「厚顔無恥」とは、「他人の迷惑などかまわずに、自分の都合や思惑だけで行動する」という意味があります。
しかし、厚顔無恥の意味がわかったところで、その正しい使い方やシチュエーションを理解しておかないと、間違った解釈をしたまま恥ずかしい思いをするかもしれません。
そうならないように、この記事で厚顔無恥の意味に加えて、正しい使い方を例文も交えてわかりやすく解説しておりますので、最後まで読んでこれから活用できるようにしてくださいね!
電車の中で大声でスマホで話してる人って迷惑だよね。
そういうのを厚顔無恥な人というのよ。
「厚顔無恥」の意味とは?わかりやすく解説
「厚顔無恥」とは、こうがんむちと読み、他人の迷惑などかまわずに、自分の都合や思惑だけで行動すること。という意味があります。
厚顔無恥の意味を辞書で調べると、このように解説されております。
【厚顔無恥の意味】
goo辞書より引用
- 厚かましく、恥知らずなさま。他人の迷惑などかまわずに、自分の都合や思惑だけで行動すること。
「厚顔」は厚かましいこと。ずうずうしいさま。面の皮が厚いこと。
無恥厚顔(むちこうがん)ともいう。
「厚顔無知」と書かないように気をつけましょう!
「厚顔無恥」の意味
厚顔無恥(こうがんむち)とは、顔の皮が厚く(つまり恥知らずで)、恥じることがない人を指す言葉です。要するに、自分の行動や言動に対して恥ずかしいと感じることがなく、図々しい態度をとることを意味します。この言葉は、特に他人の迷惑を顧みずに自分勝手に行動する人を批判する際に使われます。
「厚顔無恥」の意味の概要
「厚顔無恥」は、漢字の一つ一つがその意味を表しています。「厚顔」は、顔の皮が厚いことを表し、「無恥」は恥じる心がないことを示しています。この二つの言葉が合わさることで、恥を知らず、図々しい様子を的確に表現しています。一般的に、この言葉は批判的なニュアンスを含み、道徳的に問題があるとされる行動や態度に対して使われます。
「厚顔無恥」ってどんなことを意味するの?もう少し詳しく教えて!
厚顔無恥とは、ずうずうしくて恥を知らないことを意味します。もう少し詳しく説明すると、他人の迷惑を考えずに、自分のことばかり優先する行為、常識はずれの行動を平気でしてしまうこと、恥ずかしいことをしても少しも気にしないことなどを指します。
「厚顔無恥」の語源や由来
厚顔無恥の語源や由来は以下のとおりです。
【厚顔無恥の語源や由来】
@DIMEより引用
- 厚顔無恥(こうがんむち)とは、恥知らずで他人への迷惑を考えずに、自分の都合や意思だけで行動する厚かましい様子を指す。
「厚顔」は図々しく面の皮が厚いこと、「無恥」は恥を恥と思わないことを意味する。厚顔無恥は、似た意味を持つ熟語を二つ重ねることで、恥知らずで厚かましいことの意味合いを強めている。- 厚顔無恥の由来は、中国の古典「書経」または中国最古の詩集『詩経』だと言われている。書経『五子之歌(ごしのうた)』には、「鬱陶乎予心、顔厚有忸怩(悲しみにふさがれた私の心よ。 面の皮の厚い私も恥かしく思う)」、詩経には「巧言如簧、顔之厚矣(巧みな言葉で外面を取り繕い、内面の恥を隠す)」と書かれている。
これらの中に用いられている言葉から、「厚顔」といった表現が使われ始めたとされている。
厚顔無恥」の語源や由来
「厚顔無恥」という言葉の由来は、中国の古典である『書経』や中国最古の詩集『詩経』にあるとされています。これらの古典には、「厚顔」という表現が登場し、恥を知らない厚かましい態度を批判する言葉として使われていました。
『書経』の中の「五子之歌(ごしのうた)」には、「鬱陶乎予心、顔厚有忸怩(悲しみにふさがれた私の心よ。 面の皮の厚い私も恥かしく思う)」という一節があり、ここで「厚顔」という表現が使われています。この文では、恥知らずであることを嘆く気持ちが表現されています。
また、『詩経』には「巧言如簧、顔之厚矣(巧みな言葉で外面を取り繕い、内面の恥を隠す)」という一節があり、ここでも「厚顔」という表現が使われています。これは、表面ではうまく取り繕っていても、内心では恥を感じない人を批判する言葉です。
これらの古典に見られる言葉が元となり、「厚顔無恥」という表現が生まれました。この言葉は、恥を感じるべき場面でもまったく恥じることなく、図々しい態度をとる人を指す言葉として、長い歴史を持っています。
「厚顔無恥」の使い方を例文でわかりやすく解説
それでは、「厚顔無恥」の正しい使い方を具体的にイメージできるようわかりやすい例文をご紹介します。
厚顔無恥ってどういう場面で使ったりするの?
