「矛盾」とは、「事の前後が食い違うことのたとえ。つじつまの合わないことのたとえ。」という意味があります。
しかし、矛盾の意味がわかったところで、その正しい使い方やシチュエーションを理解しておかないと、間違った解釈をしたまま恥ずかしい思いをするかもしれません。
そうならないように、この記事で矛盾の意味に加えて、正しい使い方を例文も交えてわかりやすく解説しておりますので、最後まで読んでこれから活用できるようにしてくださいね!
いつも健康に気をつけていると言っているのに、毎日ジャンクフードばかり食べているなんて、自分でも矛盾していると思うよ。
それは、矛盾しているわね。
「矛盾」の意味とは?わかりやすく解説
「矛盾」とは、むじゅんと読み、事の前後が食い違うことのたとえ。つじつまの合わないことのたとえ。という意味があります。
矛盾の意味を辞書で調べると、このように解説されております。
【矛盾の意味】
コトバンクより引用
- ほことたて。転じて、つじつまの合わないこと。
事の前後が食い違うことのたとえ。つじつまの合わないことのたとえ。
「矛盾」の意味
「矛盾(むじゅん)」とは、2つのことが同時に存在すると、どちらか一方が成り立たなくなるような状態を指します。簡単に言うと、「言っていることや行動がつじつまが合わないこと」です。たとえば、「朝は行きたくないと言ったのに、昼には行きたいと言っている」ような場合に、「矛盾している」と表現します。
「矛盾」の意味の概要
「矛盾」という言葉は、日常生活だけでなく、議論や文章の中でもよく使われます。たとえば、自分の発言が前後で異なっていたり、論理的に考えて整合性が取れないときに「矛盾」と言われます。物事を正確に伝えたり理解したりする上で、「矛盾」に気づくことはとても大切です。
「矛盾」ってどんなことを意味するの?もう少し詳しく教えて!
「矛盾」とは、二つのことや考えが食い違って、どちらも同時に正しいとは言えない状態のことを指します。例えば、「私は甘いものが好きだけど、太るのが怖い」というように、相反する気持ちや考えを持つことが矛盾です。
「矛盾」の語源や由来
矛盾の語源や由来は以下のとおりです。
【矛盾の語源や由来】
Oggiより引用
- 「矛盾」は、中国の思想書『韓非子』の中にある故事が、語源だとされています。
昔、中国の楚(そ)の国で、矛(ほこ)と盾(たて)を売っている商人がいました。商人は、「この矛はとても鋭く、どんなに固いものでも突き通すことができる」と言いました。
次に盾を自慢して、「この盾はとても堅く、どんなものでも突き通すことはできない」と言ったとか。
すると、話を聞いていた客が、「それでは、あなたの矛で、あなたの盾を突いたらどうなるのか?」と聞くと、商人は何も答えることができなかった、というお話です。
この矛と盾のエピソードから、話のつじつまが合わないことを「矛盾」というようになったと言われています。
「矛盾」の語源や由来
矛盾(むじゅん)という言葉の語源は、中国の古い物語にあります。この物語は、『韓非子(かんぴし)』という古典に書かれており、「矛」と「盾」にまつわる話です。
昔、中国に1人の商人がいました。その商人は、自分が売っている「矛(ほこ)」と「盾(たて)」をお客さんに勧めていました。「この矛はどんな盾でも突き破ることができる」と言い、「この盾はどんな矛でも防ぐことができる」とも言いました。すると、お客さんが「では、この矛でその盾を突いたらどうなるのですか?」と尋ねました。商人は答えることができず、困ってしまいました。このように、2つの主張が同時に成り立たない状態を「矛盾」と呼ぶようになったのです。
この話は、「物事がつじつまが合わない状態」をわかりやすく表しています。そのため、現代でも「矛盾」という言葉が使われるようになりました。この物語を知ると、矛盾という言葉の背景がよくわかりますよね。
「矛盾」の使い方を例文でわかりやすく解説
それでは、「矛盾」の正しい使い方を具体的にイメージできるようわかりやすい例文をご紹介します。
矛盾ってどういう場面で使ったりするの?
