「天衣無縫」とは、「人柄が飾り気がなく、純真で無邪気なさま」という意味があります。
しかし、天衣無縫の意味がわかったところで、その正しい使い方やシチュエーションを理解しておかないと、間違った解釈をしたまま恥ずかしい思いをするかもしれません。
そうならないように、この記事で天衣無縫の意味に加えて、正しい使い方を例文も交えてわかりやすく解説しておりますので、最後まで読んでこれから活用できるようにしてくださいね!
Aさんは、自然な笑顔が素敵だな!
天衣無縫な人ね。
「天衣無縫」の意味とは?わかりやすく解説
「天衣無縫」とは、てんいむほうと読み、人柄が飾り気がなく、純真で無邪気なさま。という意味があります。
天衣無縫の意味を辞書で調べると、このように解説されております。
【天衣無縫の意味】
goo辞書より引用
- 物事に技巧などの形跡がなく自然なさま。
天人・天女の衣には縫い目がまったくないことから、文章や詩歌がわざとらしくなく、自然に作られていて巧みなこと。
また、人柄が飾り気がなく、純真で無邪気なさま、天真爛漫らんまんなことをいう。また、物事が完全無欠である形容にも用いられることがある。
「天衣」は天人・天女の着物。
「無縫」は着物に縫い目のないこと。
「無縫天衣むほうてんい」ともいう。
「天衣無縫」の意味
天衣無縫(てんいむほう)とは、もともとは「天人の衣服には縫い目がない」という意味を持っています。この表現は、天上の存在である天人の衣が自然で美しく、人工的な加工を必要としないことから、完璧で欠点がないことや、純粋で無邪気な状態を指します。一般的には、作為的な要素がなく、自然な魅力を持つものや、思わず感心するような素直さがある人や物事に対して使われます。
「天衣無縫」の意味の概要
「天衣無縫」は、形式にとらわれず、自由で自然な様子を表す言葉です。また、芸術作品や人の言動が作り込まれておらず、自然体で完成度が高い場合にも使われます。この言葉は、特に文章や芸術などにおいて「不自然さや無理がなく、自然と美しいもの」を表現する際によく使われます。
「天衣無縫」ってどんなことを意味するの?もう少し詳しく教えて!
天衣無縫とは、飾りがなく、自然で素直な様子 を表す言葉です。まるで天女の着物が縫い目もなく、自然にできているように、何の飾りやごまかしもなく、ありのままの姿を表しています。
「天衣無縫」の語源や由来
天衣無縫の語源や由来は以下のとおりです。
【天衣無縫の語源や由来】
weblo辞書より引用
- 「天衣無縫」は、宋代の「太平広記」に引用された「霊怪集」の話が由来となっている。
昔、郭翰(かくかん)という名前の人物が暑い夏の夜に自宅の庭に寝転んでいると、空から美しい織女が下りてきた。すると、「長らく夫が留守にしているので、地上に遊びに来た」と答えた。そして、二人はそのまま一夜をともにしてしまう。ある時、織女の衣に縫い目が全くないのを不審に思い訊ねると、「天人の衣は針と糸を使わない」と答えた。この逸話から、「天衣無縫」は衣のように作為のない自然な感じ、織女のように無邪気な感じのことを指すようになった。
「天衣無縫」の語源や由来
天衣無縫(てんいむほう)の由来は、中国宋代の「太平広記」に引用された「霊怪集」という物語にあります。この物語の主人公は、郭翰(かくかん)という人物です。暑い夏の夜、郭翰が自宅の庭に寝転んでいたところ、空から美しい織女(しょくじょ)が降りてきました。織女は「夫が長い間家を留守にしているので、地上に遊びに来たのです」と答え、二人はそのまま一夜を共に過ごします。
ある時、郭翰が織女の衣服を見て、縫い目が全くないことに気付きました。不思議に思い尋ねると、織女は「天人の衣服は針と糸を使わない」と答えます。この話から、「天衣無縫」という言葉は生まれました。織女の衣のように、人工的な加工を施していない自然な美しさや、無邪気で純粋な心を表す言葉として使われるようになったのです。
この物語は、「天衣無縫」が自然な魅力や作り込まれていない素直さを象徴する背景として、今でも語り継がれています。
「天衣無縫」の使い方を例文でわかりやすく解説
それでは、「天衣無縫」の正しい使い方を具体的にイメージできるようわかりやすい例文をご紹介します。
天衣無縫ってどういう場面で使ったりするの?