他人を気にせずに自分の利益だけを追求する人に対してよく使われます。
「厚顔無恥」という言葉は、次のような場面で使われることが多いです。
- 自己中心的な行動をとる人を批判するとき: 他人の迷惑を考えずに、自分勝手に行動する人を非難するときに使われます。
- 誠実さを欠く態度を指摘するとき: 嘘をついたり、人をだましたりしても平気な態度を指すときに使います。
- 恥を感じない図々しい行動を表現するとき: 公共の場でマナーを守らず、厚かましい行動をする人を批判する際に使います。
- 過ちを認めず開き直る態度を批判するとき: 自分の過ちを指摘されても、反省せずに逆に開き直る人に対して使います。
- 不正行為を行っても恥じない人を非難するとき: 例えば、仕事での不正や違法行為を行いながらも全く反省しない人を非難するときに使われます。
「厚顔無恥」という言葉を使う際には、以下の点に注意することが大切です。
- 強い批判を含む言葉であるため、使う相手や状況を慎重に選ぶ: 不必要に相手を傷つけないようにするためです。
- 場の空気を壊さないようにする: この言葉を使うことで、周囲の雰囲気が悪くならないよう配慮することが重要です。
- 自分の立場を確認する: 自分自身がその言葉に該当する行動をとっていないかを考えたうえで使うことが大切です。
厚顔無恥の例文①
この例文では、仕事の場面で、不正行為を行った同僚が反省もせずに開き直る姿勢を表現しています。
Fさんの行動が問題になっているけど、本人は平然としているね。
そうね。彼は顧客のデータを無断で使用し、それが発覚した後も全く反省することなく厚顔無恥な態度を続けているみたいね。
この例文では、「厚顔無恥」という言葉を使って、同僚が不正行為を行ったことを全く恥じずに平然としている様子を描写しています。
厚顔無恥の例文②
この例文では、公共の場でのマナーを守らずに大声で話す人の態度を批判しています。
あれ!コトハ何か嫌なことでもあった?
そうなのよ!電車の中で大声で電話をしている人がいて、周りの人が迷惑そうにしているのに、全く動じない厚顔無恥な態度には、本当に呆れてしまったわ。
この例文では、公共の場でのマナーを無視する行為を「厚顔無恥」と表現し、その行為に対する強い非難を示しています。
厚顔無恥の例文③
この例文では、自分の利益だけを追求し、他人の迷惑を考えない人を批判しています。
コトハ、Yさんのこと怒ってるの?
怒ってるわよ!彼女はチームのことを全く考えず、自分の成果だけをアピールする本当に厚顔無恥な人よね。
この例文では、チームの一員としての協力や配慮が欠けている態度を「厚顔無恥」として強く非難しています。
「厚顔無恥」の言い換え表現を例文を使ってわかりやすく解説
「厚顔無恥」という言葉は、他人を気にせず図々しい態度を表す強い表現ですが、日常的に使える言い換え表現もいくつかあります。ここでは、2つの言い換え表現を紹介し、その意味と使い方を解説します。
【厚顔無恥の言い換え表現】
・図々しい(ずうずうしい)
・恥知らず(はじしらず)
「図々しい」の例文
「図々しい」という言葉は、「厚顔無恥」の意味を簡単に表現したものです。「図々しい」とは、他人に遠慮せず、自分勝手な行動をとることや、恥ずかしいと感じずに振る舞う態度を指します。「厚顔無恥」に比べて、やや軽いニュアンスで使われることが多いですが、相手の行動を批判するときに非常に適した表現です。
この例文では、職場でのマナーやルールを無視して、自分だけが得をしようとする人に対する批判を表現しています。
Dさん、今回も会議資料を持って来なかったらしいね。
そうなのよ。彼は毎回会議の資料を準備しないで他の人の資料を使ってるのよ!図々しいにもほどがあるわ!
