漁夫之利 (ぎょふのり) とは? 意味を例文でわかりやすく解説してみた

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「漁夫之利」とは、「両者が争っているすきに、第三者が骨を折らずにその利益を横取りするたとえ」という意味があります。

しかし、漁夫之利の意味がわかったところで、その正しい使い方やシチュエーションを理解しておかないと、間違った解釈をしたまま恥ずかしい思いをするかもしれません。

そうならないように、この記事で漁夫之利の意味に加えて、正しい使い方を例文も交えてわかりやすく解説しておりますので、最後まで読んでこれから活用できるようにしてくださいね!

ヒロト

弟とおかしの取り合いで喧嘩していたら、妹がおかしを食べてしまったんだ!

コトハ

妹さんは、まさに「漁夫之利」ね。

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目次
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「漁夫之利」の意味とは?わかりやすく解説

「漁夫之利」とは、ぎょふのりと読み、両者が争っているすきに、第三者が骨を折らずにその利益を横取りするたとえ。という意味があります。

漁夫之利の意味を辞書で調べると、このように解説されております。

【漁夫之利の意味】

  • 両者が争っているすきに、第三者が骨を折らずにその利益を横取りするたとえ。

    ▽「漁夫」は漁師。「夫」は「父」とも書く。
goo辞書より引用

「漁夫之利」の意味

「漁夫之利(ぎょふのり)」とは、2つの勢力や人が争っている間に、何もしなかった第三者がその争いの結果として利益を得ることを意味します。簡単に言うと、「他人のケンカの隙をついて得をする」ことを指します。この表現は、相手同士が争うことで疲れたり損をしたりしている間に、思わぬところで第三者が得をするような場面を描いています。

「漁夫之利」の意味の概要

この言葉は、中国の古い物語に由来しています。その中で、カワハギ(シギ)とアサリが争っている間に、漁師が簡単に両方を捕まえたというエピソードから生まれました。このように、「漁夫之利」は、直接争いに関わらない人が思いがけない幸運で利益を得る状況を表します。争いの当事者にとっては、自分たちが努力しても、結局他の人に取られてしまうという皮肉な状況を指すこともあります。

ヒロト

「漁夫之利」ってどんなことを意味するの?もう少し詳しく教えて!

コトハ

漁夫之利は、自分では何もしなくても、他人の争いによって利益を得るという意味になります。争っている当事者にとっては、せっかく争っているのに、第三者に利益を奪われてしまう、という状況です。

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「漁夫之利」の語源や由来

漁夫之利の語源や由来は以下のとおりです。

【漁夫之利の語源や由来】

  • 中国戦国時代、趙(ちょう)国が燕(えん)国を攻めようとしたとき、燕の昭王(しょうおう)は戦になっては困ると燕に重用されていた遊説家蘇代(そだい)に、攻撃を思いとどまるよう趙の恵文王(けいぶんおう)を説得させようとした。
    蘇代は恵文王に「鷸(しぎ)と蚌(どぶがい)が譲らず争っているところへ漁夫がやってきて、やすやすと両方とも捕らえてしまった」という寓話(ぐうわ)を話して、今趙と燕が争えば強国の秦(しん)が漁夫となって、いとも簡単に両国とも取られてしまうと説得した故事から。
goo辞書より引用

「漁夫之利」の語源や由来

「漁夫之利(ぎょふのり)」という言葉は、中国の古い物語から生まれた表現です。この物語は『戦国策(せんごくさく)』という古い歴史書に記されています。物語の内容はとてもわかりやすく、こんな話です。

ある日、カワハギ(シギ)という鳥が海辺でアサリを見つけました。カワハギはアサリを食べようとくちばしで挟みましたが、アサリはすぐに殻を閉じて抵抗します。カワハギとアサリはどちらも負けまいと、長い間お互いに力を使って争い続けました。

その様子を見ていたのが、近くを通りかかった漁師です。漁師は、争いで動けなくなったカワハギとアサリを簡単に捕まえ、家に持ち帰りました。こうして、争っていたカワハギとアサリは何も得られず、漁師だけが得をする結果になったのです。

この話がもとになり、「漁夫之利」という言葉ができました。「漁夫」とは漁師のことで、「之利」はその利益という意味です。つまり、「漁夫之利」は「漁師が得をする」という場面を通じて、他人が争っている間に第三者が利益を得ることを表すようになりました。

この言葉は、争いに夢中になると周りが見えなくなり、自分たちが損をする結果を生むことを教えてくれる教訓としても使われています。中国の物語から生まれたこの言葉は、今でも私たちの日常でよく使われています。

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「漁夫之利」の使い方を例文でわかりやすく解説

それでは、「漁夫之利」の正しい使い方を具体的にイメージできるようわかりやすい例文をご紹介します。

ヒロト

漁夫之利ってどういう場面で使ったりするの?

