「馬耳東風」とは、「他人の意見や批評に注意を払わず、聞き流すこと」という意味があります。
しかし、馬耳東風の意味がわかったところで、その正しい使い方やシチュエーションを理解しておかないと、間違った解釈をしたまま恥ずかしい思いをするかもしれません。
そうならないように、この記事で馬耳東風の意味に加えて、正しい使い方を例文も交えてわかりやすく解説しておりますので、最後まで読んでこれから活用できるようにしてくださいね!
会社の後輩に間違いをなおすように言っても全然ダメなんだ!
まさに馬耳東風ね。
「馬耳東風」の意味とは?わかりやすく解説
「馬耳東風」とは、ばじとうふうと読み、他人の意見や批評に注意を払わず、聞き流すこと。という意味があります。
馬耳東風の意味を辞書で調べると、このように解説されております。
【馬耳東風の意味】
goo辞書より引用
- 他人の意見や批評に注意を払わず、聞き流すことのたとえ。
もとは春風が馬の耳に吹く意。人が心地よいと感じる春風が吹いても、馬は何も感じないように見えることからいう。
「東風」は東から吹く風。春風のこと。「東風、馬耳を射る」の略。
「馬耳東風」の意味
馬耳東風(ばじとうふう)は、相手の意見や忠告をまったく気にせず、聞き流してしまうことを意味する四字熟語です。もともとは馬の耳に風が吹いても、何も感じないように、人の話を全く心に留めない様子を表しています。誰かが一生懸命に話しても、その話が全然伝わらないときに使われます。
「馬耳東風」の意味の概要
この言葉は、注意や助言が全く効果を持たず、相手が無関心であることを強調する際に使います。例として、教師が生徒に何度も同じ注意をしても、まるでその言葉が聞こえなかったかのように無視されるときなどに「馬耳東風」と表現されます。身近な場面でもよく使われる言葉です。
「馬耳東風」ってどんなことを意味するの?もう少し詳しく教えて!
馬耳東風とは、人の意見や忠告などを聞いているふりをしながら、実際にはまったく気に留めず、聞き流していることを意味する四字熟語です。まるで馬が耳に風が吹いても気にしないように、人の言葉も何一つ心に響いていない様子を表しています。
「馬耳東風」の語源や由来
馬耳東風の語源や由来は以下のとおりです。
【馬耳東風の語源や由来】
Domaniより引用
- 「馬耳東風」とは故事成語です。「馬耳東風」の語源・由来は、中国唐の詩人である李白の「答王十二寒夜独有懐」のなかにある詩でした。
- 「馬耳東風」の由来となったのは、「世人此れを聞き皆頭を掉う。東風の馬耳を射るが如きあり」という詩の一文だといわれています。この文章は、「世の人々は詩や賦(ふ:詩の一種)を聞いても、良さが理解できずに頭を振って聞き入れない。まさに馬の耳をなでて吹く春風になにも感じないようなものだ」という意味です。
- 「馬耳東風」でいう東の風とは、あたたかい春風のことを指します。人間は春風を感じると冬が終わったことに喜びますが、馬の耳を春風がなでたとしてもなにも反応しないというたとえなのです。
「馬耳東風」の語源や由来
馬耳東風(ばじとうふう)は、中国の唐の時代に生まれた故事成語です。この言葉の語源は、唐の詩人・李白(りはく)が書いた「答王十二寒夜独有懐(おうじゅうにのかんやにこたえてひとりゆうかいをたもつ)」という詩の一節に由来しています。
詩の中には「世の人々は詩や歌を聞いても、その価値を理解せず、ただ頭を振るだけ。まるで東風(春風)が馬の耳を通り抜けても、馬が何も感じないようなものだ」という意味の表現があります。この「東風」は、春の暖かい風を指し、私たち人間にとっては心地よく感じられるものですが、馬にとっては何の影響もなく、気にも留めないというたとえです。
このことから「馬耳東風」は、どんなに良い話や忠告をしても、相手がそれをまったく気にせず、聞き流してしまう様子を表す言葉として使われるようになりました。日常でも、人の話を聞かずに無視するような場面でこの表現が使われます。
「馬耳東風」の使い方を例文でわかりやすく解説
それでは、「馬耳東風」の正しい使い方を具体的にイメージできるようわかりやすい例文をご紹介します。
馬耳東風ってどういう場面で使ったりするの?
