「鶏口牛後」とは、「大きな集団や組織の末端にいるより、小さくてもよいから長となって重んじられるほうがよいということ。」という意味があります。
しかし、鶏口牛後の意味がわかったところで、その正しい使い方やシチュエーションを理解しておかないと、間違った解釈をしたまま恥ずかしい思いをするかもしれません。
そうならないように、この記事で鶏口牛後の意味に加えて、正しい使い方を例文も交えてわかりやすく解説しておりますので、最後まで読んでこれから活用できるようにしてくださいね!
鶏口牛後というよう言葉のように、いつか自分の会社を立ち上げてみたいんだ!
大企業よりも力を発揮できるかもね。
「鶏口牛後」の意味とは?わかりやすく解説
「鶏口牛後」とは、けいこうぎゅうごと読み、大きな集団や組織の末端にいるより、小さくてもよいから長となって重んじられるほうがよいということ。という意味があります。
鶏口牛後の意味を辞書で調べると、このように解説されております。
【鶏口牛後の意味】
goo辞書より引用
- 大きな集団や組織の末端にいるより、小さくてもよいから長となって重んじられるほうがよいということ。
▽「寧(むし)ろ鶏口と為(な)るも、牛後と為(な)る無(な)かれ」の略。「鶏口」は鶏の口(くちばし)。弱小なものの首長のたとえ。
「牛後」は牛の尻。強大なものに隷属する者のたとえ。
「鶏口牛後」の意味
「鶏口牛後(けいこうぎゅうご)」は、「大きな集団で目立たない存在になるより、小さな集団でリーダーになった方が良い」という意味を持つ四字熟語です。直訳すると、「牛のしっぽになるよりも、鶏の頭になる方が良い」という意味になります。つまり、大きなグループの中で下の立場に甘んじるよりも、小さなグループであっても自分がリーダーシップを発揮する方が価値がある、という考えを表しています。
「鶏口牛後」の意味の概要
「鶏口牛後」という言葉は、自分がどのような立場にいるかを選ぶ際に使われることが多いです。特に、大企業の末端の一員になるよりも、小さな会社のリーダーになることを選ぶという状況や、自分の力を活かせる場所を求めて、あえて規模の小さい環境に身を置く場合に使われます。この四字熟語は、規模に関わらず自分の存在感を大切にするという価値観を強調しています。
「鶏口牛後」ってどんなことを意味するの?もう少し詳しく教えて!
鶏口牛後とは、たとえ小さな組織であってもリーダーになる方が、大きな組織の末端にいるよりも良いという考え方です。
「鶏口牛後」の語源や由来
鶏口牛後の語源や由来は以下のとおりです。
【鶏口牛後の語源や由来】
goo辞書より引用
- 中国戦国時代、遊説家の蘇秦(そしん)が韓王(かんおう)に、小国とはいえ一国の王として権威を保つのがよく、強大国の秦(しん)に屈して臣下に成り下がってはならないと説いて、韓・魏(ぎ)趙(ちょう)燕(えん)斉(せい)楚(そ)の六国が合従(がっしょう)するのを勧めた故事から。
「鶏口牛後」の語源や由来
「鶏口牛後」という言葉の由来は、中国の古代の歴史書『戦国策(せんごくさく)』にあります。この言葉は、戦国時代の中国で、小さな国が大国に従属するよりも独立を保つ方が良いと考えた故事に基づいています。当時、諸国は互いに戦い合い、大国に飲み込まれないように必死に独立を守ろうとしていました。その中で、小さな国でも自らの意志で行動する方が誇り高く、自分たちの価値を発揮できるという考え方が生まれました。
この故事は、斉(せい)という国と燕(えん)という国の間で交わされたやりとりがきっかけです。斉の宰相である蘇秦(そしん)は、燕の国王に対して「牛の後ろ(しっぽ)になるよりも、鶏の頭になった方が良い」というアドバイスをしました。この言葉が人々に広まり、「鶏口牛後」という表現として定着しました。このように、「鶏口牛後」は、小さくても自分の意志で動けることの大切さを強調する言葉として使われるようになったのです。
「鶏口牛後」の使い方を例文でわかりやすく解説
それでは、「鶏口牛後」の正しい使い方を具体的にイメージできるようわかりやすい例文をご紹介します。
鶏口牛後ってどういう場面で使ったりするの?
