「糟糠之妻」とは、「貧しいときから一緒に苦労を重ねてきた妻」という意味があります。
しかし、糟糠之妻の意味がわかったところで、その正しい使い方やシチュエーションを理解しておかないと、間違った解釈をしたまま恥ずかしい思いをするかもしれません。
そうならないように、この記事で糟糠之妻の意味に加えて、正しい使い方を例文も交えてわかりやすく解説しておりますので、最後まで読んでこれから活用できるようにしてくださいね!
課長は、苦学生の頃から付き合っていた奥さんにずっと支えられているって言ってたよ。
まさに、糟糠之妻といえるわね。
「糟糠之妻」の意味とは?わかりやすく解説
「糟糠之妻」とは、そうこうのつまと読み、貧しいときから一緒に苦労を重ねてきた妻という意味があります。
糟糠之妻の意味を辞書で調べると、このように解説されております。
【糟糠之妻の意味】
goo辞書より引用
- 貧しいときから一緒に苦労を重ねてきた妻。
「糟糠」は酒かすと米ぬか。貧しい食事の形容。
「糟糠の妻は堂より下さず」とも常用される。
貧しさを共にしてきた妻は、自分が富貴になっても大切にするという意。
「糟糠之妻」の意味
糟糠之妻(そうこうのつま)は、貧しい時代から共に苦労を分かち合ってきた妻のことを指す言葉です。
「糟糠」とは、お酒を作る時に出るかすや、米のぬかのことで、これらは昔の人々が困窮していた時に食べ物として利用していたものです。つまり、「糟糠之妻」は、どんなに厳しい状況でも夫を支えてくれた妻を意味します。
「糟糠之妻」の意味の概要
この言葉は、夫婦の深い絆や信頼を表現する際に使われます。特に、成功する前の苦しい時期を一緒に乗り越えた妻を尊重し、その功績を称えるために用いられることが多いです。また、「糟糠之妻」を持つ男性は、その妻を大切にし、感謝の気持ちを持つべきだという価値観も含まれています。
「糟糠之妻」ってどんなことを意味するの?もう少し詳しく教えて!
糟糠之妻とは、 貧しい暮らしを共にした妻 のことです。文字通り、酒かす(糟)や米ぬか(糠)といった粗末な食事を共にした、苦労をともにした妻を指します。
「糟糠之妻」の語源や由来
糟糠之妻の語源や由来は以下のとおりです。
【糟糠之妻の語源や由来】
goo辞書より引用
- 『後漢書』「宋弘伝」に由来する。
中国後漢(ごかん)の光武帝(こうぶてい)は、寡婦となった姉と家臣の宋弘(そうこう)を結婚させようとしたが、宋弘は「貧しいときに交わった友は忘れてはならず、貧しい生活を共にした妻は、正堂から下し棄すてて離縁するようなことはしないと聞いております」と言って断った故事から。
糟糠之妻の語源や由来
「糟糠之妻」という言葉の由来となったのは、中国の歴史書『後漢書』に書かれているある人物の言葉です。その人物は、宋弘(そうこう)という名前の政治家でした。
宋弘には、若い頃に結婚した妻がいました。しかし、宋弘が後に高い地位に就いたとき、周囲の人々は、もっと若くて美しい女性と結婚するよう彼に勧めました。
ところが、宋弘は周囲の勧めを聞き入れず、「糟糠の妻は堂より下さず」という言葉を残しました。これは、「酒かすや米ぬかのような粗末な食事を共にした妻は、立派な家の堂から追い出すようなことはしない」という意味です。つまり、 苦労を共にした妻を大切にするべきだ ということを表しています。
なぜ「糟糠」という言葉が使われたのか?
「糟糠」とは、酒かすや米ぬかのことです。昔の人たちは、酒かすや米ぬかを混ぜて作ったものを食べていました。これは、現代の私たちから見ると、とても粗末な食べ物に思えます。
宋弘が「糟糠の妻」という言葉を使ったのは、 自分と妻が、貧しい時代から共に苦労を分かち合ってきた ということを強調したかったからです。つまり、「糟糠」という言葉は、二人の深い絆を表す象徴として使われたのです。
「糟糠之妻」の使い方を例文でわかりやすく解説
それでは、「糟糠之妻」の正しい使い方を具体的にイメージできるようわかりやすい例文をご紹介します。
糟糠之妻ってどういう場面で使ったりするの?
