「虻蜂取らず」とは、「二つのものを同時に取ろうとして両方とも得られないこと。欲を出しすぎると失敗することのたとえ。」という意味があります。
しかし、虻蜂取らずの意味がわかったところで、その正しい使い方やシチュエーションを理解しておかないと、間違った解釈をしたまま恥ずかしい思いをするかもしれません。
そうならないように、この記事で虻蜂取らずの意味に加えて、正しい使い方を例文も交えてわかりやすく解説しておりますので、最後まで読んでこれから活用できるようにしてくださいね!
昨日、ランチにラーメンとうどんを食べようと2つのお店に行こうとして、どちらを先に行くか迷っているうちに昼休みが終わってしまって何も食べられなかった!
虻蜂取らずね・・。
「虻蜂取らず」の意味とは?わかりやすく解説
「虻蜂取らず」とは、あぶはちとらずと読み、二つのものを同時に取ろうとして両方とも得られないこと。欲を出しすぎると失敗することのたとえ。という意味があります。
虻蜂取らずの意味を辞書で調べると、このように解説されております。
【虻蜂取らずの意味】
goo辞書より引用
- 二つのものを同時に取ろうとして両方とも得られないこと。欲を出しすぎると失敗することのたとえ。
「虻蜂取らず」の意味
「虻蜂取らず(あぶはちとらず)」とは、欲張って二つのものを同時に手に入れようとした結果、どちらも失ってしまうことを意味することわざです。この表現は、「あれもこれも」と選択肢を増やしすぎた結果、失敗する状況を指します。「虻」はアブ、「蜂」はハチを意味し、どちらか一方を狙えばよかったのに、両方を追いかけたためにどちらも取れなかった、というたとえ話が元になっています。
「虻蜂取らず」の意味の概要
このことわざは、特に「欲張りすぎて結果を出せない」ことや「集中すべき対象を間違える」場面で使われます。現代では、仕事や学業、趣味などで「あれもこれも手を出しすぎて中途半端になる」状態を表す言葉としてもよく使われます。たとえば、進路選びで複数の選択肢を同時に追求して迷った末に全て失敗してしまう、という状況にも当てはまります。
「虻蜂取らず」ってどんなことを意味するの?もう少し詳しく教えて!
虻蜂取らず(あぶはちとらず)とは、二つのものを同時に手に入れようとして、結局どちらも手に入れられないことを意味する言葉です。
「虻蜂取らず」の語源や由来
虻蜂取らずの語源や由来は以下のとおりです。
【虻蜂取らずの語源や由来】
マイナビニュースより引用
- もともとは「虻も取らず蜂も取らず」といわれていましたが、そこから今の「虻蜂取らず」というかたちになりました。
明確な由来はわかっていませんが、昔はよく使われていたといいます。しかし、同じような意味を持つ「二兎を追う者は一兎をも得ず」ということわざが登場してからは、あまり使われなくなったそうです。
「虻蜂取らず」の語源や由来
「虻蜂取らず(あぶはちとらず)」ということわざの由来は、アブ(虻)とハチ(蜂)の両方を同時に捕まえようとして、結果的にどちらも捕まえられなかった、という情景から生まれたものです。これは、人間の欲張りな性格や、不器用な選択をたとえたものです。
アブとハチは、どちらも素早く動き回る虫で、一つを狙って集中しないと捕まえるのが難しいとされています。しかし、どちらも欲しくて同時に狙うと、注意が散漫になり、結局どちらも逃してしまうという結果になります。この状況が、「欲張ると何も得られない」という教訓として表現され、昔から使われてきました。
このことわざは、日本人が古くから自然や動物の行動を観察し、それを生活の知恵として言葉にまとめたものの一つです。また、この表現は「選択と集中」の大切さを教えるものとして、今でも日常会話や教育の場で使われています。
「虻蜂取らず」という言葉は、私たちに「欲張るのではなく、一つのことに集中しよう」という大切なメッセージを伝えてくれているのです。
「虻蜂取らず」の使い方を例文でわかりやすく解説
それでは、「虻蜂取らず」の正しい使い方を具体的にイメージできるようわかりやすい例文をご紹介します。
虻蜂取らずってどういう場面で使ったりするの?