「馬耳東風」は、主に忠告や助言が無視されたり、相手がまったく耳を傾けていないと感じる状況で使われます。例えば、友人にアドバイスをしても全然聞いてくれなかったり、上司の指示を部下が聞き流している場合などに、この言葉を使うと状況を的確に表現することができます。
「馬耳東風」という言葉は、主に以下の様な場面で使われます。
- 何度注意しても相手が全く聞き入れないとき。
- 重要なアドバイスを無視されるとき。
- 友人や家族に真剣に話しても、反応が薄いとき。
- 職場で上司や同僚の指示が無視されているとき。
- イベントや活動での提案が他の人に興味を持たれないと感じるとき。
「馬耳東風」を使う際に気をつけるポイントは次の3つです。
- 相手に対して少し皮肉なニュアンスが含まれることがあるので、慎重に使う必要があります。
- 自分が真剣に話をしているのに無視されたときの気持ちを強調する際に適していますが、冗談や軽い話ではあまり使いません。
- 「馬耳東風」は他人に対して使う言葉なので、自分に対してはあまり使いません。
馬耳東風の例文①
この例文では、部活の顧問の先生が生徒に何度も注意をしているのに、生徒が全く反応を示さない場面を表現しています。
顧問の先生が何度も遅刻はしないようにと言っているのに、彼らにとってはまるで馬耳東風だ。
顧問の先生も大変ね。
この例文では、顧問の先生が何度忠告しても、生徒に無視されている状況を「馬耳東風」で表現しています。
馬耳東風の例文②
この例文では、友達にアドバイスをしても、友達が全然耳を傾けない場面を表現しています。
彼に何度もその計画は危険だと言ったのに、全く気にしない。まさに馬耳東風だ。
痛い目にあわないとわからいわね。
この例文では、友達がアドバイスを無視して自分の考えを続ける様子を「馬耳東風」で表現しています。
馬耳東風の例文③
この例文では、上司の指示が何度も無視され、従業員が自分勝手に行動している場面を表現しています。
部長がプロジェクトの進め方について指示を出しても、チームは馬耳東風で自分たちのやり方を続けている。
チームが指示を聞かず暴走してるみたいね。
この例文では、上司の指示が無視され、チームが好き勝手に行動している状況を「馬耳東風」で表現しています。
「馬耳東風」の言い換え表現を例文を使ってわかりやすく解説
「馬耳東風」の言い換えとして使える表現はいくつかあります。ここでは、日常生活でよく使われる2つの言い換え表現を紹介します。
【馬耳東風の言い換え表現】
・聞き流す
・無視する
「聞き流す」の例文
「聞き流す」とは、相手の話をあまり真剣に聞かず、軽く受け流すことを意味します。これは、相手の話を完全に無視するわけではありませんが、心に留めずにただ聞くだけの状況を表します。「馬耳東風」と似た意味で、相手の話を重要視せずに聞き流してしまうときに使われます。
彼はいつも人の意見を聞き流すので、真面目なアドバイスをしてもあまり効果がない。
自分の考えを変える気がないのかもね。
この例文では、誰かに真剣なアドバイスをしても、相手がその意見を重要視せずに聞き流している状況を表しています。「馬耳東風」とほぼ同じ意味ですが、「聞き流す」は少し軽いニュアンスがあり、日常的に使いやすい表現です。
「無視する」の例文
「無視する」とは、相手の話や存在を全く意識せず、まるでそこにいないかのように扱うことを意味します。「馬耳東風」に比べると、さらに強い意味合いを持ち、相手に対する完全な無関心や拒絶を表現します。
彼は僕が何を言っても無視して、自分のやりたいようにしか動かない。
自分のことしか考えられないのね。
この例文では、相手が何を言われても全く反応せず、自己中心的に行動している様子を「無視する」で表現しています。「馬耳東風」よりも、相手に対して強い無関心や否定的な態度を強調する際に使われる言葉です。
「馬耳東風」の類義語
「馬耳東風」の類義語を辞書で調べると以下の通りです。
【馬耳東風の類義語】
goo辞書より引用
- 呼牛呼馬(ごぎゅうこば):相手の言うことをそのまま受け入れて逆らわないことのたとえ。他人からほめられようがけなされようが、いっさい取り合わないことのたとえ。相手が自分を牛と呼べば牛だと思い、馬と呼べば馬だと思うという意から。
- 対牛弾琴(たいぎゅうだんきん):牛に対して琴を弾いて聞かせる意から、何の効果もなく無駄なこと。愚かな人に深遠な道理を説いて聞かせること。せっかくの好意や努力が無駄に終わること。
「呼牛呼馬」の例文
呼牛呼馬(こぎゅうこば)は、相手から何を言われても逆らわずに受け入れる様子を表す四字熟語です。相手が自分を「牛」と呼べば牛として受け入れ、「馬」と呼べば馬だと思う、つまり他人からの評価や批判に対して反論せず、一切取り合わないことのたとえです。「馬耳東風」とは少し異なり、反応がないというよりも、意図的に無関心を装っている態度を指します。
彼は上司に何を言われても呼牛呼馬のように静かに受け入れ、反論することはない。
自分の考えはあるのかしらね。
この例文では、上司からの指摘や評価に対して、相手が反論せずにただ受け入れている様子を「呼牛呼馬」で表現しています。「馬耳東風」とは違い、相手が意図的に反応を見せない姿勢を強調しています。
「対牛弾琴」の例文
対牛弾琴(たいぎゅうだんきん)は、牛の前で琴を弾いても、その音楽の美しさが牛に伝わらないという意味で、相手が話の内容や価値を理解できないことを表す四字熟語です。誰かに重要な話や専門的な内容を伝えても、その人が全く理解できない、もしくは受け入れない場合に使われます。
彼にこの専門書の内容を説明しても、まるで対牛弾琴で、全く意味が伝わらなかった。