コトハ

「漁夫之利」は、現実のさまざまな状況で使われます。たとえば、会社の競争で2つの企業が激しく争う間に、第三の企業がその隙をついて市場を拡大する場面です。また、スポーツや選挙などで2つのチームや候補者が互いに足を引っ張り合い、第三者が有利になる場合にも使われます。このような場合、「漁夫之利」という言葉を使うことで、その状況を簡単に説明することができます。

「漁夫之利」という言葉は、次のような場面でよく使われます。

漁夫之利がよく使われる場面の一例
  • ビジネスの競争:2社が激しく競争する間に、別の企業がその間隙を突いて市場シェアを拡大したとき。
  • スポーツの試合:2チームが接戦で疲れ果てた結果、別のチームが勝利を得たとき。
  • 友人同士のケンカ:AさんとBさんが言い争っている間に、Cさんがその場の状況をうまく利用して得をしたとき。
  • 政策や議論の場面:政党や意見の対立が激しい間に、第三者の立場にあるグループが主導権を握ったとき。
  • オークションや競り:複数の人が値段を競り合っている間に、他の人がうまくタイミングを見てお得に商品を手に入れたとき。

「漁夫之利」を使うときには、次のような注意が必要です。

使う時の注意点
  • 争いが発生している場面で使う
    この言葉は、2者以上が争っている状況を前提とした表現です。
  • 第三者が利益を得た結果が重要
    単なる争いではなく、その結果として第三者が利益を得る場合に使います。
  • 皮肉なニュアンスを含むことがある
    場合によっては、争っていた人たちに対して批判的な意味合いを持つことがあります。

漁夫之利の例文①

会社同士が激しく競争している間に、第三の会社が利益を得た例です。

ヒロト

A社とB社が新製品の価格競争で対立している間に、C社がその隙を突いて市場シェアを大きく広げた。まさに「漁夫之利」だ。

コトハ

C社にとってはラッキーだったわね。

ヒカル

A社とB社の争いによって生じたチャンスを、争いに関わっていないC社がうまく利用した状況を説明しています。

漁夫之利の例文②

選挙戦で2人の候補者が激しい戦いをしている間に、第三の候補者が得をした例です。

ヒロト

X候補とY候補が互いの批判合戦を繰り広げる間に、Z候補が有権者の信頼を集め、勝利を収めた。これが「漁夫之利」というものだ。

コトハ

Z候補、得したわね。

ヒカル

批判ばかりに集中したX候補とY候補の争いが、結果的にZ候補を有利な立場にさせたことを示しています。

漁夫之利の例文③

2人の友人がケンカしている間に、別の人が得をした例です。

ヒロト

AさんとBさんがケーキをどう分けるかで言い争っている間に、Cさんが何も言わずにそのケーキを食べてしまった。これが「漁夫之利」だね。

コトハ

喧嘩しなければ良かったのにね。

ヒカル

AさんとBさんがケンカをしている間に、Cさんがその隙をついて利益を得る(ケーキを食べる)というコミカルな例を描いています。

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「漁夫之利」の言い換え表現を例文を使ってわかりやすく解説

「漁夫之利」は以下のような簡単な言葉に言い換えて表現することができます。

【漁夫之利の言い換え表現】

  • 棚ぼた(たなぼた)
  • ラッキー

棚ぼた」の例文

「棚ぼた」とは、「棚からぼた餅(ぼたもち)が落ちてきてラッキーだった」という日本の慣用句に由来する表現です。特に何も努力をせずに、偶然の幸運で利益を得ることを意味します。「漁夫之利」も「他人の争いの結果、自分が得をする」点で似ていますが、「棚ぼた」は争いの有無に関係なく、運が良かった場合に使われることが多いです。

ヒロト

宝くじを買ったつもりが、間違えて懸賞に応募していた。数日後、その懸賞に当選の知らせが届いた。まるで棚ぼたのような幸運だった。

コトハ

えー!!そんな偶然ってある?