「鶏口牛後」は、進学や就職などの重要な選択肢を考える際や、チーム内で自分の役割を決めるときに使われることが多いです。例えば、大きな学校や会社でただの一員として埋もれてしまうより、小さなコミュニティやチームでリーダーシップを発揮したいと考える人が、この言葉を使います。また、自己成長や自分の力を最大限に発揮するために、より自分が活躍できる場を選びたいというときにも適しています。
「鶏口牛後」は以下のような場面で使われます。
- 仕事を選ぶとき: 大企業の歯車になるより、小さな会社で自分の力を試したいと思ったとき。
- 部活動やクラブ活動: 大きなクラブのメンバーになるより、小さなクラブでリーダーになってみたいと思ったとき。
- プロジェクトに参加するとき: 大規模なプロジェクトの一員になるより、小さなチームで主体的に動きたいと思ったとき。
- 起業を考えるとき: 安定した会社に勤めるより、自分で事業を立ち上げたいと思ったとき。
- 目標を設定するとき: 大きな目標を達成するより、小さな目標を一つずつクリアしていくことを目指したいと思ったとき。
「鶏口牛後」を使う時は、以下の点に注意しましょう。
- 状況に合わせて使い分ける: 常に「鶏口牛後」が正しいとは限りません。状況に合わせて、どちらが自分にとって良いのかを判断することが大切です。
- 言葉の意味を正しく理解する: 「鶏口牛後」は、必ずしも「大きな組織はダメ」という意味ではありません。小さな組織でリーダーになることのメリットを強調した言葉です。
- 周りの人に伝える場合: 相手に誤解を与えないように、言葉の意味を丁寧に説明することが大切です。
鶏口牛後の例文①
この例文では、進路を選ぶ際に「鶏口牛後」を使っています。自分の能力を発揮できる環境を重視していることがポイントです。
大企業で安定した生活を送るのもいいけれど、やっぱりベンチャーで働きたいな。鶏口牛後という言葉があるように、大きな組織の末端にいるよりも、小さな組織で自分の力を試したいんだ。
小さな組織で自分の力を試してみるのもいいかもね。
大企業で働くことよりも、ベンチャー企業で自分のアイデアを形にしたいという状況です。「鶏口牛後」という言葉を使って、自分の気持ちを表現しています。
鶏口牛後の例文②
この例文では、部活動での役割について「鶏口牛後」を使っています。大人数の部活で埋もれるよりも、小さなチームで活躍したいという気持ちを表しています。
大きな部活動に参加するよりも、少人数のチームで鶏口牛後としてリーダーシップを発揮したいと思った。
少人数のチームでは、一人ひとりの役割が重視されるわね。
この例文は、大きな集団の中で自分が目立たない存在になるよりも、小さな集団で中心的な役割を担うことの方が自分にとって価値があると考える場面を示しています。
鶏口牛後の例文③
この例文では、友人との会話の中で「鶏口牛後」を使っています。自分の意志で小さな環境を選ぶ理由を説明しています。
友人に、大企業ではなく小さな会社を選んだ理由を聞かれたとき、僕は『鶏口牛後の方が自分の力を試せるからだ』と答えたんだ。
自分の信じた道を進むのが一番よ。
この例文は、自分が活躍できる環境を選びたいという気持ちを、友人に対して「鶏口牛後」という言葉で説明している場面を表しています。
「鶏口牛後」の言い換え表現を例文を使ってわかりやすく解説
「鶏口牛後」は、以下のような日常使う簡単な言葉に言い換えて表現することができます。
【鶏口牛後の言い換え表現】
・自分が目立てる場所
・自分の力を発揮できる場
「自分が目立てる場所」の例文
「鶏口牛後」を日常的な言葉に言い換えると、「自分が目立てる場所」という表現が当てはまります。大きな集団の中で埋もれるよりも、自分が輝ける環境を選ぶという意味です。
この例文では、「鶏口牛後」を「自分が目立てる場所」と言い換えています。自分の存在感を発揮したいという気持ちを強調しています。
大企業で目立たずに働くよりも、自分が目立てる場所で成長したいと考えて、小さな会社に転職を決めた。
そうね、大企業の中で目立つようになるには時間がかかるものね。
「自分が目立てる場所」という表現は、自分が埋もれずに活躍できる環境を選びたいという意思をわかりやすく表しています。
「自分の力を発揮できる場」の例文
「自分の力を発揮できる場」も「鶏口牛後」の言い換えとして使えます。自分が力を発揮しやすい、リーダーシップをとりやすい小さな環境を選ぶというニュアンスです。
この例文では、「鶏口牛後」を「自分の力を発揮できる場」と言い換えています。自分の能力を最大限に活かすことができる環境を選ぶという意図を表しています。