「矛盾」は、主に以下のような場面で使われます。
会話や議論の中で:他人の発言や行動が一貫していないと感じたとき。
文章や考え方の中で:論理的に矛盾がある場合、例えば、前提と結論が食い違っているとき。
日常の出来事で:人の言動や行動が一致していないときに、簡単に「矛盾しているね」と言うことがあります。
「矛盾」という言葉は、次のような場面でよく使われます。
- 会話や発言が一致しないとき
例:「昨日は行かないと言っていたのに、今日は行くと言っている」など。 - 行動と考えが食い違うとき
例:「健康に気を使うと言いながら、毎日ジャンクフードを食べる」など。 - 文章や論理がつじつまが合わないとき
例:文章の前半と後半で、主張が違っている場合。 - 議論や討論で反論が矛盾しているとき
例:相手の意見が前提と結果で合わない場合。 - 作品や物語で設定が破綻しているとき
例:登場人物の行動が過去の出来事と矛盾している場合。
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「矛盾」を使うときには、以下の点に注意しましょう。
- 他人を否定しすぎないようにする:「矛盾している」と言うと、相手を批判しているように聞こえることがあります。使い方に気を付けましょう。
- 必ず矛盾が明確であることを確認する:言葉や行動が本当に矛盾しているのか、しっかり確かめることが大切です。
- 柔らかい表現を使う:場合によっては、「矛盾している」ではなく「ちょっと食い違いがあるね」と言い換えると角が立ちにくくなります。
矛盾の例文①
発言が前後で違っている状況で使う例です。
昨日は『雨だから行かない』と言ったのに、今日は『雨だから行く』と言うなんて、矛盾しているよ。
その日によって気分が変わってしまうのかもね。
この例では、発言が矛盾していることを指摘しています。発言が一貫していない場合に使える表現です。
矛盾の例文②
行動と考えが一致していない状況で使う例です。
環境を守ると言いながら、使い捨てプラスチックを大量に使うのは矛盾している。
その通り!
この例では、言葉と行動が矛盾していることを示しています。考えと行動のギャップを指摘するときに使います。
矛盾の例文③
論理的に主張が食い違っている状況で使う例です。
この例では、文章内での論理の矛盾を指摘しています。文章や主張の一貫性を確認するときに役立つ表現です。
食い違いについて説明する時に使える表現ね。
この例では、文章内での論理の矛盾を指摘しています。文章や主張の一貫性を確認するときに役立つ表現です。
以上のように、「矛盾」という言葉は、日常生活や会話、文章でさまざまな場面で使えます。使い方を工夫することで、より適切に表現できます。
「矛盾」の言い換え表現を例文を使ってわかりやすく解説
「矛盾」は以下のような簡単な言葉に言い換えて表現することができます。
【矛盾の言い換え表現】
- 食い違い
- つじつまが合わない
「食い違い」の例文
「矛盾」をもっと日常的に言い換えると、「食い違い」という言葉が使えます。
「食い違い」とは、2つのことが一致せず、考えや意見、行動などが噛み合わない状態を指します。特に、意見や話の内容が合わないときに使われます。
彼女の言うことが昨日と今日で食い違っているから、何が本当かわからない。
一日経つと気分が変わるんじゃない?
この例では、「矛盾」という言葉を「食い違い」に置き換えています。「矛盾」よりも日常的で柔らかい印象を与える言葉です。人の意見や話が一致しないときに使いやすい表現です。
「つじつまが合わない」の例文
もう一つの言い換え表現として、「つじつまが合わない」があります。この表現は、話や行動、論理がきちんとまとまらず、一貫性がないことを意味します。よりカジュアルな場面で使える言葉です。
彼の説明は最初と最後でつじつまが合わないから、何を信じればいいのかわからない。
それは困るわね。
この例では、「矛盾」を「つじつまが合わない」に言い換えています。この表現は、話や説明に一貫性がないときに使われます。「矛盾」よりも具体的で、状況を詳しく伝えるニュアンスがあります。
「矛盾」の類義語
「矛盾」には、「撞着」や「抵触」など、様々な類義語があります。
【矛盾の類義語】
goo辞書より引用
- 撞着(どうちゃく):1 つきあたること。ぶつかること。2 つじつまが合わないこと。
- 抵触(ていしょく):1 触れること。衝突すること。転じて、物事が相互に矛盾すること。2 ある行為が法律や規則に反すること。
「撞着」の例文
撞着(どうちゃく)とは、2つの考えや主張がぶつかり合って、整合性が取れない状態を指します。意味としては「矛盾」に近いですが、文章や論理的な場面で使われることが多い言葉です。日常会話で使う機会は少なく、少し堅い印象があります。
彼の論文には最初の主張と結論が撞着していて、どちらを信じればいいのか分からない。
それは、迷ってしまうわね。
この例では、論文の中で主張と結論がぶつかり合っていることを「撞着」という言葉で表しています。「矛盾」とほぼ同じ意味ですが、書き言葉やフォーマルな場面で使うと効果的です。
「抵触」の例文