この言葉は、夫婦の長い絆や、苦しい時期を共に乗り越えた経験を象徴するものとして広く使われています。
「糟糠之妻」という言葉は、以下のような場面で多く使われます。
- ビジネスの成功を語る場面
事業が成功した際に、自分を支えてくれた妻への感謝の気持ちを伝える時に使います。 - 結婚記念日や特別な日のスピーチ
結婚生活の長い歴史を振り返り、妻への感謝を表す場面で使用します。 - 歴史や文学の解説
歴史上の人物や文学作品に登場する夫婦の絆を語る時に使われます。 - 友人や知人に対する褒め言葉
長い間、苦労を共にしてきた夫婦に対して、尊敬の意を込めて使います。 - 家族の絆を強調する場面
困難な状況を乗り越えてきた家族の結びつきを表現する時に使います。
「糟糠之妻」を使う際には、以下の点に注意が必要です。
- 過度に使わない:「糟糠之妻」は深い意味を持つ言葉なので、日常会話で軽々しく使わないようにしましょう。
- 相手に合わせた使い方をする:若い世代や知らない人に使うと意味が伝わらないことがあるため、相手に応じた使い方が大切です。
- 感謝の気持ちを伝えることが重要:この言葉を使う時は、妻やパートナーに対する深い感謝の気持ちを忘れないようにしましょう。
糟糠之妻の例文①
ビジネスで成功した人物が、講演会で自分の成功を支えてくれた妻について話している場面です。
Bさんの講演会どうだった?
とても感動したわ!「私がここまで成功できたのは、すべて糟糠之妻である妻のおかげです。どんなに厳しい時でも、彼女は私を支え続けてくれました。」と自分の成功は奥様のおかげであると称えたのよ。素敵!
この例文では、成功した後でも、困難な時期を共に乗り越えた妻への感謝の気持ちを表現しています。成功の裏には妻の支えがあったことを強調しています。
糟糠之妻の例文②
結婚記念日に、夫が長年一緒に過ごしてきた妻に対して感謝を伝える場面です。
部長の結婚記念パーティーどうだった?
部長が奥様に「糟糠之妻であるあなたがいなければ、今の私はありません。これからも共に歩んでいきましょう。」と声をかけて、感謝の花束を渡したのよ。感動的だったわ。あんな夫婦になりたいわね。
この例文では、長年共に過ごしてきた妻に対する深い感謝の気持ちと、これからも一緒に歩んでいきたいという願いを表現しています。
糟糠之妻の例文③
夫婦の絆について話している場面で、長年一緒に過ごしてきた妻を褒め称えています。
Fさんの出世は、苦学生時代からずっと支えてくれた奥さんの力が大きいね。
そうね。彼の成功の裏には、間違いなく糟糠之妻の支えがあったに違いないわ。奥様はFさんの苦労をすっとそばで支えて、乗り越えてきたのよ。
この例文では、上司夫婦について話し、その妻の支えがいかに重要であったかを強調しています。糟糠之妻が夫の成功を陰で支えてきたことを称賛しています。
「糟糠之妻」の言い換え表現を例文を使ってわかりやすく解説
「糟糠之妻」は、貧しい時代から苦労を共にしてきた妻を意味する言葉ですが、日常的な表現に言い換えることもできます。ここでは、日常でよく使われる表現を2つ紹介し、それぞれの意味と使い方を解説します。
【糟糠之妻の言い換え表現】
・苦労を共にした妻
・支えてくれた妻
「苦労を共にした妻」の例文
「苦労を共にした妻」とは、夫と一緒に困難や苦しい時期を乗り越えてきた妻を指します。この言い換え表現は、「糟糠之妻」と同様に、長い間、夫を支え続けてきた妻に対する感謝の気持ちを表していますが、より日常的で分かりやすい表現となっています。
ビジネスで成功を収めた男性が、インタビューで自分を支えてくれた妻について話している場面です。
ITビジネスで成功したEさんのインタビュー番組観た?