規模の大きな会社ではなく、自分の力を発揮できる場を求めて、小さなスタートアップに加わることを決めた。
自分の力を発揮できるように頑張ってね。
「自分の力を発揮できる場」という表現は、自分がリーダーシップを発揮しやすい場所を選ぶことの重要性を伝えています。
「鶏口牛後」の類義語
「鶏口牛後」の類義語を辞書で調べると以下の通りです。
【鶏口牛後の類義語】
Domaniより引用
- 芋頭でも頭は頭(いもがしらでもかしらはかしら):どんなに小さな集団の長でも、長にかわりはないということ。「芋頭」は里芋の球茎、親芋。
- 鯛の尾より鰯の頭(たいのおよりいわしのあたま):大きな集団の最後についているよりも、たとえ小さな集団でもその先頭に立つほうがいいというたとえ。
「芋頭でも頭は頭」の例文
芋頭でも頭は頭(いもがしらでもかしらはかしら)とは、見た目が良くなくても、その人が持つ役割や立場が重要だという意味です。つまり、大きな組織の末端にいるよりも、小さな組織のリーダーになった方が良いという「鶏口牛後」と同じような意味合いを持ちます。
この例文では、「芋頭でも頭は頭」を使って、小さな集団でリーダーになることの価値を伝えています。
大きな組織の一員になるよりも、芋頭でも頭は頭と考えて、小さなグループのリーダーになることを決めた。
組織のリーダーとしてがんばってね。
この例文は、「芋頭でも頭は頭」ということわざを使い、たとえ規模が小さくても、自分がリーダーシップを取ることが大切であるという考え方を示しています。「鶏口牛後」と同様に、自分の存在感を発揮できる環境を選ぶことの重要性を強調しています。
「鯛の尾より鰯の頭」の例文
鯛の尾より鰯の頭(たいのおよりいわしのあたま)とは、高級な鯛の尾よりも、イワシの頭の方が価値があるという意味です。つまり、大きな組織の末端にいるよりも、小さな組織のリーダーになった方が良いという「鶏口牛後」と同じような意味合いを持ちます。
この例文では、「鯛の尾より鰯の頭」を使って、自分がリーダーシップを発揮できる立場を選ぶことの価値を伝えています。
大企業で目立たない存在でいるよりも、鯛の尾より鰯の頭と考えて、小さな会社で自分の力を試したいと思った。
小さな会社でも自分の力を発揮できれば最高よ!
この例文は、「鯛の尾より鰯の頭」ということわざを使い、大きな組織で目立たない存在になるよりも、小さな集団でリーダーシップを発揮することの方が自分にとって価値があるという考えを表しています。「鶏口牛後」と同じように、自分が力を発揮できる環境を重視する姿勢を示しています。
「鶏口牛後」の対義語
「鶏口牛後」の対義語を辞書で調べると以下の通りです。
【鶏口牛後の対義語】
Domaniより引用
- 寄らば大樹の陰(よらばたいじゅのかげ):身を寄せるならば、大木の下が安全である。同じ頼るならば、勢力のある人のほうがよいというたとえ。
- 箸と主とは太いがよい(はしとしゅうとはふといがよい):箸は太くて丈夫なものがよいし、人に仕えるなら、頼りになる主人がよいというたとえ。
「寄らば大樹の陰」の例文
寄らば大樹の陰(よらばたいじゅのかげ)とは、大きな木があるなら、その木陰に寄るのが良い、つまり、大きな組織や力のある人のところに身を寄せるのが得策だという考え方です。これは、「鶏口牛後」の「小さな組織のリーダーになる方が良い」という考え方とは対照的なものです。
この例文では、「寄らば大樹の陰」を使って、大きな組織に属することの安心感を伝えています。
新しい道を切り開くよりも、寄らば大樹の陰と考えて、大企業で安定した仕事に就くことを選んだ。
大きな企業だったら安定しているものね。
この例文は、「寄らば大樹の陰」ということわざを使い、リスクを避けて大きな組織に頼ることで安心感を得たいという考えを示しています。「鶏口牛後」とは反対に、自分のリーダーシップを発揮するよりも、安全で安定した環境を選ぶ姿勢を強調しています。
「箸と主とは太いがよい」の例文
箸と主とは太いがよい(はしとしゅうとはふといがよい)ということわざは、支えてくれるもの(主)や道具(箸)は大きくてしっかりした方が良いという意味を持っています。つまり、自分一人で小さな集団をまとめるよりも、しっかりとしたサポートのある大きな環境で働く方が良いという考えです。
この例文では、「箸と主とは太いがよい」を使って、しっかりとしたサポートのある環境で働くことの価値を伝えています。
小さなチームでリーダーを務めるよりも、箸と主とは太いがよいと考えて、設備の整った大企業で働くことにした。