この例文では、「厚顔無恥」を「図々しい」に言い換えています。「図々しい」は、「厚顔無恥」よりも日常的に使われる言葉で、軽い意味合いですが、相手の行動が自分勝手で遠慮がないことを批判する際に使います。
「恥知らず」の例文
「恥知らず」という言葉は、「厚顔無恥」とほぼ同じ意味を持つ言い換え表現です。「恥知らず」とは、恥ずかしいと感じることがなく、良心の呵責もなく悪事を働く人を指します。この言葉もまた、相手の行動や態度を強く非難する際に使われますが、「厚顔無恥」よりもストレートで強い批判を含むことが多いです。
この例文では、社会的なルールを破っても全く恥じることなく行動する人に対する強い非難を表現しています。
Gさん、後輩の考えた案を自分のものとして発表したらしいね。
それは事実だったらしいわ。。他人の仕事を自分の成果として発表するなんて、本当に恥知らずな人よね。
この例文では、「厚顔無恥」を「恥知らず」に言い換えています。「恥知らず」は、「厚顔無恥」よりもさらに強い非難を込めて使われることが多いです。
「厚顔無恥」の類義語
「厚顔無恥」には、似た意味を持つ言葉がいくつかあります。ここでは、その類義語として以下の3つの言葉を紹介し、それぞれの意味と使い方を解説します。
【厚顔無恥の類義語】
Oggiより引用
- 傍若無人(ぼうじゃくぶじん):人前もはばからず、勝手きままに行動すること。人を人とも思わない振る舞いをすること。
- 勝手気儘(かってきまま):他人のことは気にせず、自分のしたいように行動すること。
- 得手勝手(えてかって):他人のことは考えずに自分に都合のよいように行動すること。わがまま放題にするさま。
「傍若無人」の例文
傍若無人は、「傍らに人なきがごとし」と書くことからわかるように、他人をまるで存在しないかのように無視して、わがままに振る舞う態度を指します。この言葉は、自分の行動が他人にどのような影響を与えるかを全く考えずに、好き勝手に振る舞う人を批判する際に使われます。
Hさん、会議中に何か問題起こしたの?
彼は会議中に突然スマートフォンを取り出して遊び始めるなど、傍若無人な態度をとって周りの人を驚かせたのよ。
この例文では、職場の会議中に全く場の空気を読まず、自分勝手な行動をとる人物の態度を批判しています。「傍若無人」は、他人を無視して勝手に行動する状況でよく使われ、「厚顔無恥」と同様に非常に強い批判を含む言葉です。
「勝手気儘」の例文
「勝手気儘」は、自分の思うままに行動し、他人やルールを無視する態度を指します。これは、自己中心的な行動や、自分の欲求を優先して他人の迷惑を無視した行動を表現する際に使われます。
Sさんのチームの人たち、みんな怒ってたね。
そうのよ。リーダーのBさんが、チームの方針を無視して、勝手気儘に自分だけのスケジュールで仕事を進めたのよ。
この例文では、チームワークを無視して自分の都合だけで行動する人を批判しています。「勝手気儘」は、日常的に使われる表現であり、「厚顔無恥」よりもやや軽いニュアンスですが、自己中心的な行動を指摘するのに適した言葉です。
「得手勝手」の例文
「得手勝手」は、自分の利益だけを考えて行動することや、他人の意見や感情を無視して自分勝手に振る舞う態度を意味します。この言葉は、特に他人を犠牲にして自分だけが得をしようとする行動を批判する際に使われます。
Kさんのチームはうまくいっていないみたいだね。
Kさんの得手勝手な行動が、チーム全体に悪影響を及ぼしているのよ。
この例文では、自分勝手な行動をとり、チーム全体に迷惑をかけている人物を批判しています。「得手勝手」は、「厚顔無恥」と似た意味合いを持ちますが、特に自分の利益を優先するために他人を犠牲にするような状況で使われることが多いです。
「厚顔無恥」の対義語
「厚顔無恥」とは反対の意味を持つ言葉があります。ここでは、以下に3つの対義語を取り上げ、それぞれの意味と使い方を解説します。
【厚顔無恥の対義語】
Oggiより引用より引用
- 遠慮会釈(えんりょえしゃく):人に対して控えめにしたり、他人の気持ちを思いやったりすること。
- 平身低頭(へいしんていとう):ひれふして頭を下げ、恐れ入ること。また、ひたすらわびること。
- 温厚篤実(おんこうとくじつ):穏やかで情が厚く、誠実なこと。