彼はそんな難しいことに興味ないのよ。
この例文では、相手に難しい話をしても、その内容が全く理解されず、無駄に終わってしまった状況を「対牛弾琴」で表現しています。「馬耳東風」と同様、相手に話が伝わらない状況ですが、「対牛弾琴」は特に話の質や内容が高度で、それが理解されないことを強調しています。
「馬耳東風」の対義語
「馬耳東風」の明確な対義語はありませんが、反対の意味を持つ言葉がいくつかあります。ここでは、「洗耳恭聴(せんじきょうちょう)」と「虚心坦懐(きょしんたんかい)」という言葉を紹介し、それぞれの意味や使われる場面について解説します。
「洗耳恭聴」の例文
洗耳恭聴(せんじきょうちょう)とは、耳を洗うように心を清らかにし、相手の話を丁寧に聞くことを意味します。相手の言葉に対して、敬意を持ってしっかり耳を傾ける姿勢を表す四字熟語で、「馬耳東風」のように聞き流すのではなく、真剣に話を受け止めることを強調しています。
先輩のアドバイスは、いつも大切なので洗耳恭聴の姿勢で聞くように心がけている。
そうね、しっかり聞くことが大切ね。
この例文では、先輩のアドバイスを敬意を持ってしっかり聞き取ろうとする姿勢を「洗耳恭聴」で表現しています。相手の話を重視し、丁寧に耳を傾ける態度が強調されています。「馬耳東風」とは逆に、相手の話を真剣に聞く姿勢が表されています。
「虚心坦懐」の例文
虚心坦懐(きょしんたんかい)とは、心を開いて素直に受け入れることを意味する四字熟語です。偏見や先入観を持たずに、相手の意見や話に耳を傾け、冷静に受け止める姿勢を表します。「馬耳東風」のように無視するのではなく、相手の話をありのままに受け入れようとする態度を表現しています。
彼はいつも虚心坦懐の気持ちで、周りの意見を受け入れているので、信頼されている。
彼はとても素直な人よね。
この例文では、相手の意見やアドバイスを偏見なく受け入れる様子を「虚心坦懐」で表現しています。「馬耳東風」とは異なり、相手の話を真摯に受け入れようとする積極的な態度が描かれています。
「馬耳東風」の反対の意味を持つ言葉として、「洗耳恭聴」と「虚心坦懐」を紹介しました。どちらも、相手の話を真剣に聞き入れる姿勢を表す言葉です。「洗耳恭聴」は特に丁寧に耳を傾けることを意味し、「虚心坦懐」は偏りなく素直に話を受け入れることを指します。これらの言葉を使い分けることで、話を聞く際の態度や姿勢をより具体的に表現することができます。
「馬耳東風」の英語表現
「馬耳東風」を表す英語表現はいくつかあります。ここでは、日常的によく使われる2つの表現、「in one ear and out the other」と「talking to a wall」を紹介し、それぞれの意味と使い方について解説します。
【馬耳東風の英語】
DMM英会話より引用
- in one ear and out the other:片方の耳から入って、もう片方の耳から出る。
- talking to a wall :壁に向かって話しかける。
「in one ear and out the other」の例文
「in one ear and out the other」は「片方の耳から入って、もう片方の耳から出ていく」という意味で、相手の話を聞いても、すぐに忘れてしまうか、全く心に留めないことを表します。「馬耳東風」と同じく、相手が話を聞いていない状況を意味します。
「馬耳東風」を英語で表現した例文を教えて!
"I told him to clean his room several times, but it just went in one ear and out the other."のように表現することができます。
日本語訳::彼に何度も部屋を片付けるよう言ったけど、全然聞いていなくて、右から左へ抜けてしまった。
この例文では、何度も注意しても全く聞き入れない様子が描かれています。「in one ear and out the other」は、「馬耳東風」と同様に、相手が全然話を聞いていない、または理解していないことを強調する表現です。
「talking to a wall 」の例文
「talking to a wall」は「壁に話しているようだ」という意味で、相手が全く反応を示さず、まるで壁に向かって話しているように感じる状況を表します。これも「馬耳東風」と似ており、相手が全く話を聞かない、反応しない場合に使われます。
「馬耳東風」を英語で表現した例文をもう一つ教えて!
"Trying to get him to follow instructions is like talking to a wall."のように表現することができます。
日本語訳:彼に指示を守らせようとするのは、まるで壁に向かって話しているようなものだ。
この例文では、相手が指示に全く反応せず、無視している状況を表現しています。「talking to a wall」は、「馬耳東風」と同じく、相手が話を全く聞かない、もしくは全然反応を示さないことを強調する表現です。
「馬耳東風」を表す英語表現として、「in one ear and out the other」と「talking to a wall」を紹介しました。どちらも相手が話を聞かない状況を表しますが、「in one ear and out the other」は聞いた内容をすぐに忘れる様子を、「talking to a wall」は相手がまったく反応しない状況を強調しています。これらの表現を使い分けることで、英語でも「馬耳東風」に近い意味を伝えることができます。
コメント