仕事や学業、趣味などで「あれもこれも手を出しすぎて中途半端になる」状態を表す言葉としてもよく使われます。
「虻蜂取らず」は、次のような場面でよく使われます。
- 進路選びや就職活動
複数の選択肢に迷い、どれも中途半端になって失敗する場合。 - プロジェクトや課題の優先順位付け
複数のタスクを同時に進めようとして、どれも完成しない場合。 - 買い物や投資の選択
どちらを選ぶべきか迷って決断が遅れ、どちらも手に入らなくなる場合。 - 趣味や習い事の選択
複数の趣味や活動を始めたけれど、どれも続かなくなる場合。 - 時間配分の失敗
限られた時間内にあれもこれもやろうとして、どれも満足にできない場合。
「虻蜂取らず」を使うときの注意点は以下の通りです。
- 深刻すぎる場面には向かない
たとえば命に関わる選択など、軽い教訓として使えない場合には適しません。 - ユーモアを交えて使うのが適切
人を責めるニュアンスで使うと、相手を傷つけてしまうことがあります。 - 具体的なエピソードがあると伝わりやすい
具体的な状況を説明すると、意味がよりわかりやすくなります。
虻蜂取らずの例文①
受験生が複数の志望校を考えすぎた結果、どちらの対策も中途半端になり失敗した状況を表しています。
Aさんは第一志望と第二志望、どちらに絞るか迷っていたが、結局どちらの対策も不十分で、虻蜂取らずの結果に終わってしまった。
やっぱり欲張ってはダメね。
この例文では、「欲張って両方を狙った結果、どちらも手に入れられなかった」という典型的な状況を表しています。
虻蜂取らずの例文②
仕事で複数のプロジェクトを同時に進めようとして、どれも完成しなかった場面を描いています。
彼は新規事業と既存プロジェクトの両方に力を入れようとしたが、どちらも成功せず、まさに虻蜂取らずだった。
どちらにするかよく考えてから取り組まないとね。
この例文では、「優先順位をつけずに進めたことで失敗する」という教訓をわかりやすく伝えています。
虻蜂取らずの例文③
買い物で迷いすぎて、最終的にどちらの商品も手に入らなかったシーンを描いています。
ショッピングモールで洋服を選んでいたが、黒いコートとグレーのコートのどちらにするか迷い、気づいたら売り切れていて虻蜂取らずだった。
それは残念だったわね。欲しいものをよく考えてから行かないとね。
この例文は、身近な日常のシーンを使い、「迷った結果どちらも手に入らない」状況を簡単に説明しています。
「虻蜂取らず」の言い換え表現を例文を使ってわかりやすく解説
「虻蜂取らず」は、日常でもよく使われる言葉ですが、もっとシンプルな表現に言い換えることもできます。ここでは、言い換え表現を2つ紹介し、それぞれの意味や使い方、例文についてわかりやすく説明します。
【虻蜂取らずの言い換え表現】
- どっちつかず
- 欲張りすぎた結果
「どっちつかず」の例文
「どっちつかず」とは、どちらにも決められず、どちらも中途半端な状態になることを意味します。この表現は、「虻蜂取らず」と同じように、優柔不断さや迷いが原因で結果を出せない状況を指します。
進路選びで迷いすぎた結果、どちらもチャンスを逃してしまった場面を描いています。
Bさんは文系にするか理系にするか迷ってどっちつかずのまま進級し、結局どちらの勉強も足りなくて後悔した。
慎重に考えて一本に絞るべきだったわね。
この例文では、「虻蜂取らず」を「どっちつかず」に言い換えることで、シンプルなニュアンスで「決められないことの悪い結果」を伝えています。「虻蜂取らず」と比べて少しカジュアルな印象になります。
「欲張りすぎた結果」の例文
「欲張りすぎた結果」とは、「あれもこれも手に入れようとしたため、失敗した」という状態を説明する表現です。「虻蜂取らず」と違い、直接的に失敗の理由を強調しています。
仕事で複数のプロジェクトを同時に進めようとして、どれも完成しなかった場面を描いています。
Cさんは欲張りすぎた結果、3つのプロジェクトを同時に進めてどれも中途半端な仕上がりになった。
迷う気持ちはよくわかるけど、1つづつ進めるべきね。