「遠慮会釈」の例文
「遠慮会釈」は、他人に対して慎み深く、礼儀正しい態度を取ることを意味します。「遠慮」は他人に迷惑をかけないようにする配慮を示し、「会釈」は軽くお辞儀をすることで相手に対する敬意を表します。この言葉は、相手を尊重し、自分の行動を慎んで控えめに振る舞うことを示しています。
Tさんは、みんなから好かれているね。
彼は常に遠慮会釈を忘れず、誰に対しても丁寧な態度を崩さない人だものね。
この例文では、他人に対して常に配慮し、礼儀正しい態度を取る人物を描写しています。「遠慮会釈」は、「厚顔無恥」とは対照的に、他人への敬意と慎み深さを強調する言葉です。
「平身低頭」の例文
「平身低頭」は、文字通り「身を低くし、頭を下げる」という意味で、謙虚でへりくだった態度を示します。この言葉は、自分の立場を低くし、相手に対して深く敬意を払うときに使われます。特に、謝罪やお願いをするときに使われることが多いです。
Nさん、今回はミスしてしまったけど、だれも文句を言わなかったね。
彼が自分のミスをすぐに認めて、平身低頭して謝罪したからよ。
この例文では、ミスを犯した人物が謙虚に謝罪する様子を描写しています。「平身低頭」は、「厚顔無恥」とは異なり、自己中心的な態度を取らず、他人に対してへりくだり、礼儀正しく接する態度を示す言葉です。
「温厚篤実」の例文
「温厚篤実」は、性格が穏やかで、誠実かつ真面目であることを表す言葉です。「温厚」は、穏やかで優しい性格を意味し、「篤実」は、真面目で誠実な態度を意味します。この言葉は、他人に対して親切で信頼できる人物を表す際に使われます。
Mさんって、いい人だね。
彼は温厚篤実な性格で、周囲からの信頼も厚いわね。
この例文では、穏やかで誠実な性格を持つ人物が、周囲から信頼されている様子を描写しています。「温厚篤実」は、「厚顔無恥」とは対照的に、他人に対して誠実で思いやりのある態度を取ることを示す言葉です。
「厚顔無恥」の英語表現
「厚顔無恥」の英語表現を辞書で調べると以下の通りです。
【厚顔無恥の英語】
weblio辞書より引用
- shameless:恥を知らない、ずうずうしい
- brazen and unscrupulous:ずうずうしくて、非道な
「shameless」の例文
「Shameless」は、日本語の「恥知らず」と同じように、恥ずかしいと感じることなく、自分勝手に振る舞う態度を表現する言葉です。この単語は、他人の迷惑を全く考えずに行動する人に対して使われることが多いです。
「厚顔無恥」を英語で表現した例文を教えて!
"He shamelessly took credit for someone else's work, showing no remorse at all."のように表現することができます。
日本語訳:彼は他人の仕事の成果を平然と自分のものとして発表し、全く反省の色を見せなかった。
この例文では、他人の仕事を自分の成果として発表する人物の行動を「shameless」と表現しています。日本語の「厚顔無恥」と同じ意味を持ち、相手が恥を感じるべき状況で全く気にせずに行動する様子を批判しています。
「brazen and unscrupulous」の例文
「Brazen and unscrupulous」は、「厚顔無恥」の意味をさらに強調した表現です。「Brazen」は「厚かましい」「ずうずうしい」という意味で、「unscrupulous」は「道徳に反する」「良心に欠けた」という意味があります。この組み合わせにより、非常に批判的なニュアンスが強い表現になります。
「厚顔無恥」を英語で表現した例文をもう一つ教えて!
"Her brazen and unscrupulous behavior in the negotiations shocked everyone in the room."のように表現することができます。
日本語訳:交渉中の彼女の厚かましくも無節操な態度は、部屋中の皆を驚かせた。
この例文では、交渉の場で非常に自己中心的で道徳に反する態度を取った人物の行動を「brazen and unscrupulous」と表現しています。日本語の「厚顔無恥」よりもさらに強い非難を込めて、相手の行動が非常識であることを伝えています。
コメント