「二兎を追う者は一兎をも得ず」とは、「同時に違った二つの事をしようとすれば、結局どちらも成功しないというたとえ。」という意味があります。
しかし、二兎を追う者は一兎をも得ずの意味がわかったところで、その正しい使い方やシチュエーションを理解しておかないと、間違った解釈をしたまま恥ずかしい思いをするかもしれません。
そうならないように、この記事で二兎を追う者は一兎をも得ずの意味に加えて、正しい使い方を例文も交えてわかりやすく解説しておりますので、最後まで読んでこれから活用できるようにしてくださいね!
新しいスマホが欲しいけど、ゲーム機も欲しいし…でも、両方買うと金銭的に厳しいな。
二兎を追う者は一兎をも得ずって言うから、我慢した方がいいわよ。
「二兎を追う者は一兎をも得ず」の意味とは?わかりやすく解説
「二兎を追う者は一兎をも得ず」とは、にとをおうものはいっとをもえずと読み、同時に違った二つの事をしようとすれば、結局どちらも成功しないというたとえ。という意味があります。
二兎を追う者は一兎をも得ずの意味を辞書で調べると、このように解説されております。
【二兎を追う者は一兎をも得ずの意味】
goo辞書より引用
- 同時に違った二つの事をしようとすれば、結局どちらも成功しないというたとえ。西洋のことわざ。
「二兎を追う者は一兎をも得ず」の意味
「二兎を追う者は一兎をも得ず」とは、欲張って同時に二つの目標を追いかけると、どちらも達成できなくなるという意味のことわざです。この表現は、集中力を欠いたり優先順位を間違えたりすることで、結果的に何も得られない状況を表しています。人生の中で、「あれもこれも」と欲張りすぎることへの戒めとして使われる言葉です。
「二兎を追う者は一兎をも得ず」の意味の概要
このことわざは、シンプルですが深い意味を持っています。「二兎」は、追いかけたい目標や願いごとの象徴です。「追う」という行動が示すように、手に入れたいものを努力して追いかける際、欲張って複数のものを同時に追求するのは難しいという教えです。物事には集中が大切で、ひとつに集中すれば達成の可能性が高まると伝えています。
「二兎を追う者は一兎をも得ず」ってどんなことを意味するの?もう少し詳しく教えて!
「二兎を追う者は一兎をも得ず」とは、一度に二つのことをしようとすると、結局どちらも上手くいかないという意味のことわざです。
「二兎を追う者は一兎をも得ず」の語源や由来
二兎を追う者は一兎をも得ずの語源や由来は以下のとおりです。
【二兎を追う者は一兎をも得ずの語源や由来】
TRANS.BIZより引用
- ヨーロッパで広く使われることわざの翻訳で、幕末にオランダ語、フランス語、英語などから並行的に入ってきたものと思われます。明治一〇年(1877)に「西洋諺草」に紹介されたのち、小学校の修身や国語の教科書にも登場し、急速に普及していきます。江戸時代にも兎狩りは各地で行われていたので、この比喩は日本人にもわかりやすく、十分な説得力を発揮したといえるでしょう。また、漢文の読み下し文式の訳で翻訳臭が消え、ほとんど西洋起源と意識されずに使われています。
コトバンクより引用
- 「二兎を追うものは一兎をも得ず」は、故事成語や漢文を語源とすることわざではなく、英語のことわざを日本語に訳した言葉。ローマが由来のことわざと言われています。
- 元となる英語のことわざは「If you run after two hares you will catch neither」となります。「two hares」は「二匹のうさぎ」「neither」は「どちらも」をそれぞれ意味する英語です。
「二兎を追う者は一兎をも得ず」の語源や由来
「二兎を追う者は一兎をも得ず」ということわざは、実は日本で生まれた言葉ではなく、英語のことわざを訳したものだと言われています。元になっている英語の表現は、「If you run after two hares, you will catch neither(もし二匹のウサギを追いかければ、どちらも捕まえられない)」です。この「two hares」は「二匹のウサギ」、「neither」は「どちらも〜ない」という意味を持っています。
英語のこのことわざは、古代ローマの時代から使われていたとされており、人々の経験から生まれた教訓がもとになっています。ウサギは非常に素早く動く動物なので、同時に二匹を追いかけても捕まえるのはほぼ不可能です。この現実をもとに、「一度に二つのことを欲張ると、どちらもうまくいかない」という人生の教えを伝えるために使われてきました。
その後、この英語のことわざが日本に伝わり、「二兎を追う者は一兎をも得ず」と日本語に翻訳されました。シンプルでわかりやすい例えのため、日本でも広く使われるようになったのです。ウサギを追うという行動を通して、集中することの大切さを教えるこの言葉は、今でも多くの人に親しまれています。
「二兎を追う者は一兎をも得ず」の使い方を例文でわかりやすく解説
それでは、「二兎を追う者は一兎をも得ず」の正しい使い方を具体的にイメージできるようわかりやすい例文をご紹介します。
二兎を追う者は一兎をも得ずってどういう場面で使ったりするの?