この例文では、「虻蜂取らず」を「欲張りすぎた結果」に言い換えています。この表現は、具体的に「欲張ったことが原因」であることを指摘したいときに使えます。「虻蜂取らず」よりも説明的で、原因を直接伝えたい場面に適しています。
これらの言い換え表現を使えば、状況に応じて「虻蜂取らず」をもっとわかりやすく、シンプルに伝えられます。日常会話では「どっちつかず」が軽い印象で使いやすく、原因を強調したいときには「欲張りすぎた結果」が便利です。
「虻蜂取らず」の類義語
「虻蜂取らず」と似た意味を持つことわざはいくつかあります。ここでは、「二兎を追う者は一兎をも得ず」と「花も折らず実も取らず」という2つの類義語について、それぞれの意味や使い方、例文をわかりやすく解説します。
【虻蜂取らずの類義語】
weblio辞書より引用
- 二兎を追う者は一兎をも得ず(にとをおうものはいっとをもえず):両方とも手に入れようとして、結局はどちらも撮り損なうこと。
- 花も折らず実も取らず(はなもおらずみもとらず):欲張って両方を手に入れようとして、結局どちらも得られないことのたとえ。
「二兎を追う者は一兎をも得ず」の例文
二兎を追う者は一兎をも得ず(にとをおうものはいっとをもえず)とは、2つのことを同時に手に入れようとすると、どちらも失敗してしまうという意味のことわざです。「虻蜂取らず」と同じように、欲張りすぎた結果失敗することを教える教訓です。
進学と部活の両方で成果を上げようとしたけれど、どちらも中途半端になった場面を表しています。
Dさんは勉強も部活もトップを目指そうとしたが、結局二兎を追う者は一兎をも得ずで、どちらも成果を出せなかった。
どちらも頑張ろうとしたのに残念だったわね。
この例文では、「虻蜂取らず」と同じ状況を表していますが、「二兎を追う者は一兎をも得ず」は動物の「兎(うさぎ)」を使った表現なので、より具体的でイメージしやすいニュアンスがあります。
「花も折らず実も取らず」の例文
花も折らず実も取らず(はなもおらずみもとらず)とは、花を摘むでもなく、実を採るでもなく、中途半端な状態を表します。つまり、「虻蜂取らず」と同じように、決断を下せず、何も行動に移せない状況を表しています。
新しい仕事への転職を迷っている状況です。
新しい仕事を始めようか迷っていて、ずっと考えているけど、なかなか決断できない。このままでは、『花も折らず実も取らず』の状態が続いてしまう。
ずっと迷っていて、結局どちらにも決めることができなかったのね。
この例文では、決断を下せずに、何も行動に移せていないことを自覚している様子を表現しています。
「花も折らず実も取らず」は何かを決断しなければならない状況で、優柔不断な状態が続いている場合に使うことができます。
「虻蜂取らず」の対義語
「虻蜂取らず」と反対の意味を持つ言葉もいくつかあります。ここでは、一挙両得(いっきょりょうとく)と「一石二鳥(いっせきにちょう)の2つを対義語として紹介し、それぞれの意味や使い方、例文についてわかりやすく説明します。
【虻蜂取らずの対義語】
Domaniより引用
- 一挙両得(いっきょりょうとく):1つのことを行い、同時に2つの利益をえること。
- 一石二鳥(いっせきにちょう):1つのことをして、同時に2つの利益・効果をあげること。
「一挙両得」の例文
一挙両得(いっきょりょうとく)とは、一つの行動や努力で二つの利益を得ることができるという意味の四字熟語です。1回の行動で2つの目的を達成するという、効率の良い成功を表しています。「虻蜂取らず」が「どちらも得られない」状況を表すのに対し、「一挙両得」は「どちらも得る」ポジティブな結果を意味します。
部活動の練習が進学試験の体力テスト対策にもなった場面を描いています。
Fさんはバスケットボールの練習を続けて、一挙両得で試験の体力テストも良い結果を出した。
部活動の練習を毎日することで体力も向上したのね。
この例文では、一つの努力(バスケットボールの練習)が二つの成果(部活動の成功と体力テストの好成績)をもたらしたことを表現しています。「一挙両得」は、効率的な成功を強調したい場面で使いやすい言葉です。
