗」の語源や由来

「盆暗（ぼんくら）」という言葉には、いくつかの説があります。それぞれの説には独特の背景があり、どれも昔の人々の生活や考え方を感じさせるものです。ここでは主な語源の説をわかりやすく解説します。

「盆暗」の語源の説①：賭博用語が由来

一つ目の説は、賭博の世界で使われていた言葉に由来するというものです。「盆暗」は、盆（賭け金を置くお盆）を使った勝負で、目利きが暗い、つまり状況を見抜く力が弱い人を指していました。このため、勝負に負けやすい人や判断が鈍い人を「盆暗」と呼ぶようになったと言われています。この説は、実際に人をからかう言葉として広がり、現在の意味に近い形で定着したと考えられています。

「盆暗」の語源の説②：「坊」が変化した説

もう一つの説は、「坊」という幼児を表す言葉が変化し、「盆」という字が当てられたというものです。「坊」は子どもや若い人を意味しており、そこに未熟さや経験の浅さを暗に含むニュアンスがありました。そのため、知識や判断力に乏しい人を指す言葉として「盆暗」が使われるようになったと言われています。

「盆暗」の語源の説③：お盆の時期に由来

さらに、古い建物を作る際の話から派生した説もあります。お盆の暑い時期に蔵を作ると、塗られた土が乾きにくく、完成した蔵の状態が均一でなくなるため、そのような蔵を「盆蔵（ぼんくら）」と呼んだという説です。ただし、この説は「盆蔵」という漢字の使用例が見つかっていないことや、「暗」という漢字が使われる理由が不明確なため、確実なものとは言えません。

まとめ

「盆暗」の語源にはさまざまな説がありますが、いずれも人間の未熟さや不器用さを表現したいという意図が背景にあるようです。特に賭博用語としての説は、言葉の持つ否定的なニュアンスと結びつきやすいものと言えるでしょう。言葉の歴史を知ることで、「盆暗」という言葉の奥深さを感じることができますね。

「盆暗」の使い方を例文でわかりやすく解説

それでは、「盆暗」の正しい使い方を具体的にイメージできるようわかりやすい例文をご紹介します。

「盆暗」という言葉は、人をからかったり、冗談交じりで指摘したりする場面で使われますが、以下のような具体的な場面で使用されることが多いです。

「盆暗」は否定的なニュアンスを持つ言葉なので、使い方には注意が必要です。以下の点に気をつけましょう。

盆暗の例文①

この例文は、簡単なことを何度も説明しても理解できない人を軽くからかうシーンを描いています。友達同士の冗談のやり取りに使える表現です。

盆暗の例文②

この例文は、勝負ごとで失敗を繰り返す人を冗談めかしてからかう場面を想定しています。

盆暗の例文③

何かを上手くできない時に、自嘲的に使う場面です。

「盆暗」は、人をからかう冗談として使いやすい言葉ですが、注意点を守らないと相手に悪い印象を与えてしまうこともあります。親しい相手との会話で、軽い笑いを交えたやり取りに適している表現です。

「盆暗」の言い換え表現を例文を使ってわかりやすく解説

「盆暗（ぼんくら）」は、人の理解力や判断力の低さを指す言葉ですが、日常会話ではもっと簡単な表現に言い換えることができます。ここでは、「盆暗」を別の言葉に置き換えた例を挙げ、それぞれの意味や使い方を解説します。

「鈍い（にぶい）」の例文

「鈍い」は、理解や反応が遅いことを指します。頭の回転が遅い様子や、物事に気づきにくい人を表す時に使われます。「盆暗」と比べて、やや柔らかいニュアンスがあり、冗談としても使いやすい言葉です。

「バカ（馬鹿）」の例文

「バカ」は、理解力や行動が足りない人に対して使う、とても一般的な表現です。「盆暗」よりもさらに日常的で、親しい人の間で使われることが多いですが、言い方によっては相手を強く傷つける場合もあります。

「盆暗」の類義語

「盆暗（ぼんくら）」には、似たような意味を持つ言葉がいくつかあります。ここでは、「とんちき」と「やぼてん」という類義語を取り上げ、それぞれの意味や使い方を解説します。

「とんちき」の例文

「とんちき」は、少し間が抜けていて、愚かな行動をする人を指す言葉です。真面目さや慎重さが足りない人や、調子に乗った行動をする人を軽くからかうときに使われます。「盆暗」と比べて、ややふざけたニュアンスが強く、冗談っぽい表現です。

職場の同僚がいつも面白いことを言っている様子を説明しています。

「とんちき」は、「盆暗」よりも少し柔らかい印象の言葉で、必ずしも悪い意味ではありません。むしろ、愛嬌のある、可愛らしい様子を表すこともあります。

「やぼてん」の例文

「やぼてん」は、物事の状況をよく理解せず、鈍い反応をする人を指す言葉です。特に、周りの空気を読めない人や、配慮のない行動をする人に対して使われることが多いです。「盆暗」と比べて、相手の気遣いのなさや鈍感さに焦点を当てた表現です。

「盆暗」の対義語

「盆暗（ぼんくら）」には、明確な対義語はありませんが、反対の意味に近い言葉を考えると「有能（ゆうのう）」や「賢明（けんめい）」が挙げられます。これらの言葉は、「盆暗」のように理解力や判断力が足りない状態とは反対に、優れた能力や知恵を持つことを意味します。それぞれの言葉について、使い方や場面を例文とともに解説します。

「有能」の例文

「有能(ゆうのう)」は、何かをする能力や才覚があることを意味します。仕事や勉強、日常生活の中で、的確に物事を進められる人や問題を解決できる人を指します。「盆暗」のように能力が足りない状態とは対照的な言葉です。

「賢明」の例文

「賢明(けんめい)」は、賢くて物事の判断が正しいことを意味します。状況をよく考え、適切な行動を取れる人や、知恵を持っている人を指します。「盆暗」のように考えが浅く判断を誤る人とは反対の意味を持つ言葉です。

「盆暗」の英語表現

「盆暗（ぼんくら）」を英語で表現する場合、完全に一致する言葉はありませんが、似た意味を持つ単語やフレーズがあります。ここでは、「half-wit」と「imbecile」という表現を紹介し、それぞれの意味や使い方を解説します。

「half-wit」の例文

「half-wit」は、知恵や理解力が半分しかないような人、つまり「頭が悪い人」や「愚かな人」を意味します。この表現はやや古風な響きがありますが、日常会話でも冗談として使われることがあります。「盆暗」と同じく、相手の愚かさを指摘する際に使われます。

日本語訳：あの盆暗、また家に財布を忘れてきたよ。

「imbecile」の例文

「imbecile」は、非常に愚かな人や、判断力が極端に欠けた人を指します。「盆暗」よりも強い批判や侮辱のニュアンスが含まれることが多い表現です。特に感情的な場面や怒りを伴う言葉として使われることが多いです。

日本語訳：免許なしで運転しようなんて、盆暗以外の何者でもない。

「盆暗」を英語で表現する場合、「half-wit」や「imbecile」を使うことでニュアンスを近づけることができます。ただし、どちらも相手に対して批判的な言葉なので、場面や相手の気持ちを考えながら使うことが重要です。英語でも適切に言葉を選ぶことで、相手との関係を保ちながらコミュニケーションを取ることができます。