日常生活や仕事、勉強など、さまざまな場面で使われます。たとえば、学生が同時に複数の試験勉強をこなそうとして、どれも中途半端になってしまう場合や、ビジネスで複数のプロジェクトを進めようとして全て失敗してしまう場合です。また、趣味や恋愛などでも「あれもこれも」と欲張ることで、結果的に何も満足できないことが起こります。このことわざは、ひとつの目標に集中することの大切さを教えてくれる言葉です。
「二兎を追う者は一兎をも得ず」は、次のような場面で使うことができます。
- 勉強で複数の科目を同時に優先しようとして、どちらも中途半端になるとき。
- 仕事で複数のプロジェクトを同時に進めて、結果的にどちらも失敗するとき。
- 趣味や活動をたくさん始めてしまい、どれも継続できなくなるとき。
- 買い物や選択の場面で欲張って、結局どれも手に入らないとき。
- 恋愛や友情で同時に複数の関係を深めようとして、どちらもうまくいかないとき。
「二兎を追う者は一兎をも得ず」を使う際には、次のような点に注意しましょう。
- 相手に嫌な気持ちを与えないように、アドバイスとしてやさしく使うこと。
- 状況によっては、「欲張る」というニュアンスが強すぎるため、使う言葉を慎重に選ぶこと。
- 「集中しよう」という前向きな意図を込めて使うと、より伝わりやすくなること。
二兎を追う者は一兎をも得ずの例文①
中間テスト前に、複数の科目を一気に勉強しようとして、結局どれも中途半端になる状況を表しています。勉強においても、一つに集中する大切さを伝えたい場面です。
中間テストで数学も英語も完璧にしたいと思ったけど、どちらも中途半端になってしまった。先生に『二兎を追う者は一兎をも得ずだね』と言われて反省した。
一気になんとかしようとするのは無理よ。余裕を持って準備しないと。
この例文では、欲張りすぎた結果、どちらも達成できなかったことを「二兎を追う者は一兎をも得ず」という言葉で表しています。アドバイスとしても使える場面です。
二兎を追う者は一兎をも得ずの例文②
複数の趣味を同時に始めて、どれも中途半端になり、結局満足できないという状況を表しています。
新しくギターと写真を同時に始めたけど、どちらも上達しなくてイライラしてしまった。友達に『二兎を追う者は一兎をも得ずってことだよ』と忠告された。
同時になんとかしようとするのは無謀ね。
この例文では、複数のことを同時に始めると成果が出にくいことを伝えています。「一つずつ取り組むべきだ」というメッセージが込められています。
二兎を追う者は一兎をも得ずの例文③
仕事で複数のプロジェクトを同時に進めて、どちらも成功しなかった状況を表しています。
同時に二つのプロジェクトを進めようとした結果、どちらも期限に間に合わなかった。上司に『二兎を追う者は一兎をも得ずだな』と言われてしまった。
優先順位をよく考えて順番に進めないとね。
この例文では、仕事での失敗を教訓として振り返る場面を表しています。特に、効率よく物事を進めるために、一つに集中する重要性を示しています。
「二兎を追う者は一兎をも得ず」の言い換え表現を例文を使ってわかりやすく解説
「二兎を追う者は一兎をも得ず」には以下のような言い換え表現があります。
【二兎を追う者は一兎をも得ずの言い換え表現】
- 欲張りすぎると失敗する
- 一つずつやるのが大事
「欲張りすぎると失敗する」の例文
「欲張りすぎると失敗する」は、「欲張ってあれこれ手を出しすぎると、結果的にどれもうまくいかない」という意味を持っています。「二兎を追う者は一兎をも得ず」と同じように、一度に多くを求めると失敗しやすいことを伝える表現です。
中間テストの直前に、複数の科目を完璧にしようとして、どれも中途半端になった場面です。
欲張りすぎると失敗するよ。数学も英語も完璧にしようとしたけど、結局どちらも平均点だった。
そうね、欲張りすぎはよくないわね。
この例文では、「二兎を追う者は一兎をも得ず」を「欲張りすぎると失敗する」という言葉に言い換えています。この表現の方が具体的で日常会話でも使いやすく、特に勉強や目標に対して注意を促したいときに便利です。
「一つずつやるのが大事」の例文