ヒカル

この例文では、宝くじに当選するつもりはなかったのに、偶然にも懸賞に当選したという、全く予想外の出来事が描かれています。「棚ぼた」という言葉を使うことで、この幸運がどれほど突然で、何の努力もせずに得られたかが強調されています。

ラッキー」の例文

「ラッキー」は「運が良い」「幸運に恵まれた」という意味のカジュアルな言葉です。「漁夫之利」のように他人の争いが関係している場合だけでなく、偶然良い結果を得たときに広く使えます。「漁夫之利」と比べると、よりシンプルで軽いニュアンスがあります。

ヒロト

電車に乗り合わせた見知らぬ人が、財布を落としていて、拾ってあげたら、そのお礼に高額な商品券をもらった。今日は本当にラッキーな日だ。

コトハ

いいことしたご褒美よ!

ヒカル

この例文では、偶然財布を拾ったことで、思わぬお礼をもらったという、嬉しい出来事が描かれています。「ラッキー」という言葉を使うことで、この出来事が偶然で、自分にとって良いことだったということが簡潔に表現されています。

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「漁夫之利」の類義語

「漁夫之利」の類義語を辞書で調べると以下の通りです。

【漁夫之利の類義語】

  • 一挙両得(いっきょりょうとく):一つの行為で、同時に二つの利益が得られること。一つで二つの利益が得られること。また、わずかな労力で多くの利益を得るたとえ。
  • 一石二鳥(いっせきにちょう):一つのことをして、二つの利益を得るたとえ。一つの行為や苦労で、二つの目的を同時に果たすたとえ。一つの石を投げて、二羽の鳥を同時に捕らえる意から。
goo辞書より引用

「一挙両得」の例文

一挙両得(いっきょりょうとく)とは、1つの行動で2つの良い結果を得ることを意味します。「挙」とは行動、「両得」は2つの利益を得ることを指します。この言葉は、何かをすることで、ついでに別の良い結果も得られたときに使われます。「漁夫之利」とは異なり、争いが関係していない場面でも使えます。

公園でランニングをしていると、たまたま友達に会い、楽しい会話もできた場面です。

ヒロト

健康のためにランニングをしていたら、友達とばったり会って話もできた。一挙両得だね!

コトハ

えー!偶然いいことがあったわね。

ヒカル

この例では、ランニングという1つの行動で「健康を維持する」と「友達と話して楽しむ」という2つの利益を得ています。「漁夫之利」は他人の争いによる利益に焦点がありますが、「一挙両得」は自分の行動による複数の利益がポイントです。

「一石二鳥」の例文

一石二鳥(いっせきにちょう)は、1つの石を投げて2羽の鳥を捕まえるという表現から、「1つの行動で2つの成果を得る」という意味があります。「一挙両得」と似ていますが、こちらのほうが日常会話でカジュアルに使われることが多いです。

自転車で買い物に行く途中で、ゴミ拾いもして地域の環境改善に役立った場面です。

ヒロト

自転車で買い物に行きながらゴミ拾いをしたら、運動にもなったし町もきれいになった。一石二鳥だったよ!

コトハ

そうね、体を動かして、町のために貢献して、いいことばかりね。

ヒカル

この例では、「買い物」と「ゴミ拾い」で「運動」と「環境改善」という2つの成果が得られています。「漁夫之利」は争いの中で利益を得る場合に使いますが、「一石二鳥」は単に1つの行動で複数の成果を得た場合に使います。

「漁夫之利」の対義語

「漁夫之利」の対義語を辞書で調べると以下の通りです。

【漁夫之利の対義語】

  • 虻蜂取らず(あぶはちとらず):あまり欲を深くすると、かえって失敗することのたとえ。
  • 二兎を追うものは一兎をも得ず(にとをおうものはいっとをもえず):同時にふたつの物事をしようとすると、いずれもが成功せず、中途半端に終わることを意味することわざ。
precious.jpより引用

「漁夫の利」の対義語として、厳密なものは一つではありませんが、「虻蜂取らず」や「二兎を追うものは一兎をも得ず」といった言葉は、よく似た意味を表します。

虻蜂取らず」の例文

虻蜂取らず(あぶはちとらず)とは、虻(アブ)と蜂の両方を捕まえようとして、どちらも手に入らないことを意味します。欲張りすぎた結果、何も得られなくなることを指します。「漁夫之利」が何もしないで得をすることを表すのに対し、「虻蜂取らず」は無計画にあれこれ手を出して失敗する場面で使われます。