「天衣無縫」は、日常生活や仕事の場面で、人の性格や行動が飾らずに素直で自然であると感じるときに使われます。
「天衣無縫」は、以下のような場面でよく使われます。
- 文章や話し方が自然で作為のないとき。
- 芸術作品が飾り気なく完成されているとき。
- 子どもや人の性格が純粋で無邪気なとき。
- 他人を惹きつける魅力が自然とにじみ出ているとき。
- 形式やルールにとらわれず自由な発想や行動をしているとき。
「天衣無縫」を使うときには、以下の点に注意しましょう。
- 完璧さや自然さを強調する場面で使うことが大切です。粗雑なものには使いません。
- 褒め言葉として使われることが多いので、相手を批判する際には不向きです。
- あまり形式的な状況や、厳格なルールが求められる場面では適していません。
天衣無縫の例文①
この例文では、ある作家の文章が無理なく自然に読者に伝わることを「天衣無縫」で表現しています。内容が完璧で作り込んだような印象がないため、この言葉が適しています。
Hさんの小説、もう読んだ?
ええ、読んだわ。彼の書く文章は、まるで天衣無縫で、無理なく心に響いてくる。
この文では、作家の文章が自然で飾り気なく、人々に共感を呼び起こす様子を表しています。「天衣無縫」は、そうした文章が持つ自然さや完成度の高さをうまく表現しています。
天衣無縫の例文②
この例文では、友人の無邪気な性格や飾り気のない素直さを「天衣無縫」として称賛しています。この表現は、その人の純粋な人柄にぴったりです。
Rさんは、いつも笑顔で、元気いっぱいだよね!
そうね。彼女の笑顔には天衣無縫な魅力があって、みんなを自然に元気づける力があるわね。
ここでは、彼女の純粋な笑顔が周囲を和ませる力を持っていることを表現しています。「天衣無縫」は、飾り気のない自然な魅力を伝えるのに最適な言葉です。
天衣無縫の例文③
この例文では、ある芸術作品が形式にとらわれず、自由で美しい完成度を持っていることを「天衣無縫」で説明しています。独自性がありながらも自然な完成度が感じられる場合にぴったりの言葉です。
今回Yさんが芸術展に出品した作品みた?すごいよね!
ホント!すばらしかった!その絵画は天衣無縫で、どこか自由な美しさが感じられる作品だったわ!
この文では、形式や決まりにとらわれず、自然体で美しい絵画を表現しています。「天衣無縫」は、そんな自由で自然な芸術作品に最適な形容詞です。
「天衣無縫」の言い換え表現を例文を使ってわかりやすく解説
「天衣無縫」は、日常使う簡単な言葉に言い換えることができます。ここでは、以下のような2つの言い換え表現と、その意味や例文を紹介します。
【天衣無縫の言い換え表現】
・自然体(しぜんたい)
・無邪気(むじゃき)
「自然体」の例文
「自然体」とは、無理やり作り上げたものではなく、そのままの自然な姿や振る舞いを表す言葉です。特に、飾らずに自分らしく行動している様子に使われます。
Gさんって、どんな人なの?
彼はいつも自然体で、誰といても変わらない落ち着きを持っている人よ。
この例文では、ある人物がどんな状況でも無理をせず、自分らしくいることを「自然体」で表現しています。「天衣無縫」との違いは、「自然体」はその人の行動や性格の自然さに焦点を当てていることです。「天衣無縫」は、芸術や文章の美しさにも使われますが、「自然体」は主に人の振る舞いや性格について使われることが多いです。
「無邪気」の例文
「無邪気」とは、心に何のわだかまりもなく、純粋で素直な様子を表す言葉です。子どもや素直な人の行動、言動に使われます。「天衣無縫」と同様に、自然で飾り気のない魅力を表現するときに使えます。
昨日、姪っ子と一緒に公園に行ってきたんだって?