抵触(ていしょく)とは、2つの物事が互いに対立したり、相容れなかったりする状態を指します。また、規則やルールに違反する場合にも使われます。「矛盾」よりも少し広い意味を持ち、特に法律や規定の話題でよく使われる言葉です。
この提案は、会社のルールに抵触しているため、採用できません。
会社のルールに会ってないのね。
この例では、提案が会社のルールと対立している状況を「抵触」という言葉で表しています。「矛盾」が考えや行動の一致しなさを指すのに対し、「抵触」は特定のルールや基準に反している場合に使われます。
「矛盾」の対義語
「矛盾」という言葉には、厳密な対義語と言える言葉はありません。しかし、「矛盾」と反対の意味合いを持つ言葉として、いくつかの言葉を挙げることができます。
【矛盾の対義語】
ChatWorkより引用
- 整合性(せいごうせい):物事に矛盾がなく整っていることを意味する。情報やデータ、行動、意見などが一致していること、またはそれらが全体としてまとまりを持っていることを示します。
- 一貫性(いっかんせい):始めから終わりまで同じ一つの方針、考えによっていること。
「整合性」の例文
整合性(せいごうせい)とは、考えや行動、発言が矛盾せず、一貫している状態を指します。全体的に物事がまとまっていて、論理がしっかりしているときに使われる言葉です。「矛盾」が食い違いを表すのに対して、「整合性」は調和を意味します。
彼の話はどの部分も整合性があって、非常に説得力がある。
彼の発言は、信頼できるわね。
この例では、話の内容が矛盾せず、全体がまとまっていることを「整合性」という言葉で表しています。特に議論や文章で、意見が一貫していることを評価するときに使います。
「一貫性」の例文
一貫性(いっかんせい)」とは、最初から最後まで同じ態度や考え方を持ち続けることを指します。行動や主張がぶれない様子を表す言葉です。「整合性」が全体の調和を重視するのに対して、「一貫性」はその人自身の態度や考え方に注目します。
彼女の発言には一貫性があり、意志の強さを感じる。
彼女の意見は最初から最後まで、変わることがなくて信頼できるわね。
この例では、発言が常に同じ方向性を持っていることを「一貫性」という言葉で表しています。人の態度や考え方が変わらないことを評価するときに使います。
「矛盾」の英語表現
「矛盾」の英語表現を辞書で調べると以下の通りです。
【矛盾の英語】
NativeChampより引用
- contradiction:物事のつじつまが合わない「矛盾」という意味で最もよく使われる言葉です。
- inconsistency:「一貫性がないこと」を意味する英単語です。「一貫性」という意味の単語「consistency」の否定語です。言っていることとやっていることが違っている場合などに「一貫性がない」と言いますよね。そうした意味で、「矛盾」と日本語訳されることも多いです。
「contradiction」の例文
contradiction(コントラディクション)は、「矛盾」という意味の英語表現です。主に、言葉や考え方、意見の中で前後が一致しない場合に使われます。日本語の「矛盾」と同じような意味で、会話や文章の中で広く使われます。
「矛盾」を英語で表現した例文を教えて!
"There is a contradiction between what he said yesterday and what he says today."のように表現することができます。
日本語訳:彼が昨日言ったことと、今日言っていることの間には矛盾があります。
この例では、発言の前後が食い違っていることを「contradiction」で表現しています。「矛盾」と同じように、論理や主張に整合性がないときに使います。
「inconsistency」の例文
inconsistency(インコンシステンシー)は、「矛盾」や「不一致」という意味を持つ英語表現です。「contradiction」が大きな矛盾を指すのに対して、「inconsistency」は細かい部分の食い違いや不一致を指す場合に使われることが多いです。
「矛盾」を英語で表現した例文をもう一つ教えて!
"There is an inconsistency in the data presented in this report."のように表現することができます。
日本語訳:この報告書に示されたデータには、不一致があります。
この例では、報告書のデータが一致していないことを「inconsistency」で表現しています。データや細部が正確でないときに使う表現として便利です。
「contradiction」と「inconsistency」の使い分けポイント
- contradiction は、発言や主張の大きな矛盾を指します。論理や意見が真っ向から対立している場合に使われます。
- inconsistency は、細かい部分や全体の中で見つかる不一致やズレを指します。データや説明の矛盾を示すときに適しています。
どちらも「矛盾」を表す英語表現ですが、ニュアンスの違いを理解して使い分けることで、英語での表現がより自然になります!
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