「一つずつやるのが大事」は、「何かを成功させたいなら、ひとつずつ丁寧に取り組むことが大切」という意味を持っています。「二兎を追う者は一兎をも得ず」よりも前向きで、具体的なアドバイスとして使える表現です。
同時に複数の部活を掛け持ちしようとして、どちらも思うように活躍できなかった場面です。
一つずつやるのが大事だよ。部活を二つ掛け持ちしてみたけど、どっちも中途半端になってしまった。
同時に2つの部活は無理よね。
この例文では、「二兎を追う者は一兎をも得ず」を「一つずつやるのが大事」という前向きな表現に言い換えています。この表現は、相手に優しくアドバイスをする場面で使いやすく、ポジティブなニュアンスを与えるのが特徴です。
「二兎を追う者は一兎をも得ず」の類義語
「二兎を追う者は一兎をも得ず」の類義語を辞書で調べると以下の通りです。
【二兎を追う者は一兎をも得ずの類義語】
weblio辞書より引用
- 虻蜂取らず(あぶはちとらず):二つのものを同時に取ろうとして両方とも得られないこと。欲を出しすぎると失敗することのたとえ。
- 花も折らず実も取らず(はなもおらずみもとらず):欲張って両方を手に入れようとして、結局どちらも得られないことのたとえ。
「虻蜂取らず」の例文
虻蜂取らず(あぶはちとらず)は、「あれもこれも手に入れようとして、結局どちらも手に入らない」という意味のことわざです。虻(アブ)と蜂の両方を捕まえようとして、どちらも逃してしまう様子からきています。この言葉は、「欲張って失敗する」ことへの戒めとして使われます。
部活とアルバイトの両方を頑張ろうとしたけれど、どちらも中途半端になってしまった場面です。
部活もアルバイトも全力でやろうとしたけど、どっちも中途半端になってしまった。まさに虻蜂取らずだな。
そうね。同時に2つのことをやるのは難しいわね。
この例文では、「虻蜂取らず」が、二つの物事を同時に追求して失敗した場面で使われています。「二兎を追う者は一兎をも得ず」と似た意味を持ちながらも、具体的な昆虫のイメージがあるため、よりわかりやすい表現となっています。
「花も折らず実も取らず」の例文
花も折らず実も取らずは、「花を楽しむことも、実を取ることもできない」という意味で、何かを得ようとする際に両方を狙った結果、どちらも失敗することを表しています。花を折ること(鑑賞)と実を取ること(収穫)は両立が難しいことから生まれた表現です。
休日に映画も買い物も両方楽しもうと欲張り、結局どちらも中途半端になってしまった場面です。
今日は映画も買い物も楽しみたいと思って欲張ったけど、時間が足りなくてどっちも満足できなかった。花も折らず実も取らずだな。
どちらを楽しみたいのか、よく考えてから行動した方がいいわね。
この例文では、「花も折らず実も取らず」を、欲張りすぎてどちらも達成できなかった状況で使っています。この表現は、花や実の具体的なイメージから「二兎を追う者は一兎をも得ず」と似た意味を伝えながらも、より情緒的なニュアンスを含んでいます。
「二兎を追う者は一兎をも得ず」の対義語
「二兎を追う者は一兎をも得ず」と反対の意味を持つ言葉を2つ紹介します。
【二兎を追う者は一兎をも得ずと反対の意味をもつ言葉】
Domaniより引用
- 一挙両得(いっきょりょうとく):1つのことを行い、同時に2つの利益をえること。
- 一石二鳥(いっせきにちょう):1つのことをして、同時に2つの利益・効果をあげること。
「一挙両得」の例文
一挙両得(いっきょりょうとく)は、「一つの行動で二つの利益を得る」という意味です。何かをするときに、その結果として複数の成果を同時に得ることを表します。この表現は、効率よく目標を達成できた場合に使われます。
学校の文化祭準備を通して、友達と仲良くなりながら、クラスの活動も成功させた場面です。
文化祭の準備でみんなと協力したことで、友達とも仲良くなれたし、クラスの出し物も大成功した。一挙両得だね。
そう、楽しく準備ができてよかったわね。
この例文では、「一挙両得」を使って、一つの活動(文化祭の準備)が複数の成果(友情の向上と成功)をもたらしたことを表しています。「二兎を追う者は一兎をも得ず」と違い、欲張らずに効率よく物事を進めた結果を称えるニュアンスがあります。
「一石二鳥」の例文