そうなのよ。姪っ子たちは無邪気に遊んで、時間が過ぎるのも忘れて楽しんでいたわ。
この例文では、子どもたちが純粋に楽しんでいる様子を「無邪気」で表現しています。「天衣無縫」と比べると、「無邪気」は特に子どもや、純粋で素直な行動に対して使われます。「天衣無縫」はより広い意味で、芸術や文章、人の行動などにも使われることがありますが、「無邪気」は主に人の性格や行動にフォーカスしています。
「天衣無縫」の類義語
「天衣無縫」の類義語を辞書で調べると以下の通りです。
【天衣無縫の類義語】
weblio辞書より引用
- 天真爛漫(てんしんらんまん):心の底から明るく、何のわだかまりもなく、素直で無邪気な様子。
- 純真無垢(じゅんしんむく):心が清く、汚れがなく、純粋な様子を表す。
「天真爛漫」の例文
天真爛漫(てんしんらんまん)とは、飾り気がなく、純粋で素直な気持ちがそのまま表れている様子を指します。この言葉は、特に子どもの無邪気さや、自然な感情がありのままに出ている状態に使われます。
Yさんは、笑顔が素敵な人だね。
そうね。彼女は天真爛漫で、どんな時でも笑顔を絶やさない人ね。
この例文では、Yさんの純粋で無邪気な性格を表現しています。「天真爛漫」は、性格や行動が自然で、飾り気のない素直さを強調する場面で使われます。「天衣無縫」と似ていますが、「天真爛漫」は主に人の性格や感情の表れに使われることが多いです。
「純真無垢」の例文
純真無垢(じゅんしんむく)とは、心が汚れておらず、非常に純粋で無邪気な様子を表す言葉です。何の疑いもなく、善意や正直な気持ちがそのまま現れている状態を指します。特に、疑念や悪意がない状態に対して使われます。
Dさんは、素朴で、嫌味のない人だったね。
そうね。彼の純真無垢な言葉には、嘘や飾りが一切感じられなかったわ。
この例文では、彼の言葉が非常に純粋で、何の作為もないことを「純真無垢」で表現しています。「天衣無縫」との違いは、「純真無垢」は特に心の純粋さに焦点を当てていることです。「天衣無縫」は自然な魅力や美しさを表すのに対して、「純真無垢」は内面的な無邪気さや純粋さを強調する場面で使われます。
「天衣無縫」の対義語
「天衣無縫」に明確な対義語はありませんが、反対の意味を持つ言葉として、狡猾(こうかつ)と針小棒大(しんしょうぼうだい)を挙げることができます。どちらも「天衣無縫」の自然で無邪気な魅力とは逆の性質を持つ言葉です。
【天衣無縫と反対の意味を持つ言葉】
Domaniより引用
- 狡猾(こうかつ):ずる賢いこと。
- 針小棒大(しんしょうぼうだい):針ほどの小さいことを棒ほどに大きく言うこと。おおげさなこと。
「狡猾」の例文
狡猾(こうかつ)とは、ずる賢く、他人をだましたり、計算して自分の利益を得ようとする様子を表す言葉です。誠実さや純粋さがなく、何か裏があるような行動や態度に使われます。特に、人をだますために巧妙に振る舞うことを指します。
Wさんのやり方は、ひどいな!
そうね。彼の狡猾なやり方は、誰もが信用できないと感じたでしょうね。
この例文では、彼がずる賢く、相手をだまそうとする行動が周りから信用を失ってしまったことを表現しています。「狡猾」は、相手に対して作為的で裏のある行動をする場面で使われ、「天衣無縫」のような自然で無邪気な魅力とは正反対の意味を持ちます。
「針小棒大」の例文
針小棒大(しんしょうぼうだい)とは、小さなことを大げさに言ったり、事実を誇張して伝えることを指します。もともと小さな出来事を、まるで大きな問題であるかのように話すことに使われます。自然で素直な表現とは反対に、過剰に作り上げたような印象を与える言葉です。
Fさんが針小棒大に話すので、実際の出来事よりもずっと大きく感じてしまったよ。
そうね。彼はいつも大げさよね。
この例文では、彼が小さな出来事を誇張して話すことで、周囲が実際以上に大きな問題と感じてしまう様子を表しています。「針小棒大」は、事実を過度に大げさに言う場合に使われ、「天衣無縫」の自然さや作為のなさとは真逆の性質を持っています。
「天衣無縫」の英語表現
「天衣無縫」の英語表現を辞書で調べると以下の通りです。
【天衣無縫の英語】
weblio辞書より引用
- guiltless:罪悪感や後ろめたさがない、純粋な状態。
- innocent:罪のない、純粋な状態。
「guiltless」の例文
「guiltless」は、罪がなく無垢な状態や、悪意や過失が全くない様子を表す言葉です。「天衣無縫」のように自然で無邪気、または作為のない純粋な状況を指すときに使うことができます。
「天衣無縫」を英語で表現した例文を教えて!
"He looked guiltless, like someone who could never deceive another person."のように表現することができます。
日本語訳:彼はまるで他人をだますことなどできないような、無垢な表情をしていた。
この例文では、「guiltless」を使って、彼の無邪気さや、罪や悪意のない自然な態度を表現しています。「天衣無縫」と似たように、飾らず無垢な人の姿を描写するのに適した表現です。
「innocent」の例文
「innocent」は、何も悪いことをしていない、無罪で純真な様子を表す言葉です。特に子どもや無邪気な人を指す場合によく使われます。「天衣無縫」の自然で無邪気な意味合いを持つ状況で使える表現です。
「天衣無縫」を英語で表現した例文をもう一つ教えて!
"The child's innocent smile brought warmth to everyone's heart."
日本語訳:その子どもの無邪気な笑顔は、みんなの心を温かくした。
この例文では、子どもの純真で作為のない笑顔を「innocent」で表現しています。「天衣無縫」の自然な魅力と同様に、無邪気で素直な様子を表すときにぴったりの言葉です。
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