ええ観たわ。「今の私があるのは、すべて苦労を共にした妻のおかげです。どんな時でも、彼女は私のそばにいてくれました。」と、奥様をたたえていたわね。
この例文では、「苦労を共にした妻」という言い換え表現を使うことで、長年一緒に頑張ってきた妻への感謝の気持ちをより身近な言葉で表現しています。ニュアンスとしては、「糟糠之妻」とほぼ同じ意味を持ちつつ、より現代的で分かりやすい言葉になっています。
「支えてくれた妻」の例文
「支えてくれた妻」とは、夫が困難な状況にある時に、常にそばで支援してくれた妻を指します。この表現は、感謝の気持ちを強調しつつ、どのような形で支えてくれたかに焦点を当てた言葉です。「糟糠之妻」と比べると、少し具体的なイメージを持たせることができます。
結婚記念日のお祝いの席で、夫が妻に感謝の言葉を伝える場面です。
N先輩、昨日の結婚記念パーティーで「今日まで僕を支えてくれた妻には、言葉では表せないほど感謝しています。これからも一緒に歩んでいきたいです。」なんて言ってたね。
私もそんなふうに言ってもらえるような人と巡り合いたなぁ〜
この例文では、「支えてくれた妻」という言い換え表現を使うことで、具体的に妻がどのように夫を支えてきたかを強調しています。「糟糠之妻」と比較して、感謝の気持ちにより焦点を当てた言葉であり、夫婦の絆や信頼を強く感じさせる表現です。
「糟糠之妻」の類義語
「糟糠之妻」の類義語を辞書で調べると以下の通りです。
【糟糠之妻の類義語】
新明解四字熟語辞典より引用
- 宋弘不諧(そうこうふかい):宋弘が、地位が高まった後も、昔からの妻を大切にしたという故事から生まれた言葉です。「糟糠之妻」とほぼ同じ意味で、貧しい時代から共に過ごし、苦労を分かち合ってきた妻を大切にするという意味を持ちます。
- 貧賤之交(ひんせんのまじわり):貧しい時代からの付き合いという意味です。「糟糠之妻」は夫婦の関係を指すのに対し、「貧賤之交」は、友人や知人など、幅広い人間関係に対して使うことができます。
「宋弘不諧」の例文
宋弘不諧(そうこうふかい)は、中国の後漢時代の故事に由来する言葉です。宋弘という人物が、貧しい時代に結婚した妻と一緒に暮らし、後に高い地位についた後もその妻との離婚を拒否し、忠実であり続けたことから。
不諧(ふかい)とは「仲たがいしない」という意味を持ちます。この言葉は、夫婦の絆や忠誠心を強調する際に使われます。
ある政治家が、自分の出世後も変わらず妻を大切にしていることを語る場面です。
政治家のJさん、奥さんをとても大切にしているね。
そうね。「私は宋弘不諧の精神を胸に、どんなに地位が変わっても、支えてくれた妻をこれからも大切にします。」って言っていたわね。
この例文では、「宋弘不諧」を使うことで、出世後も変わらず妻を大切にする姿勢を強調しています。「糟糠之妻」と似ていますが、特に「地位が上がった後でも忠実である」という点に焦点が当てられています。
「貧賤之交」の例文
貧賤之交(ひんせんのまじわり)は、貧しい時代に結んだ友情や交際を意味します。この言葉は、どんなに境遇が変わっても、その時の友情や絆を大切にするという意味があります。夫婦だけでなく、友人関係や仲間同士の絆を強調する時にも使われる言葉です。
成功を収めた企業家が、昔からの友人との絆について話している場面です。
IT事業で成功しているOさん、学生時代にFさんと苦労してこの事業を立ち上げたんだってね。
ええ私もインタービュー記事見たわ。「彼とは貧賤之交の間柄であり、どんなに成功してもその絆は変わることはありません。」ってFさんとずっと一緒にやっていくと言っていたわ。男同士の絆も素敵ね。
この例文では、「貧賤之交」を使って、成功する前からの友情や絆を強調しています。夫婦関係というよりは、友人や仲間との間で使われることが多く、「糟糠之妻」とは違った文脈で用いられますが、どちらも信頼と忠誠を表す言葉です。
「糟糠之妻」の対義語
「糟糠之妻」の対義語を辞書で調べると以下の通りです。
【糟糠之妻の対義語】
weblio辞書より引用
- 不義理(ふぎり):道理に反すること、義理を欠くこと。特に、夫婦や親族など、近い関係にある人に対して、道義に反する行動をとること。
- 不誠実(ふせいじつ):真心がこもっていないこと、誠実でないこと。特に、約束を守らなかったり、嘘をついたりするような、誠実さを欠いた態度を指します。
「不義理」の例文