Aさんが2つのアルバイトを掛け持ちしようとしたが、どちらも中途半端になり、どちらの職場からも評価されなかった場面です。

ヒロト

Aさんは2つのアルバイトをやろうとしたけれど、結局どっちもうまくいかなくて辞めることになった。まさに虻蜂取らずだね。

コトハ

そうね。そんなにうまくいかないわよね。

ヒカル

この例では、欲張って両方を得ようとした結果、どちらも失敗してしまった状況を表しています。「漁夫之利」が争いの結果利益を得るのに対し、「虻蜂取らず」は無計画な行動の結果何も得られないことを表しています。

二兎を追うものは一兎をも得ず」の例文

「二兎を追うものは一兎をも得ず」は、2羽のウサギを同時に追いかけると、どちらも捕まえられなくなるという意味です。欲張りすぎたり、目標を絞らないと、結果的に何も得られなくなるという教訓を表します。「漁夫之利」と異なり、努力が裏目に出る場面で使われます。

Bさんが勉強とスポーツのどちらも頑張りたいと思い、どちらも中途半端になってしまった場面です。

ヒロト

Bさんは勉強もスポーツも一生懸命やろうとしたけれど、どっちも中途半端で成果が出なかった。二兎を追うものは一兎をも得ずだね。

コトハ

いっぺんにいろいろやっても、どちらも中途半端になってしまうわね。

ヒカル

この例では、複数の目標に手を出した結果、どちらも成果を得られなかった状況を表しています。「漁夫之利」が他人の争いの結果利益を得る状況に焦点を当てるのに対し、「二兎を追うものは一兎をも得ず」は自分の行動の失敗が原因となる点が異なります。

「漁夫之利」の英語表現

「漁夫之利」の英語表現を辞書で調べると以下の通りです。

【漁夫之利の英語】

  • profiting while others fightprofiting は「利益を得る」while others fight は「他人が争っている間」つまり、「他人が争っている間に利益を得る」という意味になります。
  • fish in troubled waters fish は「釣りをする」troubled waters は「荒れた海」つまり、「荒れた海で魚を釣る」ことから、「混乱している状況で利益を得る」という意味になります。
DMM英会話より引用

「profiting while others fight」の例文

「profiting while others fight」とは、「他の人が争っている間に利益を得る」という意味で、「漁夫之利」の状況をそのまま表現したフレーズです。この言葉は、誰かが争いで忙しくしている隙をついて、自分が利益を得る状況に使えます。シンプルで分かりやすい表現です。

ヒロト

「漁夫之利」を英語で表現した例文を教えて!

コトハ

"While the two largest companies were fighting over the market share, a smaller competitor was profiting while others fought."のように表現することができます。

日本語訳:2つの大手企業が市場シェアを巡って争っている間に、より小さな競争相手が利益を得ていた。

ヒカル

この例では、大企業同士が激しく競争している間に、小さな会社がその隙をついて得をしている状況を描いています。「profiting while others fight」は、争いが中心の話で使いやすい表現です。

「fish in troubled waters 」の例文

「fish in troubled waters」とは、「混乱した状況で利益を得る」という意味の慣用句です。直訳すると「濁った水で魚を釣る」ですが、実際には混乱や争いの中でチャンスを見つけて得をすることを指します。「漁夫之利」のニュアンスをうまく伝える比喩的な表現です。

ヒロト

「漁夫之利」を英語で表現した例文をもう一つ教えて!

コトハ

"When the two political parties were arguing, a third party tried to fish in troubled waters by gaining public support."のように表現することができます。

日本語訳:2つの政党が対立している間に、第三の政党が世論の支持を得ようとして混乱を利用した。

ヒカル

この例では、政治の対立の混乱を利用して、第三の政党が利益を得ようとしている状況を説明しています。「fish in troubled waters」は、混乱や争いの中で巧みに利益を得る場面で使えます。

「profiting while others fight」と「fish in troubled waters」はどちらも「漁夫之利」を英語で表現する際に適したフレーズです。前者は争いそのものに焦点を当てた直接的な表現で、後者は比喩的でニュアンスのある表現です。状況に応じて使い分けることで、「漁夫之利」の意味を英語でも的確に伝えることができます。

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