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破釜沈船(はふちんせん)の正しい意味と使い方5選!例文もわかりやすく解説

「破釜沈船」とは、「決死の覚悟で物事を行うこと」という意味があります。

しかし、破釜沈船の意味がわかったところで、その正しい使い方やシチュエーションを理解しておかないと、間違った解釈をしたまま恥ずかしい思いをするかもしれません。

そうならないように、この記事で破釜沈船の意味に加えて、正しい使い方を例文も交えてわかりやすく解説しておりますので、最後まで読んでこれから活用できるようにしてくださいね!

ヒロト

今日の試合は絶対負けられない!破釜沈船で望むよ!

コトハ

全力で頑張って!!

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「破釜沈船」の意味とは?わかりやすく解説

「破釜沈船」とは、はふちんせんと読み、決死の覚悟で物事を行うこと。という意味があります。

破釜沈船の意味を辞書で調べると、このように解説されております。

【破釜沈船の意味】

  • 決死の覚悟で出陣すること。生きて帰らない決意を示すこと。出陣のとき、飯を炊く釜(かま)を打ち壊し、船を沈めて退路を断つ意から。

    「釜(かま)を破(やぶ)り船(ふね)を沈(しず)む」と訓読する。

goo辞書より引用

「破釜沈船」の意味

破釜沈船(はふちんせん)とは、決して後戻りできない覚悟で物事に取り組むという意味を持つ言葉です。この表現は、全ての逃げ道を断ち、成功するために最後まで全力を尽くす状況を指しています。例えば、戦いに挑む前に退路を断って勝利を目指すような場面で使われます。

「破釜沈船」の意味の概要

「破釜沈船」という言葉は、「釜を壊し、船を沈める」という文字通りの行動から生まれました。この行動は、もう後には引けないという決意を表しています。これにより、自分や仲間を奮い立たせ、最終的な勝利を目指す精神が込められています。

ヒロト

「破釜沈船」ってどんなことを意味するの?もう少し詳しく教えて!

コトハ

破釜沈船とは、決死の覚悟で物事を行うこと、または後戻りできない状況に追い込むことを意味する四字熟語です。

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「破釜沈船」の語源や由来

破釜沈船の語源や由来は以下のとおりです。

【破釜沈船の語源や由来】

  • 命を捨てる覚悟で出陣すること。

    川を渡った後に、飯を炊くための釜を壊し、帰るための船を川に沈めて出陣するということから。古代中国の楚の項羽が、秦との戦いで行ったという故事から。

    「釜(かま)を破り船を沈む」とも読む。
四字熟語辞典より引用

「破釜沈船」の語源や由来

「破釜沈船」の語源は、中国の歴史に登場する有名な戦いから来ています。この言葉の由来は、紀元前3世紀ごろに活躍した中国の将軍、項羽(こうう)が戦争で取った戦術です。

項羽は、敵と戦うために兵士たちを連れて川を渡り、戦いの場に向かいました。しかし、彼は兵士たちが「逃げる心」を持たないようにするために、食事を作るための釜を壊し、川を渡るために使った船を沈めてしまいました。これにより、兵士たちには後戻りする道がなくなり、「もう進むしかない」という状況に追い込まれました。この大胆な行動が結果的に大勝利をもたらしたのです。

この出来事から、「破釜沈船」という言葉が生まれ、退路を断ち、覚悟を持って前に進むという意味が定着しました。

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「破釜沈船」の使い方を例文でわかりやすく解説

それでは、「破釜沈船」の正しい使い方を具体的にイメージできるようわかりやすい例文をご紹介します。

ヒロト

破釜沈船ってどういう場面で使ったりするの?

コトハ

破釜沈船は、大きな挑戦や決断をする場面で使われます。例えば、ビジネスの大事なプロジェクトや試験、スポーツの試合など、後がない状況で決意を示す際に使うと効果的です。

「破釜沈船」は、退路を断ち覚悟を持って挑む時に使われる言葉です。具体的には、以下のような場面で使うことができます。

破釜沈船がよく使われる場面の一例
  • 勝負を賭けるような重要な場面: 試験、試合、プレゼンテーションなど、結果が大きく左右する場面で、全力を尽くす決意を表す際に使われます。
  • 困難な状況に直面したとき: 病気や失恋など、乗り越えが難しい状況で、最後まで諦めずに頑張る決意を示す際に使われます。
  • 目標達成のために手段を選ばないとき: 目標達成のために、リスクを恐れずに突き進む決意を表す際に使われます。
  • チームや組織を一つにまとめたいとき: メンバー全員で同じ目標に向かって努力するよう、強い一体感を醸成したい際に使われます。
  • 過去の失敗を乗り越え、再スタートを切りたいとき: 過去の失敗から学び、新たな挑戦に挑む決意を表す際に使われます。

「破釜沈船」を使う際には、以下の注意点を押さえておくと効果的です。

使う時の注意点
  • 本当に後戻りできない状況や、全力で挑む決意が必要な場面で使う。
  • 軽い気持ちで使わず、大きな挑戦や覚悟が問われる状況で使用する
  • 日常の小さな決断ではなく、人生やビジネスにおける重要な決断の際に適している。

破釜沈船の例文①

受験生が、合格を目指して全力で勉強に打ち込む姿を描いた例文です。

ヒロト

Rさん、志望校に合格したね!