しっかりとしたサポートがあれば安心だものね。
この例文は、「箸と主とは太いがよい」ということわざを使い、大きな組織やサポートのある環境に身を置くことで、自分がより良い結果を得られると考える場面を示しています。「鶏口牛後」とは異なり、自分でリーダーになるよりも、他のサポートを活かすことを重視する考えを表しています。
「鶏口牛後」の英語表現
「鶏口牛後」の英語表現を辞書で調べると以下の通りです。
【鶏口牛後の英語】
weblio辞書より引用
- better be the head of a dog than the tail of a lion.:直訳すると「ライオンの尻尾となるよりは、犬の頭となった方がよい。」という意味。集団の末端となるよりは、小さな集団の長となる方が良いということを表しています。
- better be the head of an ass than the tail of a dragon.:「龍の尻尾でいるよりはロバの頭になる方がよい。」集団の末端となるよりは、小さな集団の長となる方が良いということを表しています。
「better be the head of a dog than the tail of a lion.」の例文
「better be the head of a dog than the tail of a lion.」とういう英語表現は、「大きな集団で下の立場にいるよりも、小さな集団でリーダーになる方が良い」という「鶏口牛後」の考え方に相当します。犬の頭であってもライオンの尾よりはましだ、という意味で、小さくても自分の力を発揮できる立場を選ぶことの価値を表しています。
「鶏口牛後」を英語で表現した例文を教えて!
この例文では、「better be the head of a dog than the tail of a lion」を使って、リーダーシップを発揮したい気持ちを伝えています。
"I chose to join a smaller startup instead of a big corporation because I believe it's better to be the head of a dog than the tail of a lion."のように表現することができます。
日本語訳:私は、大企業ではなく小さなスタートアップに参加することを選びました。なぜなら、犬の頭でいる方がライオンの尾でいるより良いと信じているからです。
この例文は、自分がリーダーシップを発揮できる場所を選ぶために、小さな環境を選んだことを説明しています。「鶏口牛後」の精神を英語で表現したものです。
「better be the head of an ass than the tail of a dragon.」の例文
「better be the head of an ass than the tail of a dragon.」という英語表現は、「鶏口牛後」と同じように、大きな集団で影に隠れるよりも、小さな集団でリーダーシップを発揮する方が良いという考え方を示しています。たとえロバであっても、ドラゴンの尾になるよりは頭になる方が良いということを表しています。
「鶏口牛後」を英語で表現した例文をもう一つ教えて!
この例文では、「better be the head of an ass than the tail of a dragon」を使って、自分が影に隠れずに力を発揮できる環境を選びたいという気持ちを表現しています。
"He decided to lead a small community project rather than being a minor part of a large organization because he thinks it's better to be the head of an ass than the tail of a dragon."のように表現することができます。
日本語訳:彼は、大きな組織の一員であるよりも、小さな地域プロジェクトのリーダーになることを選びました。なぜなら、ロバの頭でいる方がドラゴンの尾でいるより良いと考えているからです。
この例文では、たとえ規模が小さくても、自分の力を発揮できる環境を選ぶことが大切だという考えを表しています。「鶏口牛後」の精神を英語で伝える際に使える表現です。
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