一石二鳥(いっせきにちょう)は、「一つの行動で二つの目的を達成する」という意味で、「一挙両得」とほぼ同じニュアンスを持つ言葉です。石を投げて二羽の鳥を同時に仕留めるというイメージがもとになっています。
散歩をしながら道端のゴミを拾い、環境にも自分の健康にも良い影響を与えた場面です。
毎朝の散歩でゴミ拾いをしてるんだ。運動にもなるし、街もきれいになるし、一石二鳥だよね。
ええ、それはいい考えね。
この例文では、「一石二鳥」を使って、一つの行動(散歩とゴミ拾い)で二つの目的(健康と環境保護)が達成できたことを表しています。イメージが具体的でわかりやすく、日常的な場面でも使いやすい表現です。
「二兎を追う者は一兎をも得ず」の対義語として、「一挙両得」と「一石二鳥」を紹介しました。これらのことわざは、どちらも一つの行動で複数の良い結果を得られるという状況を表します。
「二兎を追う者は一兎をも得ず」の英語表現
日本のことわざ「二兎を追う者は一兎をも得ず」は、英語にも似たような表現があります。今回は、代表的なものを二つ紹介しましょう。
【二兎を追う者は一兎をも得ずの英語】
DMM英会話より引用
- If you run after two hares, you will catch neither.:「二兎を追う者は一兎をも得ず」をそのまま英訳したフレーズです。
- You can’t have your cake and eat it too.:ケーキを手に入れながら、それを食べることはできない」という意味で、「同時に二つの良いことを得るのは難しい」ということを表現していうます。
「If you run after two hares, you will catch neither.」の例文
「If you run after two hares, you will catch neither.」は、「二兎を追う者は一兎をも得ず」をそのまま英訳したフレーズです。「hare」は「野ウサギ」の意味で、「neither」は「どちらも~ない」を表します。この表現は、英語圏でも欲張りすぎてどちらも手に入らない状況を指摘する場面で使われます。
「二兎を追う者は一兎をも得ず」を英語で表現した例文を教えて!
"If you run after two hares, you will catch neither. Focus on one thing at a time."のように表現することができます。
日本語訳:もし二匹のウサギを追いかけたら、どちらも捕まえられないよ。一度にひとつのことに集中しなさい。
この例文では、何かに集中することの大切さを教えるアドバイスとして、この表現が使われています。「二兎を追う者は一兎をも得ず」と同じ意味で、目の前の目標をひとつに絞ることの重要性を伝えています。英語圏でも、シンプルでわかりやすいことわざとして親しまれています。
「You can’t have your cake and eat it too.」の例文
「You can’t have your cake and eat it too.」は、「ケーキを手に入れながら、それを食べることはできない」という意味で、「同時に二つの良いことを得るのは難しい」というニュアンスを含みます。「二兎を追う者は一兎をも得ず」とは少し異なりますが、欲張りすぎないようにという教訓を伝える点で共通しています。
「二兎を追う者は一兎をも得ず」を英語で表現した例文をもう一つ教えて!
"You can’t have your cake and eat it too. You need to choose what’s more important to you."のように表現することができます。
日本語訳:ケーキを持ちながら食べることはできないよ。どっちが大切か選ばなきゃ。
この例文では、「何かを選ぶときに、すべてを得ることはできない」というアドバイスとして、この表現が使われています。「二兎を追う者は一兎をも得ず」よりも少し柔らかいニュアンスで、特に選択を迫られる場面で使いやすいフレーズです。
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