不義理(ふぎり)とは、人との約束や義務を守らず、無責任な態度を取ることを指します。これは、他人に対する誠実さや義務感が欠けている状態を意味し、信頼関係を壊してしまう行動です。
あるビジネスマンが、昔の恩人を裏切り、自分の利益だけを優先した場面です。
Lさん、課長にさんざんお世話になったのに、裏切ってライバル社に転職してしまったね。
彼は成功するために不義理を働き、かつての恩人との関係を断ち切ってしまったのね。
この例文では、「不義理」を使うことで、他人に対する責任や義務を果たさず、自分の利益を優先する行動を非難しています。これにより、信頼関係が破壊されることを強調しています。
「不誠実」の例文
不誠実(ふせいじつ)は、真心や誠意がない態度や行動を指します。これは、他人に対して嘘をついたり、約束を守らなかったりすることで、信頼を裏切る行動を表します。
ある男性が、妻に対して嘘をつき続け、家庭内での信頼を失った場面です。
Kさん、浮気が奥さんにバレてしまったそうだね。
そうね。Kさんの不誠実な態度に、奥様は深く傷ついて、残念ながら二人の関係は取り返しがつかないものになってしまったらしいわ。
この例文では、「不誠実」を使って、妻に対する真心がない行動がどれほど深い傷を与えたかを示しています。信頼関係が壊れ、夫婦の絆が崩れる様子を強調しています。
「糟糠之妻」の英語表現
「糟糠之妻」を英語で表現する際に、「a wife of humble origins」や「a loyal wife who stood by her husband through thick and thin」が適切です。
これらの表現は、夫婦の深い絆や忠誠心を表す言葉として使われます。それぞれの表現について詳しく解説し、例文を見てみましょう。
【糟糠之妻の英語】
・a wife of humble origins
・a loyal wife who stood by her husband through thick and thin
「a wife of humble origins」の例文
「a wife of humble origins」は、「糟糠之妻」をそのまま直訳したような意味で、「 humble origins 」は「謙虚な出自」や「貧しい環境」を指します。つまり、貧しい時代から一緒に過ごしてきた妻という意味になります。
「糟糠之妻」を英語で表現した例文を教えて!
"He never forgot his wife's support, even after becoming wealthy. She was truly a wife of humble origins."のように表現することができます。
日本語訳:彼は裕福になった後も、妻の支えを忘れたことはありませんでした。彼女はまさに謙虚な出自の妻でした。
この例文では、成功を収めた後も、苦しい時代を共に過ごした妻への感謝と敬意を表しています。「a wife of humble origins」という表現を使うことで、夫婦の絆が深く、妻が貧しい出自からの支えであったことを強調しています。
「a loyal wife who stood by her husband through thick and thin」の例文
「a loyal wife who stood by her husband through thick and thin」は、「糟糠之妻」の意味をより具体的に表現したもので、「through thick and thin」は「どんな困難でも」を意味します。つまり、どんな時でも夫を支え続けた忠実な妻を指します。
「糟糠之妻」を英語で表現した例文をもう一つ教えて!
"She was a loyal wife who stood by her husband through thick and thin, always there when he needed her the most."のように表現することができます。
日本語訳:彼女はどんな困難でも夫を支え続けた忠実な妻で、彼が一番必要としている時にはいつもそばにいました。
この例文では、「a loyal wife who stood by her husband through thick and thin」という表現を使って、どんな状況でも夫を支え続けた妻の忠誠心を強調しています。この表現は、困難を乗り越える夫婦の絆や支え合いの精神を象徴しています。
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