「一石二鳥」の例文
一石二鳥(いっせきにちょう)とは、一つの行動で二つの目的を達成するという意味のことわざです。元々は、1つの石を投げて2羽の鳥を捕まえるという表現からきています。「一挙両得」と似ていますが、「一石二鳥」のほうがより日常的で使いやすい表現です。
ウォーキングをしながら、健康維持と友人との会話を楽しんだ場面を描いています。
Gさんは友達と一緒にウォーキングをして、一石二鳥で健康も維持しつつ楽しい時間を過ごした。
体力づくりをしながら楽しい時間もすごせていいわね。
この例文では、1回のウォーキングで健康を保つという目的と、友人との楽しい時間という2つの目的を同時に達成したことを表しています。「一石二鳥」は身近な状況で使われることが多く、カジュアルな印象があります。
「虻蜂取らず」の英語表現
「虻蜂取らず」に似た意味を持つ英語表現もあります。ここでは、2つの表現を紹介します。それぞれの意味や使い方、例文を見てみましょう。
【虻蜂取らずの英語】
DMM英会話より引用
- fall between two stools :「ふたつの腰掛けに座ろうとして、間に落ちる」ということです。
stool:腰掛け英語でよく使う決まり文句です。- miss both boats:「2隻の船を逃す」という意味で、どちらのチャンスもつかめなかったことを表します。
「fall between two stools」の例文
「fall between two stools」は、「2つの選択肢の間で迷い、結果的にどちらも得られない」という意味の英語表現です。直訳すると「2つの椅子の間に落ちる」という意味で、2つのものを追いかけた結果、どちらも失敗してしまうことを表します。「虻蜂取らず」と同じような状況を表すのに使えます。
「虻蜂取らず」を英語で表現した例文を教えて!
"I tried to focus on both studying and my part-time job, but I ended up falling between two stools."のように表現することができます。
日本語訳:私は勉強とアルバイトの両方に集中しようとしたが、結果的にどちらもうまくいかなかった。
この例文では、「虻蜂取らず」の状況をそのまま英語で表現しています。勉強もアルバイトも両立させたかったのに、どちらも中途半端になってしまったという場面です。英語圏でも似たような状況でこの表現が使われます。
「miss both boats」の例文
「miss both boats」は、「2つの機会を逃してしまう」という意味の英語表現です。直訳すると「2隻の船を逃す」という意味で、どちらのチャンスもつかめなかったことを表します。「虻蜂取らず」と同じく、欲張りすぎたり、迷ったりして結果を失う状況で使われます。
「虻蜂取らず」を英語で表現した例文をもう一つ教えて!
"He hesitated too long and missed both boats: he didn’t get the scholarship or the job offer."のように表現することができます。
日本語訳:彼は迷いすぎて、奨学金も就職のオファーも逃してしまった。
この例文では、「miss both boats」を使い、「虻蜂取らず」の状況を具体的に説明しています。2つのチャンスを迷っている間に逃してしまうという状況が、言葉のイメージとともに伝わります。
「fall between two stools」と「miss both boats」は、どちらも「虻蜂取らず」の英語表現として使えます。「fall between two stools」はどちらかというと決断の失敗を強調し、「miss both boats」は機会を逃すことを強調します。どちらも場面に応じて使い分けることで、自然な英語表現ができます。
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