コトハ

すごいわよね!志望校に合格するため、彼は破釜沈船の覚悟で毎日12時間以上勉強を続けたそうよ。

ヒカル

この例文では、後戻りできない状況で全力を尽くしている受験生の決意を表しています。「破釜沈船」を使うことで、その覚悟が非常に強いことを強調しています。

破釜沈船の例文②

ビジネスの重要なプロジェクトに挑む際の決意を表した例文です。

ヒロト

今回のプロジェクトには社運がかかっているね。

コトハ

そうよ。このプロジェクトは会社の将来を左右するのよ。私たちは破釜沈船の覚悟で臨まなければならないわ。

ヒカル

この例文では、会社の重要なプロジェクトにおいて、後がない状況で全力を尽くす必要があることを「破釜沈船」で表現しています。プロジェクトの成功に向けて強い意志が伝わります。

破釜沈船の例文③

スポーツの試合で、チームが全力で勝利を目指す場面を描いた例文です。

ヒロト

今回の試合では、チーム全員が破釜沈船の覚悟で試合に臨み、最後の一瞬まで全力を尽くしたんだ!

コトハ

すごい覚悟でのぞんだのね。それで、勝ったの?

ヒカル

この例文では、スポーツチームが後戻りできない試合で、全力を尽くす覚悟を「破釜沈船」という言葉で表現しています。試合に対する真剣な姿勢が感じられます。

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「破釜沈船」の言い換え表現を例文を使ってわかりやすく解説

「破釜沈船」は強い決意を示す言葉ですが、日常生活で使いやすい表現に言い換えることもできます。ここでは、身近な言葉を使って、「破釜沈船」の意味を伝えます。

【破釜沈船の言い換え表現】

全力を尽くす

もう引き返せない

「全力を尽くす」の例文

「全力を尽くす」とは、自分の持てる力をすべて使って取り組むことを意味します。これは、やり遂げるために逃げずに最後まで頑張るという意味で、「破釜沈船」と似ていますが、もっとシンプルで日常的に使われる表現です。

ヒロト

この試合は負けられない。全力を尽くして最後まで戦うぞ!!

コトハ

もう後はないわ。がんばれ!!

ヒカル

この例文では、試合において全力で挑むという覚悟を表しています。「破釜沈船」と同じく後戻りできない強い決意を示していますが、もっと一般的な言葉で表現されています。

「もう引き返せない」の例文

「もう引き返せない」とは、途中でやめることができない、進むしかない状況を指します。日常生活でよく使う言葉であり、何か大きな決断をした後や挑戦している途中での気持ちを表現する時に使います。

ヒロト

プロジェクトもここまで来たら、もう引き返せない。やり遂げるしかない!!

コトハ

がんばりましょう!!

ヒカル

この例文では、ビジネスのプロジェクトが進んだ段階で、後戻りできない状況にいることを表しています。「破釜沈船」と似た状況ですが、こちらはもっと現実的で、カジュアルな言い方として使われます。

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「破釜沈船」の類義語

「破釜沈船」には、同じように決して後戻りしない覚悟を示す類義語がいくつかあります。ここでは、代表的な2つの言葉「背水之陣」と「背水一戦」を紹介します。

【破釜沈船の類義語】

  •  背水之陣(はいすいのじん):切羽詰まっていて、もう一歩も後にはひけないぎりぎりの状況。
  • 背水一戦 (はいすいいっせん):背水の陣。一歩も後には退けない状況に身を置いて、必死の覚悟で当たること。
goo辞書より引用

「背水之陣」の例文

背水之陣(はいすいのじん)とは、逃げ道を断って、全力で戦うという意味の言葉です。戦いにおいて、川や海を背にして陣を敷くことで、敵に向かって進むしかない状況を作り出すことから、この言葉が生まれました。これは、絶対に勝たなければならない覚悟を強調しています。

ヒロト

Eさん、とうとう起業に成功したね!

コトハ

ホント、すごいわ。彼は背水之陣で挑んだ起業に成功し、今では業界トップにまで成長したんだから。

ヒカル

この例文では、後戻りできない状況で挑んだ起業の成功を描いています。「背水之陣」という言葉は、覚悟を決めて前に進む状況を強調しており、破釜沈船と同じように決意の強さを示しています。

「背水一戦」の例文

背水一戦(はいすいいっせん)は、最後の決戦を意味し、もうこれ以上後がなく、一度きりの勝負に全力を注ぐことを表す言葉です。この表現は、最後のチャンスにすべてをかける状況を強く描写しています。

ヒロト

僕たちのサッカーチームは、背水一戦で最後の試合に臨み、見事に優勝を勝ち取った!

コトハ

優勝おめでとう!よくがんばったね!

ヒカル

この例文では、もう一度しかない試合に全力を注いで優勝を果たした場面を描いています。「背水一戦」は、これが最後のチャンスだという緊張感が強調され、破釜沈船と同様、全力で取り組む状況を表現していますが、一度限りの勝負というニュアンスが特徴です。

「破釜沈船」の対義語

「破釜沈船」には明確な対義語はありませんが、反対の意味を持つ言葉として以下の2つの表現があります。

【破釜沈船と反対の意味をもつ言葉】

安全策(あんぜんさく):リスクを避けて安全に行動するための計画や方法。


慎重策(しんちょうさく):あらゆるリスクや危険を考慮して、意思決定に細心の注意を払うこと。

「安全策」の例文

「安全策」とは、リスクを避け、失敗の可能性をできるだけ減らすための行動や対策を指します。これは、後戻りできない状況を作り出す「破釜沈船」とは対照的に、あらかじめリスクを最小限にするための対策を考えるという姿勢です。

ヒロト

Aさんは、今回のプロジェクトをどのように進めるつもりなのかな?

コトハ

彼は今回の新しいプロジェクトに対しては、安全策を取りながら慎重に進めることにしたそうよ。

ヒカル

この例文では、無理せず慎重に進む姿勢が強調されています。「破釜沈船」とは違い、リスクを避け、失敗しないようにするために計画的に行動することが表されています。大きな挑戦よりも、安全を第一に考える場面で使われます。

「慎重策」の例文

「慎重策」とは、急がず、一歩一歩確実に進めるための戦略です。焦らず、まずは状況をよく見極め、少しずつ進めることで失敗を防ぐことを目的としています。「破釜沈船」のように大胆に挑むのではなく、計画的に動くことを重視します。

ヒロト

新商品の導入については、会社は慎重策を取り、テストマーケティングから始めることになったそうだよ。

コトハ

今回の新商品導入は、じっくり進めていく方向なのね。

ヒカル

この例文では、会社が急がず、リスクを減らしながら進めている状況を示しています。「破釜沈船」とは逆に、あらゆる可能性を考慮しながら慎重に行動する姿勢を表しています。

「破釜沈船」の英語表現

「破釜沈船」を英語に言い換えると、覚悟を決めて後戻りできない状況を表すフレーズがあります。ここでは、代表的な2つの英語表現を紹介します。

【破釜沈船の英語】

burn one's bridges

go all in

「burn one's bridges」の例文

「burn one's bridges」とは、退路を断つ、もう後戻りできない状況を作るという意味です。この表現は、「橋を焼いてしまうことで、元の場所に戻る道をなくす」というイメージから来ています。「破釜沈船」と非常によく似たニュアンスを持つ表現です。

ヒロト

「破釜沈船」を英語で表現した例文を教えて!

コトハ

"After quitting his stable job, he burned his bridges and started his own company."のように表現することができます。

日本語訳:彼は安定した仕事を辞め、退路を断って自分の会社を始めた。


ヒカル

この例文では、安定した仕事を辞めたことで後戻りできなくなり、全力で新しい事業に挑む状況を示しています。まさに「破釜沈船」と同じように、全てをかけて挑む覚悟が伝わる英語表現です。

「go all in」の例文

「go all in」とは、持てる全てのものを賭ける、全力で挑むという意味です。この表現は特に、ポーカーのゲームで使われるフレーズで、手持ちの全てのチップを賭ける場面から来ています。勝つか負けるか、一か八かの勝負に挑む時に使われる表現です。

ヒロト

「破釜沈船」を英語で表現した例文をもう一つ教えて!

コトハ

"He decided to go all in and invest all his savings into the new business."のように表現することができます。

日本語訳:彼は全財産を新しいビジネスに投資し、全力で挑むことに決めた。

ヒカル

この例文では、すべての財産を新しいビジネスに賭けている状況を表しています。「破釜沈船」と同じように、もう後がなく、成功を目指して全力で取り組む決意を表現しています。

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